背中が肉離れに!?原因や対処法、治るまでの期間を柔道整復師が詳しく解説!
カテゴリー:身体のいろいろな不調
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急に筋肉が損傷して痛みが走る「肉離れ」。
痛めた時に、あまりの痛みに動けなくなってしまうこともあります。
また、症状が悪化しないためにも肉離れかそうでないかを早急に判断し、適切な処置を施すことが大切です。
そこで今回は、背中の肉離れの原因や症状、対処法について柔道整復師が詳しく解説していきます。
ちなみに柔道整復師とは…
昔から「ほねつぎ」「接骨師」として広く知られ、現在は高校卒業後、都道府県知事が指定した専門の養成施設(三年間以上修学)か文部科学省が指定した四年制大学で解剖学、生理学、運動学、病理学、衛生学、公衆衛生学などの基礎系科目と柔道整復理論、柔道整復実技、関係法規、外科学、リハビリテーション学などの臨床系専門科目を履修します。
国家試験を受け、合格すると厚生労働大臣免許の柔道整復師となります。
資格取得後は、実務経験と研修の受講により受領委任の取扱いが行える「接骨院」や「整骨院」という施術所を開業できます。また、勤務柔道整復師として病院や接骨院などで働くこともできます。
柔道整復師(国家資格)≠ 整体師、カイロプラクティック師(非国家資格)
柔道整復師(国家資格)≠ あん摩・マッサージ・指圧師(国家資格)
是非ともこの際にお見知り置きください☆
Contents
背中が肉離れしたのかを判断する方法
背中に肉離れしたのかを判断する方法としては
- どのようになって痛みを感じたのか
- どのような症状なのか
この2点で判断することになります。
何かの動きの際に「ブチッ」というような感覚や音を感じた時には肉離れと判断して良いでしょう。
そして、肉離れの場合、筋繊維が損傷して炎症を起こしているので、強い痛みとともに腫れや内出血、熱感が見られます。
一方、慢性的な腰痛などの場合は炎症は起きていないので、腫れや熱感は見られません。
つまり、痛みとともに炎症症状が見られるようであれば、肉離れの可能性が高いと言えます。
背中に痛みが生じる疾患として「ぎっくり背中」というものも挙げられますが、私が現場で施術をしている感覚としては、本当に肉離れを起こしているのかは疑問です。
なぜならば超音波(エコー)で患部を見ても、肉離れが起きている画像が写らないからです。
ぎっくり背中に関してはこちらをご覧ください。
→ぎっくり背中の原因と症状、痛みに効果的なツボと重症化しない為の対処法
背中が肉離れになる原因
背中が肉離れになる原因には、
- 柔軟性の低下
- 運動不足
- 肥満
などが挙げられます。
柔軟性の低下では運動不足とセットで考えても良いかもしれません。
スポーツ選手でも疲労によって柔軟性の低下が起き、何かしらの動きの際に肉離れを発症していしまします。
日常生活では普段しない動きや、とっさに取った動きで筋肉に大きな力が加わって筋肉が損傷して肉離れを起こしてしまうのです。
慣れないことをすると身体にとっては負担でしかありません。
普段から運動をする必要性がこのような理由でもあるのです。
背中の肉離れが治らない理由
背中の肉離れが治らない理由として、
- 安静にしにくい部位であること
- 痛みが楽になっても以前のように動かないこと
上記の二つの要因によっていつまでも痛みが取れにくい傾向にあります。
背中は立ったり座ったりするだけでも動いてしまい、常に背中を固定するのは難しいもの。
そのため、炎症が長引いたり筋線維の回復が遅れてしまい、肉離れが治りにくくなってしまいます。
そして、肉離れを早く治すには安静にすることが大切ですが、ある時期を過ぎたら次は積極的に動かすと痛みはなくなっていくのです。
肉離れは組織の修復過程で硬くなる組織、瘢痕組織(はんこんそしき)という硬い組織になります。
その組織を硬いままにして動くと、伸びない組織のために伸ばされた筋肉が痛みを感じるのです。
患部を押して痛みがない時には、積極的に動かしてくと次第に動いたときの痛みもなくなっていきます。
安静にする時期と積極的に動く時期を見誤るといつもまでも痛みを抱えてしまうのです。
背中が肉離れになったときの対処法
背中が肉離れになったときの対処法をご紹介します。
痛めてからすぐに適切な処置を施さなければ回復が遅れてしまいますし、いつまでも痛みを抱えてしまうと慢性化のリスクもあるので、症状に合わせて対処するようにしましょう。
湿布
背中の肉離れによる症状を緩和するのに湿布は効果的です。
ただし、湿布の種類を間違えると逆に症状を悪化させてしまうので注意が必要となります。
肉離れは筋線維の損傷により炎症を起こしているので、炎症を抑えるために冷湿布を使いましょう。
一方、温湿布は炎症が悪化する恐れがあるので、痛めてからすぐの状態では貼らないようにしてください。
温湿布を貼るタイミングは、患部を押しても痛みがない状態になりましたら貼りましょう。
ただし、温湿布は成分上、皮膚刺激が強い場合が有りますので注意してくださいね。
アイシング
痛めてからすぐに、できるだけ最小限に炎症を抑えると症状の度合いが変わります。
炎症を抑えるためには冷やすことがもっとも効果的ですので、アイシングが最適です。
ただし、冷やし過ぎには注意が必要です。
アイシングについてはこちらをご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
テーピング
肉離れは安静にしていると回復が早まリますので、テーピングなどで患部の固定も効果的です。
テーピングで患部を固定すると背中が丸まりにくくなり、安定感が得られます。
また、テーピングによる患部の圧迫も痛みの緩和となるでしょう。
ストレッチ
長期間背中を動かさないままにしておくと筋肉の柔軟性の低下に繋がりますので、痛みがありながらも動けるくらいの痛みになったらストレッチを始めましょう。
今回は、肩甲骨周りと背中のストレッチをご紹介します。
【肩甲骨周りのストレッチ】
- 壁の前に立って、両肘を軽く曲げた状態で腕を1mほどの幅に開いて壁に手を付ける
- 壁に胸を付けるようにゆっくり近づける(写真左・上)
- その状態で肩甲骨を内側に寄せ、10~20秒キープしたらゆっくり元に戻す(写真右・下)
気持ちよさを感じながら行いましょう。
ストレッチについてはこちらをご覧ください。
→間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?
【背中のストレッチ】
- 椅子に浅く座り、両手を組んで前に伸ばす(写真左・上)
- お腹をのぞき込むようにして、手は前へ、頭を両腕の間に入れて背中を丸める(写真右・下)
- 2のとき、呼吸は息を吸いながら行うとより効果的
呼吸を止めて行うと筋肉は緊張状態になりますので注意が必要です。
基本的にストレッチは呼吸を吐きながら行うのがセオリーではありますが、このストレッチの時には息を吸うと肋骨が広がり、さらに背中の筋肉が伸ばされるようになるために息を吸うことをお勧めしています。
《どこを伸ばすか》で呼吸も変えるとストレッチの効果も変わってくるのです。
背中が肉離れになったときの症状
背中が肉離れになったときの症状は重症度によって異なりますが、以下のような症状が見られることが多いです。
- 何かの動作で突然強い痛みを感じた
- 痛みで背中を動かせない、動かすと痛い
- 呼吸をすると痛む
- 寝返りなどの身体を捻る動作が痛い
- 押すと痛い
などになります。
肉離れという組織の損傷ですので、もちろん押すと痛いですし、決まった動作でも痛みを感じます。
もし、押しても痛くない時には肉離れとは違う状態になっていることでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
→ぎっくり背中の原因と症状、痛みに効果的なツボと重症化しない為の対処法
背中の肉離れが治るまでの期間
背中の肉離れは、適切な処置を行えば1~2週間程度で痛みが治まります。
受傷から3〜5日間程度は痛みが強く、背中を動かす動作に苦痛が伴うでしょう。
5日目以降からは少しずつ痛みが落ち着いていき、違和感が残る程度まで回復していきます。
ただし、重症の場合は強い痛みが1週間程度続き、完治するまでに1か月以上かかることもありますので、早期に痛みが軽減できるよう適切な処置を受けていただければと思います。
背中を肉離れしないためにすること
背中の肉離れしないためにすることとは原因と考えられる要因に対して日頃から対策をすることです。
理想論にはなりますが、普段から正しい姿勢を保ち、長時間無理な体勢をとらないようにしましょう。
いつくるかわからない痛みに対しては、日頃からの生活週間が関わってきますので、週に1回でも身体に刺激を入れる時間を作ってみてはいかがでしょうか?