打撲のしこりの原因とは?治るまでの目安期間・してはいけない注意点を解説!
カテゴリー:お勉強シリーズ
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打撲とは
強い力で皮膚が圧迫されることでできます。腫れ(腫脹)やあおあざ(皮下出血斑)を伴います。切り傷とは違って、強い力が加わるため、キズの縁は不規則で皮膚の欠損を伴うこともあります。また、怪我をする部位により骨折や神経の損傷などを伴うこともあります。
打撲はスポーツ時などによくあるケガですが、打撲をした後にしこりがあるとそれが治らないのではないかと不安に感じてしまうことでしょう。
今回は打撲後にできるしこりの原因と治るまでの目安の期間、してはいけない対処法の注意点をわかりやすく解説します。
打撲の後にしこりができることと、できた際の不安を早めに解消するためお伝えする詳細を参考にしてください。
Contents
打撲の後のしこりの原因とは?
打撲の後に、皮膚が盛り上がるようにしこりができてしまうのは、瘢痕組織(はんこんそしき)化したことが原因です。
繊維芽細胞、毛細血管がコラーゲンを足場とし、この3者が支えあって共同作業を行い、いわば軍団のように傷口へ進出し、欠損部を埋め創面をくっつけます。
この欠損部を埋めていく軍団のような組織を肉芽組織といいますが、肉芽組織はコラーゲン以外の色々な物質やコラーゲン間の架橋などで結合補強しあい、だんだんと真皮に近い丈夫な組織になっていきます。 この状態を瘢痕組織といいます。
なぜ瘢痕組織になってしまったのかというと
- 最初の処置で内出血を最小限にしなかった
- 患部を安静にせず、内出血を促してしまった
が挙げられます。
打撲の後のしこりを防ぐには、内出血をいかに最小限に抑えるかがポイントです。
また、出てしまった内出血をできるだけ早く吸収するようにアポローチすることも大変重要でしょう。
適切なケアをせずに打撲を放置すると内出血量は多くなり、放置したことで腫れが強くなるなどのリスクがあるため、RICE処置はマストの対策です。
加えて打撲により損傷した組織は、瘢痕組織のような固いままの組織にしておくと肉離れの原因になります。
そして、長くしこりを抱えているとさらに硬くなってしまうケースもあるので、適切な処置を必ず受けてください。
打撲の症状とは?
打撲の症状にはどの様なものがあるのでしょうか。
打撲は打ち身とも呼ばれることがあり、スポーツ時・日常生活の中で転倒や衝突などを強い衝撃を受けた際、皮膚や血管、筋肉が損傷した状態のことです。
打撲の症状は、血管や皮膚、筋肉の損傷のレベルによって症状が異なりますが、患部に炎症や内出血が起こっているため、少しの動きでも強い痛みを感じる場合もあります。
関節部の打撲よりも、筋肉の打撲の方が痛みが強い傾向にあるのは、筋肉の少しの伸び縮みが影響しているためです。
そのため、日常生活にも支障をきたすほどの痛みを感じる場合も珍しくありません。
打撲が治るまでの目安期間
打撲が治るまでの目安期間には程度により様々です。
打撲の痛みは日常生活にも支障をきたしてしまうことがあるので、打撲後はどのくらいの期間で治るのかを早めに把握しておきたいことでしょう。
ここでは、打撲の軽度・中度、重症の度合いと合わせて、治るまでの目安期間をお伝えしていきます。
打撲が治るまでの目安期間【軽度・中度の場合】
打撲が治るまでの目安期間は、軽度の場合であれば4日から10日程度、中度の場合は2週間程度で完治するでしょう。
ただ、関節のまわりに打撲をした場合は、関節運動をするたびに傷ついた組織に負荷がかり、内出血と腫れが強く出るため、軽度でも2週間以上の期間がかかるケースもあります。
あくまでも打撲をした時点ですので、経過によっては結果、中度、または重度の打撲だった、ということもありますので、あくまでも目安として捉えておきましょう。
打撲が治るまでの目安期間【重度の場合】
打撲が重度の場合は、完治するまでに1ヶ月~1ヶ月半程度の期間がかかることもあります。
重度の打撲は、1ヶ月~1ヶ月半の間に痛みを感じなくなることが多いものの、損傷後に残るしこりを除去する治療が必要になるケースがあるのです。
低周波などの電気を当てただけではしこりはなくなりませんので、直接的な施術や患部への働きかけが必要でしょう。
打撲でやってはいけないこと【3つの注意点】
打撲でやってはいけないことを知ると、さらに回復を早められます。
打撲による痛みや不快感を早めに解消するために、ここでは打撲をした際にやってはいけない3つの注意点について解説します。
打撲した直後すぐに患部を温める
肩こりや腰痛など、身体のトラブルでは気になる部位を温めることが効果的なケースも多いため、打撲も温めた方が良いというイメージを持つ人が少なくはありません。
ですが打撲は、炎症によって患部が熱を持った状態になっているため、温めると炎症物質の更なる分泌により周上が悪化し、皮膚の過剰なかゆみにつながることもあります。
そのため打撲をした直後から数日間はお風呂で温めるのを避け、湯温の低いシャワーのみが良いでしょう。
患部を触って、熱がひいてきたらお風呂で温め始めてくださいね。
お風呂には入っている時、または上がってから患部がズキズキする場合にはまだ温めるのは早いと判断して、すぐにアイシングをしましょう。
アイシングについてはこちらをご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
マッサージ
打撲時にマッサージをしてしまうと、強い指圧によって損傷を受けた軟部組織・筋肉・血管に大きな負荷がかかり、痛みが強くなったり長期化してしまいます。
マッサージがダメなのではなく、マッサージを始める時期の見極めが簡単ではないのです。
筋肉や筋膜の硬さをほぐしたり、テーピングなどの処置で打撲の症状を緩和する施術を接・整骨院では行っていますので、自己判断を避けて相談・施術を受けるようにしましょう。
アルコールを摂取する
アルコールは痛みによるストレスを緩和させるリラクゼーション作用がありますが、打撲時の摂取は避けることが推奨されています。
打撲後にアルコールを摂取してしまうと、ケガの回復に必要な酵素などのエネルギーがアルコールを分解するために多く使われ、完治までの期間が長引いてしまうのです。
またアルコールの摂取は、カルシウムの吸収を阻害したり余分に排出する働きがあり、丈夫な筋肉や骨に必要な栄養を補えなくなるリスクもあります。
打撲のしこりの疑問【Q&A】
ここからは、打撲の後にできたしこりが心配でならない人に向けて、悩み解決のためのヒントをQ&Aにて解説していきます。
打撲の後のしこりは何科に受診すればいいの?
打撲の後のしこりは、
- ケガや外傷などで痛みがある場合⇒整形外科、接・整骨院
- 発熱や吐き気などの症状がある場合⇒内科
- 痙攣やめまい、吐き気などの症状がある場合⇒脳神経外科
へ受診しましょう。
打撲の症状によっては、出向いた病院や接・整骨院で、「○○科でも見てもらうようにしてください」というアドバイスを受けられるケースもあります。
打撲の後のしこりを揉むのはよいの?
打撲の後のしこりは、軽くさするようなマッサージであれば問題がないでしょう。
ただ指圧が強くかかるようなマッサージは、繊維にさらにダメージを与え、痛みが強くなるリスクがありますので注意しましょう。
マッサージ機では絶対に行わないでくださいね。
打撲の後のしこりはいつまであるの?
打撲の後にできたしこりは痛みや内出血の軽減、軟部組織の修復とともに、しこりによる盛り上がりが目立たなくなります。
打撲後のしこりは、適切な対処・治療が早ければ早いほどに目立たなくなりますので、先生にお任せするのが一番良いでしょう。
しこりが大きく、硬い場合には一年以上かかってなくなるケースもあります。
マッサージはしても良いの?
打撲直後のマッサージは禁忌ですが、ある程度の時期になったら患部へのマッサージを行っても大丈夫です。
接・整骨院などでは患部に負担をかけない施術を受けることができ、しこりへのマッサージは自身では指圧のレベルの調整が難しいため、先生に相談しましょう。
押すと痛いけど本当に治るの?
打撲の後のしこりを押すと痛いのは、軟部組織や血管、筋肉の修復がまだ行われている状態です。
適切な治療を受け、患部に負担のかからない生活習慣を心がけていれば、損傷した部位も徐々に修復し、痛みの緩和につながります。
ただ、患部を押すことは避けましょう。
【まとめ】打撲をしたらすぐにRICE処置をしよう
打撲をしたらすぐに行うべきRICE処置とは、
- 安静のRest:患部にタオルや添え木などを当てて固定し、安静を保つこと
- 冷却のIcing:患部を氷や氷水で冷やすと体温が下がり、炎症や痛みの緩和につながる
- 圧迫のCompression:患部にテーピングを巻いて圧迫し、内出血や腫れを最小限に抑える
- 拳上のElevation:打撲した部位を心臓よりも高い位置に保ち、安静にすること。血液が心臓に向かって流れるため、内出血になる腫れの軽減につながる
という4つの対処法のことを言います。
最初に行うRICE処置が打撲の治りの早さを決めます。
打撲をしたら決して放置をせず、1~4までの応急処置を行い、先生より適切な治療・施術を受けましょう。
打撲を早く治すにはこちらの記事を参考にしてください。