脊柱側弯症の症状とは?原因や治療法も徹底解説!
カテゴリー:身体のいろいろな不調
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新学期になると必ず行われる学校検診ですが、お子さんの背骨は曲がっていませんか?
もし、お子さんの背骨が曲がっている、自分の姿勢が気になる方は「脊柱側弯症の症状とは?原因や治療法も徹底解説!」を読んでいただければと思います。
大人の方も脊柱が側弯すると容姿にも影響しますので、早めの対処をしていきましょう。
Contents
骨が曲がる脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)とは?
脊椎(せきちゅう)が側弯(そくわん)する、とはどのようなことなのでしょうか?
脊椎(背骨)は、体の横から見ると生理的弯曲(せいりてきわんきょく)といって前後に緩やかにカーブしています。
何も問題なく正常な状態であれば背中側から見ると脊椎はまっすぐです。
しかし、横に曲がっていたり、脊椎がねじれていることもあり、それを脊椎側弯症(側弯症)といいます。
型として
- 脊椎が横に曲がりながらねじれる側弯症
- 背中側に凸に曲がる後弯
- 1と2が一緒になった後側弯症
それぞれ見た目にもわかるものから、一見すると全くわからない程度のものまで様々です。
1はみなさんが思う側弯症の認識で間違いないでしょう。
※写真は側弯になったときのイメージです。
2は猫背が強くなった、もしくは腰の骨が後ろ側に大きく張り出た状態となります。
中腰動作が多く、長年の腰の酷使により腰曲がりになっている年配の方の腰を想像していただければと思います。
そして3ですが、1と2が一緒になってしまう側弯症です。
かなり容姿にも姿勢にも現れやすくなってしまいます。
脊柱側弯症の原因
側弯症になる原因には何があるのでしょうか?
それぞれみていきましょう。
脊柱側弯症に子供がなる理由
脊柱の側弯で最も多いとされているのが突発性側弯症です。
特徴は、
- 脊柱側弯症の全体の80〜85%の割合で発症
- 原因不明
- 痛みがなく、初期での発見が難しいため、ある程度成長してから気づくことが多い
発症する時期により
- 乳幼児側弯症:3歳以下で発症し、男子に多い
- 学童期側弯症:4~9歳に発症し、進行する例が多い
- 思春期側弯症:10歳以降に発症し、男女比1対7
最も多い思春期型側弯症は、初経前後の年代に多いというデータがあります。
生活習慣や性ホルモンや筋肉量は関係ないとされていますが、最近では遺伝的要因が関係しているという研究結果もあるため兄弟姉妹への注意も必要があります。
身体の発育と同時に進行し、成長が止まると同時に側彎の進行も進みにくくなる傾向があり、発症した時期が成長期と重なることで進行の程度もそれによって大きく左右されます。
思春期型側弯症の患者さんは骨粗しょう症傾向であることもわかってきているので、普段からの食事には気をつけたいものですね。
大人が脊柱側弯症になる大きな理由
大人の脊柱が側弯する大きな理由は【日常的な身体の使い方と癖によるもの】です。
- 足を組む
- 横座りの向きがいつも同じ
- 物を持ち上げ運ぶ方向が同じ
- ショルダー鞄の持つ方が同じ
- ほうきやスコップの使う方向が同じ
- 座って見る方向が真っ直ぐでない(テレビを見る方向など)
- 介護などで介助する利用者さんに対しての自分の向きがいつも同じ
などなど、全て日常生活の中に含まれています。
日常的な動作が原因の側弯であれば、十分変化するものと現場で強く感じています。
日常生活の動作改善 + 施術でも下記のように変化します。
https://www.instagram.com/p/Bxv_rRihpvs/?igshid=naelmb92nzvl
もしも脊柱が側弯しているのでしたら今一度あなたの日常生活の動きを確認してみましょう!
そのほか脊柱側弯症になる原因
脊椎が側弯する側弯症ですが、突発性側弯症や日常的な動作の癖以外にも様々な原因により発症します。
- 先天的要因
- 筋的要因
- 病的要因
- 神経的要因
- 乳児の寝ぐせによる要因
- 外傷的要因
- 痛み回避によるもの
側弯症が起きてしまう原因は100種類以上あると言われています。
中高年で長年の姿勢や骨粗鬆症により脊椎が変形して起こる変性側弯、ヘルニアやぎっくり腰の長期化などで痛みを逃すような姿勢が続くと疼痛性側弯という側弯が起きてしまいます。
側弯症の症状
側弯症の症状には3段階で分けられていて、
- 軽度:20度未満
- 中等度:20〜40度
- 重度:50度以上
となっています。
10度を超える側弯症は全体の2〜3%ほどで、治療を要しない場合がほとんどです。
角度の測り方は、背骨の一番傾いているところ同士の角度となっています。
脊柱側弯症の人がやってはいけないこと
同じ姿勢で、しかも脊椎の側弯を促すような姿勢を続けることでさらに側弯は進行しやすくなります。
できるだけストレッチや軽い運動などで使われていない筋肉への刺激が必要です。
筋肉の使い方の偏りでも側弯の進行スピードは変わります。
家でじっとしているよりも適度な刺激が入るように外で遊ぶ時間を設けましょう。
大人の方は日頃の身体の使い方を見直します。
いつもとは逆の動作をすることで筋肉の使い方と脊椎への刺激の入り方が反対になり、脊椎の側弯をある程度防ぐことができます。
自分の癖は意外に見つけづらいものですが、一度癖を見つめてみてはいかがでしょうか。
脊柱側弯症の検査・診断
脊椎の側弯の程度が自分でもわかれば側弯症かどうかの判断もできますので、心配な方は検査してみてください。
立位検査
上半身裸で行うとわかりやすいです。
見るポイントは
- 左右の肩の高さ
- 肩甲骨の高さ
- 腰のくびれ
となります。
※写真は側弯のイメージです。
側弯の角度にもよりますが、ほとんどの方は大きな差はないでしょう。
前屈検査
前屈検査では
- 肩甲骨の左右の出っ張りの違い
となります。
※写真はイメージです。
肩甲骨のほかに背骨横の筋肉の盛り上がりも左右差がわかりやすいです。
画像診断
画像ではレントゲンにて明確に見ることが出来ます。
脊柱側弯症のなると腰痛になりやすい
脊柱が側弯すると負担のかかる筋肉はいつも一緒になり、腰痛や背中の痛み、お尻の方まで痛みが出ることもあります。
身体の使い方に偏りがあるので腰の骨(腰椎)の変形を進行させてしまい、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)にもなってしまいます。
脊柱管狭窄症になると、
- 歩くと腰から脚が痛い
- 腰を伸ばすと痛い
などの症状を発症することになります。
同時に長年のひねり動作や中腰動作を繰り返しても脊柱管狭窄症になりやすくなるのでお見知りおきください。
健康への影響
さて、脊柱が側彎すると健康への影響はどのようなことが起きてしまうのでしょうか?
外見が及ぼす影響
- 肋骨の左右不均等
- 乳房の左右不均等
- 背中や腰の左右不均等
などがあります。
背骨が曲がることで背骨についている肋骨も同時に曲がります。
肋骨が歪むことで乳房と背中、腰にも左右の不均等が起きやすくなります。
背骨という身体の真ん中が歪むのですから、背骨についてる部位が歪むのも当然ですよね。
最初は左右の肩の高さに気づき、その後に側弯に気づくことが多いようです。。
内臓機能への影響
胸の骨や肋骨の変形により呼吸器系、循環器系が圧迫され、肺や心臓、血管などの機能が低下するなどの影響がでてきます。
側彎の角度が90度を超えると肺や心臓に大きな負担となり平均余命が短い、というデータもあるので治療が必要になります。
脊柱側弯症の治療
側弯症の治療にはどのような治療法があるのでしょうか。
治療法と経過をみていきましょう。
コルセットの装着
脊椎の側弯の角度が25〜40度までの側弯症には側弯の進行防止と矯正、その姿勢の保持のために装具療法が必要となります。
あくまでもコルセットなどの装具は進行防止と姿勢の矯正ですので、脊椎を真っ直ぐにする目的ではありません。
成長期では骨の成長とと共に側彎も一緒に進行するので、その防止と矯正が主たる目的となります。
コルセット装着の経過
骨の成長が止まったときの側彎の角度が30〜35度以下であれば成人後も特に問題はありませんが、コルセットを装着しても35度以上であると年齢と共にさらに進行することもあります。
手術
コルセットなどの装具を装着しても側弯が進行している場合には手術となります。
ほんのわずかな側弯でしたら生活習慣と施術にて上記の写真のように変化するのですが、少しでも進行すると真っ直ぐ戻すのは手術意外には不可能です。
特に角度が目に見えるほどの側弯があると尚更です。
手術をする判断はどこの骨が側弯しているかによって変わります。
- 胸椎(胸の骨)の場合は50〜55度を超えたとき
- 胸椎と腰椎にまたがる場合は40度を超えたら
となっています。
胸椎の上の方は進行することが少ないのですが、胸椎の下の方は成長が終わった後も進行するリスクがあるために手術が必要となるのです。
胸椎から腰椎にまたがる場合には腰痛や将来的な椎間板の変性を考慮して手術を行います。
手術後の日常生活
手術後の日常生活は骨がくっ付くことが最も大切で必要なことですので、半年間はスポーツはできません。
その後は様子をみながらスポーツの開始時期を決めることになります。
ですが、背骨は金属により固定されていますので、手術前のような柔軟性はなく、接触の多区・強いスポーツは禁止となります。
たとえスポーツはできなくても、日常生活には支障なく過ごせるようになりますのでご安心ください。
脊柱側弯症は治るのか?
脊柱の側弯は、ほんのわずかで病的でなければ治りますが、何かしらの病名がついたときには完全に戻るのは難しいとされています。
ですが明らかな姿勢の乱れが少しでも真っ直ぐになるだけでも身体全体への負担は軽減されます。
見た目にもわかるような側彎があるときにはきちんと専門医の先生に診てもらい、将来に大きなストレスを抱えないように適切な治療を受けた方が良いでしょう。
脊柱側弯症の疑いがあるときに行うストレッチ
脊椎の側弯に対してのストレッチです。
【今回は胸椎が右に偏っているとします】
鏡の前に立ち、姿勢を確認します。
上半身が右に偏るということは、骨盤は逆に左に偏っていることになります。
骨盤を右側に、肩を右に赤矢印のように平行移動させるだけの動きなのですが、これが難しいのです。
動かしづらい理由には、日頃使っていない筋肉の使い方になるので、神経系が衰えているために動かしづらくなっています。
朝は身体のウォーミングアップとして、お昼は固まった身体を緩めるために、夜はお風呂上がりで身体が動かし易いときに行ってください。
各10回を目安に行いましょう。
動かしづらくても行っていくうちに段々と出来る様になるのでくじけずに行ってください。
脊椎側弯症にならないためにできること
突発性側弯症や病的なものを防ぐことはできませんが、脊柱が側弯しないためには身体の偏った使い方にならないことが大切です。
もし、急速に側弯が進行しているときには迷わずに専門医に診てもらい、適切な処置・治療を受けるべきです。
「いつか治るだろう」には残念ながらなりません。
急速に脊柱が側弯しているわけではなくても、鏡に向かって肩や骨盤に偏りがありましたら是非とも積極的に身体の使い方を見直した方が良いでしょう。
将来のために今できることをしてくださいね。