オスグッドの症状は放置せず冷やしてストレッチで治療期間を短く!
カテゴリー:膝の痛み
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小学生から高校生に多いオスグッドですが、きちんとした対処により治療期間は短くなります。
正しい知識と行動でできるだけ早い症状軽減にお役立てください。
本日は「オスグッドの症状は放置せず冷やしてストレッチで治療期間を短く!」という内容になります。
Contents
オスグッドとは?
オスグッドとは【太ももの前の筋肉(大腿四頭筋:だいたいしとうきん)が膝の下に付いている部分(脛骨粗面:けいこつそめん)という部分を過剰に引っ張ってしまい、腫れや痛み、熱感を感じる障害】です。
オスグッドの症状
症状の段階は軽度から重度、そして手術を必要とするほどの症状まであります。
軽度
スポーツ活動後や起床後に痛みを感じますが、運動も日常生活も普段通りにすることができます。
正座も少し痛みはあるもののできますし、しゃがんでも痛みが無いことも。
下記の写真はこれでも軽度のものです。
白い線がボコボコしているのが骨の断面です。
中等度
スポーツ活動中はつねに痛みを感じ、日常生活でもしゃがんだり、ジャンプしたりすると強い痛みを感じます。
しゃがみ動作も完全に出来るもののかなりの痛みを感じます。
このくらいの症状の強さで運動を続けると、膝の下には出っ張りが目立つようになります。
押すと痛いので押さないでおきましょう(´゚д゚`)
重度
スポーツ活動中では、踏ん張り動作やジャンプ動作が痛みにより全力で行えません。
日常生活でも階段の上り下りで痛みを感じるため、運動は中止となります。
もちろん正座は出来ず、膝を曲げることには抵抗してしまいます。
膝下の出っ張りもさらに大きくなっていることでしょう。
オスグッドと間違いやすい症状
オスグッドと間違いやすい症状として「ジャンパー膝」という障害がありますが、痛いところが少し違いますので、詳しくはこちらをご覧ください
↓ ↓ ↓
【ジャンパー膝の痛み・症状とは?治療・リハビリ方法も徹底解説】
身長の伸び?筋肉?オスグッドの原因とは?
オスグットになってしまう原因は、二つの要因が重なることでなりやすくなります。
それは「成長期」と「筋肉の柔軟性低下」です。
身長の伸びる成長期では、骨はまだ未熟で完全な硬い骨ではありません。
まだ柔らかい骨に対して、筋肉は運動による負荷や骨の成長に付いていけずに伸ばされた状態になり、筋肉の付いているやわらかい骨の部分を筋肉が引っ張られることで症状が現れるのです。
筋肉が骨を押さえつけるのではなく、筋肉は骨に伸ばされるのです。
これってご存知ない方も多いのではないでしょうか?
筋肉は柔らかく、伸びるイメージがあるかと思いますが、実はその逆なのです。
成長痛ではないオスグッド
オスグッドは成長痛ではありません。
成長痛とオスグッドの違いを挙げてみましょう。
オスグッド
- 起きやすい年齢:10~16歳前後
- 原因:膝への過負荷
- 痛む場所:膝の下
- レントゲンで異状あり
成長痛
- 起きやすい年齢:主に幼児
- 原因:不明
- 痛む場所:足全般
- レントゲンで異状なし
と、大きな違いがあるのです。
成長痛についてはこちらをご覧ください。
↓ ↓ ↓
【お子さんのその痛みは成長痛かも!?知っておきたい成長痛の対処法】
治療方法
きちんと原因にアプローチすることで痛みがより早く無くなります。
アイシング
- 運動後に痛みがある
- 患部に熱がある
- 腫れている
という時にはアイシングは必須です。
アイシングは治療の第一歩と私は捉えています
まずは炎症や痛みを最小限にすること、そして原因にアプローチすることで次のステップに移行するのが早くなるのです。
練習後すぐに、ほんとにすぐに10~15分程、氷でアイシングしてください(=゚ω゚)ノ
アイシングについてはこちらをご覧ください☆
↓ ↓ ↓
【アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点】
安静と運動の制限
症状の程度により安静、運動の停止や制限となります。
動く事が痛みの原因なのですから、まずは活動量を少なくすることは治療に直結します。
膝を曲げない運動や筋トレは問題ないので、ケガを機に体幹トレーニングや目のトレーニングを取り入れてはいかがでしょうか!(^^)!
筋肉を緩める
筋肉の硬さがオスグットの原因でもありますので、筋肉を緩めることは痛みを無くすということにもなります。
太ももの前の大腿四頭筋を緩めることでその場で症状が楽になります。
方法もカンタンですので行ってみてください☆
太ももの前の筋肉を押したまま… 膝を伸ばす、これだけです。
硬いところがありますので、そこを緩めていきましょう。
痛みが減ると同時に膝と脚が軽くなりますよ☆
電気治療や湿布での治療は有効か?
低周波を患部に当てるだけの電気治療では、劇的な効果は望めないでしょう。
「その時気持ちいいんだけど…」という感想を良く聞くのですが、大切なことは《電気をかけて症状が楽になったかどうか》です。
気持ち良さは必要ありませんので、症状が楽になったかどうかで電気治療の効果を判断しましょう。
湿布は、
- 腫れている
- 熱がある
- ズキズキ痛む
の症状がある時にはとても効果的です。
湿布をやめるタイミングですが、これも貼っていて楽になっているかどうかで判断します。
「あまり効果を感じられないなぁ~」という時には湿布以外のアプローチをした方が良いでしょう。
症状を放置した結果手術も…
痛みを我慢しながら運動を続けていくと、筋肉が骨を剥がしてしまう【はく離骨折】を起こしてしまいます。
剥離骨折になると手術が必要になり、一定期間の固定やリハビリにより日常生活でも大きなストレスを感じることでしょう。
治療期間の目安
軽度の場合には運動後の痛みは数日で無くなります。
中等度の症状では、1~2週ほどかけて徐々に運動の強度を上げていくのですが、大切なことは、痛みがぶり返さないように焦らずに進めていくことです。
患者さんは少しでも楽になってくると「早く普通通りに動きたい!練習したい!」という訴えるようになります。
ですが、ここは我慢です(゚Д゚)ノ
焦りは禁物です!
重度では1か月ほどかけて痛みを取り除き、安静によって落ちた太ももの前の筋力回復と柔軟性を高めていきます。
筋肉は急には戻りません、ですのである一定期間は必要になるのです。
手術を行った場合にはスポーツ復帰まで約12週ほどを要します。
痛みをかばう動作なく動けるようになったら、膝周辺の筋トレと太ももの前の柔軟性を高めていき、同時に練習の強度も上げて徐々に全体練習に混ざっていく流れとなります。
くれぐれも焦らないで!
アイシングとストレッチで予防とセルフケア
オスグッドという障害は成長期である限り「治った、ということはありません」
日ごろからの予防とケアで症状を出さないようにすることが大切なのです。
アイシング
症状予防の第一歩としてアイシングです。
炎症物質や疲労が溜まると筋肉は硬くなります。
練習後には太もも前の筋肉をアイシングをして柔軟性の維持に取り組みましょう。
ストレッチ
運動前には筋肉の柔軟性を上げるためのストレッチを行い、運動後にはリラックス効果を目的でのストレッチを行います。
特に運動後のストレッチは気持ち良さを感じながら行うことで筋肉は柔軟になりやすいです。
気持ち良さを感じながら行うことで身体の柔軟性も高められますので一石二鳥です(^^♪
方法は立ったまま足首を持ち、踵をお尻につけるだけ!
セルフケアの大切さ
オスグッドの症状は痛みを出さないように毎日セルフケアがとても大切です。
今は症状が無いからといって「時間がないから…」「めんどくさいから」という理由で怠らないように、指導者、親御さんが一緒に協力してサポートしてあげてくださいネ!