検査で異状なしも、痛みが長く続く理由は脳が原因かも!?
カテゴリー:お勉強シリーズ
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こんにちは、白石接骨院いとうです。
本日は「検査で異状なしも、痛みが長く続く理由は脳が原因かも!?」という内容となります。
痛みを感じるので検査をするも異状はなし、動かすと痛いから動かさない、けど痛いのは変わらず。
そして、特に大きな変化もなく、はや数ヶ月…
「痛み=動かしちゃダメ」 という考えも働き、このような症状を抱えて来院される方は本当に多いです。
病院では検査で異状がないと、痛いところに注射をしたり、電気をかけて湿布を貼って様子をみる、というお決まりの流れとなります。
異状がないなら動かしてもいい、とドクターも知っているのですが、一人当たりの問診の時間が限られているので、詳しく丁寧に伝えられないのが実情です。
ですので、患者さん任せとなってしまうのです。
適材適所で患者さんも先生を選んで、治療・施術することが現代の医療のかかり方かもしれません。
さて、検査で異状がないけど、痛みがあるのは何故なのでしょう?
そして、痛みが長引いてしまう脳との関係性とはどのようなことなのでしょうか?
Contents
検査で異状はないけど、痛みがあるのは何故?
検査で異状なしでも痛い、そして経過観察の流れは「病院あるある」ですよね。
身体の構造に異状がないなら動かしてもいいんじゃない!?
でも、痛いから動かしたくないのもわかります。
痛みは身体からのメッセージです。
そのメッセージを無視して動かすことは、かなりのストレスとなります。
でも、動かすことも必要なのです。 病院が見過ごしている要素が実はありまして、、、
それは「脳の記憶と筋肉の連動性の欠如」なのです。
何言ってるの?ってなりますよね。 一つひとつ見ていきましょう。
【関連記事】「画像検査をしても異状がない時に、攻めるべきところとは?」はこちらをクリック!
脳の記憶とは?
ある経験をして失敗したとしましょう。
「失敗」という経験をした後に、再び同じことをしようとしたときに、失敗の記憶が蘇り「また失敗してしまうのではないか?」と考えてしまいませんか?
もちろん成功体験でも同じことが言えます。
脳は経験や体験を当然ながら記憶します。
「成功」も「失敗」も経験を重ねることにより、より強く脳に記憶されます。
成功体験ならばよいのですが、失敗となると話はよくない方向へ。
失敗を何度も繰り返すことで、過去の失敗の経験よりまだ行っていないにも関わらず脳が勝手に「失敗してしまうのではないか」と思い込んでしまうのです。
痛みを覚えてしまうってどういうこと?
脳の記憶が良くない方向に働き、しかも身体に作用してしまうと、長く痛みを身体に感じ続けてしまうことになるのです。
痛みを脳が記憶として覚えてしてしまうのです。
この思い込みが出来てしまうと、痛みという症状はなかなか変化しにくいものとなります。
そして、ドクターに「これは年のせいだから一生治らない、付き合っていくしかない」と言われたら最後。
信じて(?)痛みは無くならないんだと、さらに思い込みを強くしてしまうのです。
患者さんご本人が治そうとする行動や努力を失ってしまうと、本当に一生付き合わなくてはならないものとなってしまうのです。
そうならないように私は患者さんにこう伝えています。
「人間は心臓が止まるまで治ろうとしています。その治ろうとしているのを邪魔してしまうのが脳の思い込みだったり、生活習慣なのです。」と。
身体でも成功体験をすることで症状は変化していくのです。
その成功体験のお手伝いをするのが当院のお役目であり、施術となります。
絶対にやっちゃいけないこと
痛みを抱えていると、どうしてもしてしまうのが「痛みの確認」です。
問診時に「どこが痛いですか?」と聞くと『ここをこうすると痛い』と言って何度も痛みを出して、確認しています。
何度も痛みを出して症状を確認をすることで、先ほどのように脳への記憶をさらに強くしてしまうのです。
そして、患部を押して痛みを自ら出すこともあります。
「もう勘弁してぇ~(゚Д゚;)」と、私はいつも思ってしまいます。
そうならない為にも、こう聞くと一番いいようです。
「生活していてどんな時に痛いですか?苦痛を感じますか?」と聞くと、生活の中で実際に行う動きで再現していただけます。
無理な体勢をしないで痛みの出方を聞くことができるのです。
「どうすると痛いですか?」と聞くと、無理やりな動作や体勢で症状を出そうとする患者さんもいますが、この確認方法は本当に無意味です。
だって、「そんな姿勢は生活でも仕事でもしないじゃん!」という動作や姿勢をするのですから。
何を言いたいのかというと、普段の生活の中で感じる症状を楽にすることが最優先ということ。
滅多にしない動作や姿勢での痛みを楽にすることは最優先事項ではないのです。
たとえば、
- 朝起きるときに痛い
- 台所に立っていると痛い
- 中腰動作が痛い
など、生活の中で感じる痛みを楽にすることが先決なのです。
痛みの確認は不必要! かえって長引かせるだけです。
出来るだけ痛みを感じないことが、良くなる方向への最短距離となるのです。
気づかないうちにあなたもしていませんか?
動かさないことで痛みはどうなる!?
では、動かさないと痛みはどうなるの?という声が聞こえてきそうですね。
「動かして良いか、動かさない方が良いのか」というのは、見極めが大切なのです。
この見極めが、患者さんにはできないのです。
こう例えるとわかりやすいでしょう。
骨折をしてギプスをしたとしましょう。
骨がくっ付いたのでギプスを取りました。
いざ動かしてみましょう、となるのですが動かすと痛いのです。
このような症状の場合、ドクターも「積極的に動かしてください」というでしょう。
なぜこの時は動かして良いのでしょうか?
それは、「関節などの軟部組織が固まった痛みであって、骨折した骨の痛みではないから」なのです。
骨折を治すには固定が必要です。
ですが、固定が続くと動かしていない関節の組織が固まってしまうのです。
その硬くなった組織を動かそうとしたときに痛みとして感じるのです。
これは、膝や肩関節にも同じことが言えるのです。
正座をすると痛いから画像検査をしたが、特に異状はなし。
するとどうなるでしょう、正座という姿勢はしなくなりますよね?
正座はしないので、膝関節は曲げられません。
曲げない、動かさないで、膝は余計に硬くなっていきます。
もちろん、動かさないので正座をすると痛みは出ます。
痛みが出るから「やっぱり正座はやめておこう」となり、ますます出来ない動きとなります。
短い時には1か月足らずで正座は出来なくなるでしょう。
年単位でしなくても再び正座が出来る方もいますが、ほんの少数です。
一度正座が出来なくなると、以前のように戻るまでには時間を要します。
完全に固まってしまった場合には1年を要することも。
動かして良い時の基準は?
膝の場合、下記の項目に当てはまった時には、痛みを感じても動かしてもよい、と伝えています。
- 画像検査で異状がない場合
- 痛みの個所が膝の内側でない場合
- 歩いても症状がない場合 です。
(あくまでも当院での施術においての指標ですので、実際に行う場合には罹っている先生のご相談のうえ行ってくださいネ☆)
本来は、画像検査で異状がないのなら動かしていいはずなのです。
だって、異状がないのですから。
もし、画像検査で異状があっても膝の内側に痛みを感じない場合には、積極的に動かすことを推奨しています。
画像で異状があり、膝の内側に痛みを感じている場合には、骨の変形を進めてしまうことになってしまうので、膝の内側に痛みを楽にする施術を最優先に行います。
普段の生活で膝の内側に痛みを感じないようになったならば、積極的に動かすようお伝えします。
痛いから動かなさない、関節が固まっているから動かすと痛い、だからさらに動かさなくなる。
この悪循環を早く断つことで、正座の痛みや決まった動作時の症状がなくなりやすいのです。
腰も足首の同じことが言えます。
「いつか治るだろう…」は通用しない
患者さんにいつもお伝えすることは「いつか治るだろう、は通用しない」ということ。
何もしないでいつか治るだろう…と思うのは甘いです。
「いつか」をあなたの行動で引き寄せてください。
そのためにも適切なアドバイスの元に、動きながら施術を受けることです。
一人で立ち向かうには知識と経験が必要です。
身体を楽にするのは施術者でもありますが、一番はあなたの行動力です。
いつまでも症状の変わらない院に通院するのはやめて、良くなるための行動をしてください。
少しでも本日の記事が皆様のお役にお役に立てれば光栄です。
本日もお読みいただきましてありがとうございます☆