階段は痛みで膝が曲がらない!そんな時はストレッチとリハビリで解決!
カテゴリー:膝の痛み
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あなたは階段の上り下りの時に痛みなく膝はちゃんと曲がりますか?
もし痛みで膝が曲がらないのでしたら「階段は痛みで膝が曲がらない!そんな時はストレッチとリハビリで解決!」を読んでください☆
日々、接骨院の現場で患者さんにお伝えしている内容ですのできっとお役に立つかと思います。
Contents
階段は膝が痛みで曲がらない!
何かの拍子、または意図しない動きをしたときから膝が曲がらなくなることがあります。
関節や筋肉を痛めるほどではないけども急に大きな負荷が加わったり、不意に踏ん張ったりしゃがんだりすると太ももの前や後ろ、ふくらはぎの筋肉が防御反応を起こし、筋肉が硬くなり膝が曲がらない、曲がりにくくなるです。
特に階段の上り下りの時です。
実はこのようなことは日常的に起きていて、原因が見当たらなかったり、突然膝が動きがずらい、重みを感じる、というときにこのようなことが起きています。
感覚として、本人にはそれほどの負荷ではないと感じているのですが、身体では負荷として感じた結果の症状なのです。
こんなことはありませんか?
「昨日動いたけどそんなに動いたつもりはないんだけどなぁ… なんで身体が痛いんだろう…」
頭ではそう思っても、身体は負担として受けてる証拠です。
年齢を重ねると、自分で感じる感覚と身体が受ける負荷のギャップの差が開いていきます。
残念ながらこのようなことは年々増えていくのです…。
膝が急に曲がらなくなったときのストレッチ
膝が曲がらない時にお勧めのストレッチは膝裏と太腿前の筋肉へのストレッチとなります。
つま先と膝の向きが一緒にならないと十分に伸ばされないのでチェックしながら行いましょう。
つま先にだけ意識が向きすぎて膝が曲がらないようにも気をつけてくださいね。
次は太腿の前のストレッチです。
- 片足の足を90度くらい曲げて前に出し、もう片方の足は後ろへ伸ばす。
- 上半身が前に倒れないように真っ直ぐなまま、前に出した膝を曲げていく
- すると後ろの足の骨盤から太ももの前面が伸びる
後ろ足のつま先を少し開くと太ももの内側が伸ばされます。
気持ちいいと感じるくらいで行うと筋肉はより緩みやすくなります。
間違ったストレッチをしないためにこちらをご覧ください→間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?
正座ができない、膝が曲がらない時のリハビリ
ケガなどで患部に熱感や炎症、痛みがある時には正座をすることで症状を強くしてしまうので行わないでください。
膝が曲がらないときにリハビリを行う条件は
- 炎症や熱感がない
- 患部を押しても痛くない
- 動いても痛みはないけど正座が出来ない
となります。
靭帯や半月板の損傷、そのほか、変形やケガ、障害の治療後に行う場合には担当の先生に聞いてから行ってくださいね。
膝を曲げると痛いときのリハビリ
- イスに座り親指で膝裏の硬いところ、痛いところを押す
- 親指で押したまま膝を上げる
- 膝を上げる意識も必要ですが、押している指でも膝を上げている、という意識も必要です。
- 1から3を10回ほど行う
強く押すと膝裏が内出血してしまいますので注意です。
行っているうちに膝が軽くなって行きますよ!
では2つ目の方法です。
体重をかけると膝が痛いときのリハビリ方法です。
- 太もも下(お皿の上辺り)の筋肉を両方の手で挟む
- 両手で挟んだまま体重をかかる
- 痛くてもできるならそのまま立つ(膝を伸ばす)
挟む位置は少し上の時もありますので、一番楽な位置で行ってください。
あなたの膝の痛み症状のセルフチェック
それぞれの痛む場所や痛み方を確認してみましょう。
一つでも当てはまるとそれぞれの疾患や障害の疑いがあります。
変形性膝関節症
- 以前より「気をつけ」をすると膝の間が開いている
- 左右の膝の形が違う
- いつもより多く動くと熱感や水がたまる
- 膝が完全に曲がらない、伸びない
変形性膝関節所についてはこちら。
→変形性膝関節症のしてはいけない運動とスクワットやウォーキングの効果
オスグッドシュラッター病
- お皿の下の骨が出っ張ってきた
- 動くとお皿の下の骨が痛い
- 年齢が18歳以下
オスグッドシュラッター病については詳しくはこちらをご覧ください。
→オスグッドの症状は放置せず冷やしてストレッチで治療期間を短く!
→オスグッドが治らない理由は?オスグッドに関する疑問にお答えします!
腸脛靭帯炎
- 「走る」と膝の外側が痛い
- 体重をかけて膝を曲げると膝の外側が痛い
腸脛靱帯炎については詳しくはこちらをご覧ください。
→腸脛靱帯炎になりやすい人とは?原因と症状チェック、早く治す方法をお伝えします
半月板損傷
- 痛くなる前に、膝に体重を乗せたまま膝を捻った
- 膝の中で引っかかり感があり完全に曲げられない、伸ばせない
- 膝がロックして動かせない
靭帯損傷
- 膝を捻ってしまった時にブチッやパチンという感覚があった
- 膝を少し曲げていると楽だが、完全な曲げ伸ばしはできない
- 膝に不安定感がある
靱帯について詳しくはこちらをご覧ください。
→靭帯損傷とは?症状や治療法、早く良くなる方法を解説します。
膝蓋靭帯炎
- ジャンプ動作が多く、運動時にお皿のすぐ下に痛みや熱感、腫れがある
膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)について詳しくはこちらをご覧ください。
→ジャンパー膝の痛み・症状とは?治療・リハビリ方法も徹底解説
鵞足炎
- 膝の内側に痛みがあり、走ることが多い
- 運動前・中・後のいずれかに痛みを感じる
※鵞足炎は症状の出方と場所が変形性膝関節症と似ているので判断基準をさらに明確にすると…
運動をしている30代までの選手は鵞足炎と判断し、40代以上で運動をあまりしていないのに痛みや腫れ感がある場合には変形性膝関節症という判断でよいでしょう。
鵞足炎について詳しくはこちらをご覧ください。
膝蓋大腿関節症
- イスから立つ、歩くなどの動作時に感じるお皿周辺の違和感や引っかかり感
関節の拘縮
- 運動不足
- 以前に膝を曲げると痛かったのでそれ以降曲げていない
- 痛みはないのに最近膝の動きが硬く感じる
いかがでしたか?
日常生活が普通にできているのでしたら、今から適切な治療や施術を受けることで完全に痛みはなくせるかもしれませんよ!
階段で膝が痛みで曲がらない原因
筋肉以外の問題では関節の変形や靭帯、半月板の損傷などの原因によって階段で膝が痛くて曲がらなくなってしまいます。
それぞれみていきましょう。
変形性膝関節症
膝の痛みといえば「変形性膝関節症」が代表的です。
動作のときに感じる症状には
- 伸ばす、曲げると痛い
- 歩くと痛い
- 寝ていると痛い
- 体重をかけると痛い
- 階段の上り下りが痛い
膝の症状なら全てと言っていいほどの痛みが出てきます。
骨の変形が進むと膝は完全に曲げられなくなり、日常生活でも台所の作業が痛みで辛くなったり、正座が出来なくなったりと支障をきたすようになるのです。
オスグッドシュラッター病
10〜15歳の成長期の男の子に多く、運動量が多くなるとなりやすい障害です。
膝のお皿の下が筋肉と靭帯により骨が引っ張られて炎症と同時に痛みを伴い、さらに炎症が進むと、骨の出っ張りが強くなり膝は完全に曲げられず、正座もできなくなります。
もし完全に膝が曲がったとしても、炎症があると出っ張りが床に当たることで痛みで正座ができません。
成長期に出る膝を曲げる時に痛い症状としては代表的なものとなります。
オスグットについてはこちらをご覧ください→「オスグッドの症状は放置せず冷やしてストレッチで治療期間を短く!」
腸脛靭帯炎
運動でのオーバーユース(使い過ぎ)による障害です。
通称「ランナー膝」とも言われ、走ったり歩いている時に膝の外側が痛く、体重をかけて膝の曲げ伸ばしをする階段では特に痛みが強くなります。
体重をかけないと痛みが弱まる、またはなくなるというのも特徴的な症状です。
半月板の損傷
膝関節に強い荷重とひねり動作が加わることで、膝の中のクッションの役割をしている半月板を痛めてしまい、痛みや引っかかり感が出て膝を完全に曲げることが出来なくなります。
膝関節というのは、曲げる時に大腿骨(だいたいこつ)が脛骨(けいこつ)上を滑ることで膝は曲がります。
膝を曲げるとき太ももの骨が膝下の骨の上を滑るときに半月板への負荷が増え、その負荷が痛みとなって感じ膝が曲げられなくなり、正座は出来ません。
適切な治療を受けずに半月板の症状が慢性化すると、変形性膝関節症を引き起こすことにもつながります。
靭帯損傷
膝の骨を固定する靭帯は、膝関節の中にある前・後十字靭帯と内・外に付いている内・外側副靭帯があります。
この4種類の靭帯を損傷した時、一番楽な姿勢は少しだけ膝を曲げた姿勢になります。
完全に伸ばすと損傷した靭帯が引き伸ばされて痛みを感じることになるからです。
たとえ痛みが楽であっても、腫れがあると完全に曲げることは出来なくなります。
階段の上り下りは大変苦労し、全体重をかけることはできません。
膝蓋靭帯炎
通称「ジャンパー膝」と言われ、膝のお皿の下についている靭帯の炎症と痛みで膝が曲がりません。
体重をかけなくても膝を曲げると痛みがあり、熱感や腫れもあるので組織が損傷しているということになります。
正座も出来ず、階段の上り下りも痛みで辛くなることもあります。
ジャンパー膝についてはこちらをご覧ください→ジャンパー膝の痛み・症状とは?治療・リハビリ方法も徹底解説
鵞足炎
膝の内側に痛みを感じ、膝を曲げる動作はもちろん、歩く、階段の上り下り、ひどい時にはじっとしていても痛いこともあります。
正座は無理をすればできるかもしれませんが、できるだけしたくない、というのが本音でしょう。
鵞足炎についてはこちらをご覧ください→鵞足炎の原因とは?症状や治療方法、リハビリも徹底解説!
膝蓋大腿関節症
加齢やお皿の位置関係によって引き起こされる「膝蓋大腿関節症」。
膝への負担により軟骨が摩耗して変形が起きると膝の曲げる動作時に痛みを感じ、変形によって膝関節が正常な動きができずに階段の上り下りなどで何かしらの症状を感じます。
初期の時には痛みで正座ができなくなり、時間の経過とともに膝関節の拘縮により正座が出来なくなるのです。
関節の拘縮
関節は動きという刺激がないと硬くなる性質があります。
特に日常的に感じやすいのが膝や肩、足首でしょう。
現代の生活様式はイスが多くなったこともあり、正座や和式トイレの使用する機会が減ることで膝を完全に曲げることが少なくなっています。
学生でもお尻が高い状態でしか正座が出来ない患者さんもいます。
生活様式の変化は体にも大きな影響を及ぼすことになるのです。
これも一つの「進化」なのでしょうか。
肉離れ
太腿の前の肉離れをすると、肉離れをした箇所を伸ばすと痛いために膝を曲げることは出来ません。
ある程度の日数が経過すると肉離れした箇所の筋肉が修復され、患部は伸ばされて痛くはありませんが、その後も硬いままの筋肉になってしまうと膝の曲げる動作や正座が以前よりしにくくなります。
ひどい人では完全に正座ができなくなった方もいらっしゃいます。
肉離れについてはこちらをご覧ください。
→ハムストリングの肉離れが全治せず、慢性的に痛み、治らない原因
→肉離れの治療期間は?症状別に治るまでの期間や早く治すコツをご紹介。
「膝が曲がらない!」とならないために
ケガの場合、大怪我でもない限りきちんと計画性をもって治療を進めていくと曲がるようになります。
痛みを放置したり、リハビリを怠ったり、自己判断することで膝は曲がらなくなります。
【痛いから動かさない→膝に刺激がない→関節が硬くなる→動かすと痛い→もっと動かさなくなる】という悪循環になり、最終的にはぜんぜん膝の曲がらない、なんてことにもなります。
当院にはそのような患者さんが少なくありません。
やるべきときに治療やリハビリを行うと痛みもなく膝は曲がるようになるでしょう。
今ではなく「将来のために」適切な行動をしていただければと思います。