膝蓋下脂肪体炎とは?原因や症状、効果的なストレッチと疑問にお伝えします
カテゴリー:膝の痛み
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膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)は急激な体重の増加や歩き過ぎなどが原因で起こる炎症のことを言い、フォッファ病と呼ばれることもあります。
今回の記事では膝蓋下脂肪体炎の原因や症状、改善に働きかける効果的なストレッチや疑問についてお伝えしていきたいと思います。
Contents
膝蓋下脂肪体炎とは?
膝蓋下脂肪体炎とは、膝の関節にある膝蓋下脂肪体(赤丸)に炎症が生じた症状のことを言い、
- 膝の全面
- お皿の下
に特に強い痛みが出ます。
写真2は太腿の骨、18はすねの骨で、横からの断面です
※引用:人体解剖カラーアトラス
膝蓋下脂肪体炎の痛みは、過度な負荷がかかることで膝の関節が脂肪が挟まれて症状が出てきます。
膝蓋下脂肪体は膝関節の円滑な動きを維持させるための役割があるため、この部位に炎症が起こると、
- 膝の動きがスムーズにならなくなる
- 長期的な痛みや違和感を感じる
などを生じてしまうのです。
膝蓋下脂肪体炎の原因と症状
膝蓋下脂肪体炎の主な原因と症状について見ていきましょう。
原因
膝蓋下脂肪体炎の主な原因には、
- スポーツのし過ぎ
- 歩き過ぎ
- 体重の増加
- 外傷
- 反張膝(立った時に膝が過度に伸びてしまう)
によるものがあります。
特に歩き過ぎやスポーツのし過ぎなどは、膝蓋下脂肪体に過度に負担がかかるため、日常的に長期間の歩行・スポーツをする習慣がある人は、この炎症が起こりやすいと言えるでしょう。
反張膝について詳しくはこちらをご覧ください。
→反張膝チェック!改善トレ&ストレッチで脚が太い原因へアプローチ!
膝蓋下脂肪体炎は他にも、
- 半月板
- 外傷
- 変形性膝関節症
などの原因により起こることもあります。
変形性膝関節症についてはこちらをご覧ください。
→変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト
→変形性膝関節症のしてはいけない運動とスクワットやウォーキングの効果
症状
膝蓋下脂肪体炎の主な症状は、
- 押すと痛い
- 腫れ
- 痛みや違和感がある
- 膝の曲げ伸ばしがスムーズにできない
などがあります。
膝蓋下脂肪体炎でこのような症状が起こるのは、脂肪組織が異常に増えることによって膝の柔軟性がなくなるためなのです。
膝蓋下脂肪体炎は、関節に脂肪体が挟まれ過度な圧迫を受けることで起こり、
- 膝のお皿の内側や外側
- お皿の下側
に強い痛みが生じ、炎症が長引いてしまうと脂肪組織がいっそうに膨らんでお皿の下のふくらみが目立つこともあるでしょう。
膝蓋下脂肪体炎に効果的なストレッチ(セルフケア)
ここでは膝蓋下脂肪体炎に効果的なストレッチ(セルフケア)をご紹介しますので、家事や仕事の合間にぜひ試していただければと思います。
- 膝の裏を指で押して固いところ(ゴロっとした固さ)を見つける
- 膝を曲げて、1の位置に両方の親指を重ねる
- 痛すぎないくらいの強さで押しながら膝をゆっくり曲げ伸ばし、足首をゆっくりと上下に動かす
- 押したまま膝の曲げ伸ばしを10回ほど行う
行っていくうちに押している箇所の固さが柔らかくなったり、痛みが変わってきたら上手に行えた証拠です。
1時間に一度程度の間隔で行ってみてください。
くれぐれも強く押しすぎて痛みが残らないようにだけ注意してくださいね。
ストレッチについて詳しくはこちらをご覧ください。
→間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?
膝蓋下脂肪体炎にオススメのテーピング
膝蓋下脂肪体炎にオススメのテーピングをご紹介します。
用意するテーピングのサイズは50ミリと75ミリです。
※75ミリは写真のようにあらかじめ切っておきます。
- 膝を少し曲げた状態で、50ミリで太ももからお皿の外側、お皿の下側にかけて貼る
(この時、お皿を少し内側に寄せるように) - 75ミリを太腿からお皿を囲むように貼る
1でお皿の位置を少しずらし、2でお皿の位置を固定するイメージです。
そして2で固定をさらに強くします。
変化がない時には
- お皿の位置を逆方向(外側)に変えてみる
- テーピングの引っ張りを強くしてみる
などを行ってみてください。
テーピングを強く張って貼ると皮膚に何かしらの異状が出る場合もありますので、注意してください。
テーピングの効果や貼り方などについて詳しくはこちらをご覧ください。
→テーピングの効果って?効果を最大限活かすための注意点と疑問アレコレ
膝蓋下脂肪体炎の疑問アレコレ
膝蓋下脂肪体炎に関する
- マッサージは良いのか?
- サポーターを使うべき?
などのよくある疑問にお答えしていきます。
マッサージ(ほぐす)は良いの?
膝蓋下脂肪体炎は、強い痛みがない場合に限り、マッサージをしても問題がないでしょう。
膝蓋下脂肪体炎のマッサージを行う際には、
- 膝を伸ばした状態で行う(膝を曲げると膝蓋下脂肪体が奥に入ってマッサージ効果が半減するため)
- 揉んで筋肉を痛めないようにする
などを知っておきましょう。
筋肉を緩める最も簡単な方法は
- 固い筋肉の場所を押して探す
- 1の場所を押したまま、筋肉を伸び縮みさせる(動かしてあげる)
この方法が簡単です。
肩こりの方はすぐに、その場で実践できますので、下記でLINEの登録後、受け取っていただき、是非とも実践してみてください。
ランニングはやめたほうがいいの?
膝蓋下脂肪体炎は、ランニングなどによる膝への負荷も原因のひとつです。
膝を休ませるためにも、床に膝をつくスポーツや激しい動きは一時的にストップすることが推奨します。
サポーターは?
膝蓋下脂肪体炎にサポーターを使うと、
- 膝がしっかりと固定される
- 関節の動きを助ける
- 膝関節の無理な動きを自然に制限する
などのメリットがあり、ケガによる膝蓋下脂肪体炎の予防にも有効と言われています。
こちらのサポーターは《薄くて軽いのに固定力はしっかりキープでき、しかもマジックテープにより調節も可能》ですのでお勧めです。
O脚やX脚、膝の裏に負担が掛かる膝反張やランナー膝の方など向けに種類があり、選べるというのも大きな魅力です。
いつまでも治らない原因は?
膝蓋下脂肪体炎がいつまでも治らないのは、
などの原因が考えられるため、自己判断だけでは難しい障害でもありますので、先生に見てもらいながらアドバイスや治療・施術を受けたほうが良いでしょう。
膝蓋下脂肪体炎の治療法
膝蓋下脂肪体炎の治療法は、
- 軽度の場合:湿布や消炎鎮痛作用のある塗り薬を使ってストレッチやマッサージを行う
- 中~重度の場合:ステロイドホルモン注射、運動器カテーテル治療
などがあり、数回の注射でほとんどの場合痛みが緩和する傾向です。
何事も「プロに任せたほうがいい」ということも言えるでしょう。
膝蓋下脂肪体炎のセルフチェック
膝蓋下脂肪体炎のセルフチェックは、次のような症状で判断することができます。
- 左右の膝を伸ばして、腫れによる皮膚のふくらみの違いの有無
- 症状を感じる方の膝に熱感がある
- 膝を伸ばすと痛みが強くなり、曲げると痛みが和らぐ
- 症状がある方の膝蓋(しつがい)靱帯やのその脇(緑丸)を触ると、強い硬さが見られる(※写真参照)
腫れや熱感、動きの時に痛みがある場合には膝蓋下脂肪体炎の疑いが強いでしょう。
【まとめ】膝蓋下脂肪体炎について
本記事では膝蓋下脂肪体炎の症状や原因、セルフチェックのポイントなどをお伝えしてきました。
膝蓋下脂肪体炎は膝に起こりやすい障害の中でも、特に痛みが強く出る傾向です。
膝蓋下脂肪体に負担がかからないよう、運動時間や内容、日常生活の動作をもう一度振り返っていただければと思います。