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外傷の中でも最も多い足首捻挫。
起きるケガが多いほど、いろいろな症状もあり、中には時間が経過しているにも関わらず痛みがいつまでもなくならないケースもあるでしょう。
この記事では、足首捻挫が治らない7つの原因と足首捻挫の対処法と予防法について詳しくお伝えしていきます。
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Contents
足首捻挫が治らない7つの原因
では早速、足首捻挫が治らない7つの原因を見ていきましょう。
現場で感じている治りにくい原因順にて、ご紹介いたします。
腫れが残っている
足首捻挫をすると組織も損傷するため、炎症が起きて腫れや熱感も出てきます。
炎症が起きているということは腫れや熱感もあるため、痛みの起きやすい時期と言えます。
ただ、押すと痛いけど、歩いたりしゃがんだりは痛くない、ということもよくあること。
押して痛い際には、痛いところを押さずに過ごしましょう。
固定が不十分
固定が不十分だと損傷した組織に負荷がかかるため、いつまでも炎症がおさまりづらく、痛みも感じやすくなります。
患者さんが自分で巻いた包帯で来院し、私が巻き直したら痛みが無くなることはいつものことです。
適切な固定と動くべきところをちょうどよく動けるようにすると、例え腫れていても痛みは消えます。
そして足首捻挫受傷後は、固定して安静にすべきです。
自己判断で放置すると痛みや、しゃがめないなどの不具合は長く続きやすいでしょう。
アライメントが崩れている
足首捻挫を起こす時には、捻挫した足だけに全体重がかかる場合も。
その際の負荷により足首関節のアライメント(骨の配列)が崩れてしまい、見た目でもわかるケースも珍しくありません。
病院ではレントゲンで患部の状態を診て、湿布や固定を行いますが、アライメントの崩れまでは診ません。
※アライメントの崩れとは、脱臼まではしてないけども左右の足を比べると軽微な違いがある、くらいの違いです。
そのため、足首捻挫から数ヶ月経過した患者さんが来院されることもしばしば。
その時にはアライメント改善の施術を行うと、劇的に症状が無くなるケースもよくあることです。
骨の状態に異状はなくても、骨の配列まで診てくれるドクターに診てもらえれば、いつまでも治らない…なんてことも回避できることでしょう。
足のつき方に負担がかかっている
足のつき方に負担がかかっているのも、アライメントの崩れが影響しています。
骨の配列が軽微ながら変わるのですから、足のつき方も変わって当然ですし、中には見た目でもわかるほどの捻挫もあるほどです。
アライメントが変わるとどうなるのかというと、足が内反足になり、扁平足となってしまいます。
写真左:内反足(黒い線が斜めになっている、通常は真っ直ぐ上へ)
写真右:扁平足
足関節捻挫が原因で内反足や扁平足になると、足関節に捻れが生じて
- 運動後に痛みや腫れ感
- 朝起きて足を着いた時に痛い
などの症状がいつまでも繰り返し起きるでしょう。
同時に足のつき方が変わり負担も変化するため、ふくらはぎが攣りやすくなったり、地面を強く蹴れないなどの後遺症も併発してしまう傾向です。
このような症状が数年経っても、出たり出なかったりするので大変厄介な原因となります。
扁平足について詳しくはこちらをご覧ください。
→扁平足が疲れる理由を解説!おすすめの治し方と対処法をご紹介!
靭帯損傷が起こっている
足首捻挫をしてから2週間以上経過しているにも関わらず、痛みや腫れがある際には靭帯の損傷、または完全断裂が疑われます。
靭帯の一部・完全断裂と周りの組織の損傷により、適切な固定をしないと炎症が長引くため、痛みや腫れも長くなるのです。
靭帯の損傷はレントゲンではわからないため、超音波(エコー)やMRIなどで確認した方が良いでしょう。
靭帯の損傷についてはこちら。
→靭帯損傷とは?症状や治療法、早く良くなる方法を解説します。
院長の足首の靭帯の画像はこちら。
右:黒丸のところの横の白いものが靭帯
左:横にあるべき白い線がない(靭帯の完全断裂を意味します)
剥離骨折が起こっている
足関捻挫では捻った際に靭帯の損傷のほか、靭帯が骨を引っ張って骨折してしまう「剥離骨折」が起きてしまうことも。
剥離骨折を起こすと
- 強い痛み
- 腫れ
- 熱感
が生じるため、普通の足首捻挫よりも症状が強い傾向です。
疑いのある際には画像にて必ず確認してください。
関連記事はこちら。
→剥離骨折を早く治す方法をご紹介!大切なのは適切な固定と適度な刺激!
→足首の剥離骨折で行うリハビリとは?早く治す方法と疑問にお答えします
筋力不足
足首捻挫をすると安静・固定となるため、筋力低下も起きます。
痛みによりつま先立ちをしない歩き方になることで、重度の足首捻挫ではふくらはぎの筋肉が著しく落ちることも。
筋力不足になると足首への負担が増え、運動中や運動後に痛みが出ることもあります。
現に私の足首はそのような状態で、筋力トレーニングを怠るとすぐに痛みの出るので欠かさず筋トレを行なっている状況です。
足首捻挫の痛みを治す6つの対処法
足首捻挫の痛みを治す6つの方法をご紹介いたします。
RICE処置
足首捻挫といえば【RICE処置】で、RICE処置の最大の目的は『炎症に伴う腫れと内出血、熱感を最小限に抑え、痛みを軽減すること』です。
炎症による腫れや熱感、内出血を最小限に抑えることが早く治ることの第一歩になります。
腫れが強いと痛みはもちろん、動きにくさも出てしまい、腫れの吸収する時間も余計に要してしまうのです。
【早く治す第一歩はRICE処置】とお見知り置きください。
RICE処置について詳しくはこちらをご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
アライメントの整復
足首捻挫を起こしたときに負荷で、足首の骨の配列(アライメント)は少なからず変化します。
ほんの軽微なものであれば、後遺症も残さずに痛みや不具合は出ない方が多いでしょう。
ですが中度以上の足首捻挫であれば、必ずと言って良いほどアライメントに崩れは生じていて、痛みが長引く原因となります。
アライメントの整復は病院では行われることが少なく(当地域では全く行われていません)、「足首周辺がずっと痛いんです…」という新規の患者さんがとても多いです。
例えアライメントの崩れがあったとしても、レントゲンやMRIなどではわからずそのまま見過ごされる(放置)ことがほとんどでしょう。
そのため《腫れや熱感がなくても、足首周辺に痛みや不具合が残る》ということにもなるのです。
足首捻挫をした際には、アライメントまでしっかり対応してくれる先生に見てもらいましょう。
固定
足首捻挫後に必要とされる固定が不十分、またはされないと
- 炎症が長引く
- 骨のアライメントを整えても再び崩れる
- 痛みを庇う動作を覚えてしまう
などによって痛みが長く出てしまいがちです。
もし腫れていなくても、熱がなくても足首捻挫をした後は一日でも包帯やテーピングで固定をすると、感じていた症状が早く無くなるでしょう。
腫れがあればなおさら固定は必要です。
「ではいつまで固定しておくべきなの?」と思われることでしょう。
そんな時は身体の感覚(声)を聞くのです、それは「固定が邪魔だと感じたら」です。
包帯の場合は、特にこの感覚(声)をもとに固定を外すとその後の症状の変化も早いでしょう。
関節可動域の改善
足首捻挫をすると基本的に包帯やテーピングで固定を行います。
その固定が長くなると固定されていた間、関節の動きが制限されるために、動く範囲も狭くなります。
関節の動く範囲が狭いままに動くと痛みとなって感じ、「痛いから動くのをやめておこう」と思い、さらに関節が硬くなってしまうのです。
【痛み=動いてはダメ】ではないため、治療・施術を受けている場合には感じている症状と、どのように症状を感じるかをきちんと先生に伝えましょう。
筋力回復
足首捻挫の後は、日常生活に支障をきたすほどの症状が出ることもよくあることです。
すると動かないために筋力も落ち、いざ足首周辺の症状がなくなって動き始めると、再び足首周辺に痛みを感じることも珍しくありません。
それはふくらはぎとすねの筋力が落ちているために出ている症状です。
足首捻挫をすると、つま先で踏ん張る動作をできるだけしないようになるため、著しく筋力は落ちて、同時に歩き方も変わることですねの筋肉も落ちてしまいます。
インソール
もし片方の足が足首捻挫をしていないのであれば、左右の足の形を比べてみましょう。
画像のように内反足や扁平足になっていませんか?
もしそのようになっていたらそれぞれの対策を講じれば痛みは早期に消えますし、今後出ないようにすることも可能です。
内反足や扁平足の対処方法としては「インソール」を入れると、足のつき方が変わり、症状も変わるでしょう。
当院でオススメしているのは《シダス社》のインソールです。
シダス社公式HP→https://sidas.co.jp/
上記の画像のインソールはオールラウンドタイプですが、スポーツの競技に合わせた材質や強度によりさまざまなタイプがあります。
内反足と扁平足は、土踏まずの低下により足首では動くたびに捻れが生じて痛みを始めさまざまな不具合を感じるのです。
そのような患者さんには迷わずインソールの装着を薦めていて、ほとんどの症例では症状が改善しています。
テーピングでの対応も可能ですが、テーピングのランニングコストとテーピングを巻く技量も影響するためにインソールを薦めています。
インソーツについてはこちら。
足首捻挫を予防する3つの方法
続いては、足首捻挫を予防する3つの方法をご紹介します。
筋力トレーニング
足首捻挫後は安静と固定により筋力が低下するため、スポーツ選手では筋力トレーニングを必ず行いましょう。
ご紹介する筋力トレーニングは
- かかと上げ
- つま先開き
になります。
まずは、体重を使ったつま先立ちのトレーニングです。
自宅や空き時間を見つけて行ってくださいね。
左はかかとが上がりきっていないませんが、右の写真はかかとが完全に上がりふくらはぎに効果抜群です。
次は足首を強くするトレーニングです。
つま先を90度に立てて、小指側に足首を倒します。
ワイパーのような動きになると効果的です。
ゴムの材質が理想ですが、ない場合にはタオルで行っても構いません。
一日、10回×2セットくらいから始めましょう。
テーピング方法
足首捻挫におけるテーピングは効果大ですので、是非とも参考にしてください。
用意するのは2本のテーピングです。
1本目はテーピングの幅は50ミリです。
①内側からかかとを通り→②外くるぶしから内側に戻ります。
次の巻き方が難しいので、ゆっくりとイメージしてくださいね。
「ヒールロック」という巻き方になります。
テーピングのサイズは⒊75ミリです。
①足首の前→②外くるぶし→かかとの外側→③かかとの内側→→④外くるぶしを通過して上へ。
少しだけ引っ張って貼る事で固定力は強くなりますが、締め付けが強すぎると足が苦しくなるので何度か巻いてちょうど良い感覚を見つけてください。
テーピングを上手に貼る方法はこちら。
→テーピングの効果って?効果を最大限活かすための注意点と疑問アレコレ
サポーター
足首捻挫は治っていざ競技に復帰となるとさまざまな動きに加えて、いろいろな方向へ動くために、筋力だけでは足首捻挫を防ぐことはおそらく無理でしょう。
そんな時にはサポーターで足首を固定すると、ひどい症状になる足首捻挫は防げます。
ほとんどの場合、例え足首捻挫をしたとしても軽度の状態にとどまります。
オススメのサポーターは《ザムスト A-1ショート》タイプです。
左右の動きが多い競技ではこのタイプがお勧めです。
前後の動きが多い競技にはこちら。
左右のくるぶしにオリジナルガードがあるため、足首捻挫で起きる内返し動作が起きないためほとんど起きないでしょう。
【まとめ】足首捻挫が治らない原因について
本記事では足首捻挫が治らない原因、対処法や予防法についてお伝えしてきました。
原因がわかれば痛みへの対処法もあるため、痛みがなかなか変化しないときには、先生とお話しをして治療・施術してもらいましょう。
もし同じような治療や施術が続く場合は違う先生に見てもらうことも方法です。
先生のために通院するのではなく、ご自身のために通院してくださいね。
本記事を参考にしていただければ幸いです。