肋骨骨折の原因・症状・治療について解説!セルフチェックの方法もお伝えします
カテゴリー:身体のいろいろな不調
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咳をした後や身体を捻る動きを多くした後に、肋骨に何かしらの症状を感じるときには肋骨骨折を疑いましょう。
また衝撃を肋骨に受けた時も同様です。
肋骨は他の骨とは違い筋肉で覆われていないため、直接外力を受けて痛めてしまうのです。
この記事では「肋骨骨折の原因・症状・治療、セルフチェックの方法・そのほか肋骨骨折に関する疑問についてお伝えしていきます。
Contents
肋骨骨折の原因
肋骨骨折の原因には何があるのでしょうか。
はじめに肋骨について少し見ていきましょう。
肋骨とは胸の内臓を覆い、胸の臓器を外力から守る役割を担っている骨です。
肋骨骨折は全骨折の10%の割合で起き、肋骨骨折の起きやすい部位は5〜8本目の肋骨が多い傾向にあります。
肋軟骨は骨のように硬くない軟骨で構成され、肋硬骨は一般的に骨と言われるものと同じように硬い骨の部分になります。
浮遊肋というのは胸椎(胸の背骨)のほかにどこにも付いていない骨になり、指で押すと少し動くほど不安定な肋骨です。
肋骨骨折が起きる原因には
- 交通事故やスポーツによる衝撃や外力
- 野球やゴルフなど捻り動作の繰り返し
- 何かに身体をぶつけてしまった日常生活での
- 継続した咳
- 変な体勢でのくしゃみ
などなど、日常生活の中でも十分に起こりうるケガとなっています。
交通事故やスポーツによるもの
肋骨は他の骨とは違い表面は筋肉で覆われていないため、直接衝撃を受ける部位でもあります。
直接衝撃を受けたときに「筋肉」という肋骨を守るものがないため衝撃や何かしらの外力により痛めやすいのです。
コンタクトスポーツなどでは接触時に相手の肘が肋骨に入り、骨折などのように痛めてしまうケースもあります。
繰り返し動作によるもの
身体を捻る動作や咳など肋骨に負担のかかる動作が継続的に、しかも強く加わった場合、肋骨が金属疲労のように折れてしまいます。
このような骨折は「疲労骨折」と言われ、肋骨だけでなく、すねや足の指にも起きるケガです。
繰り返し動作により起きやすいスポーツには野球やテニス、バレーボール、ゴルフ、槍投げ、体操競技、このほかウエイトリフティングでも起きやすい傾向にあります。
疲労骨折についてはこちらをご覧ください。
→疲労骨折の予防法と対処法、早期の症状改善のためにできることを徹底解説!
高齢者では骨粗しょう症を抱えていると喘息や気管支炎、肺炎による咳でも肋骨を骨折してしまいます。
日常生活でのアクシンデント
日常生活の中でのアクシデントとして最も多いのがお風呂場での転倒です。
家の中で一番危険なのは実はお風呂場で、足を滑らせて浴槽に身体をぶつけてしまうケースが意外に多く、肋骨を骨折、またはヒビになってしまうのです。
年齢も高くなると転倒してしまう傾向にありますので、足元の転倒対策はもちろん、本人の注意も必要となってきます。
衝撃での肋骨骨折をした後には、衝撃と痛みで声も出なくなりますので、ご家族の方はいつもより長くお風呂に入っているときには一声かけるようにしましょう。
変な体勢でのくしゃみ
くしゃみをした時の力というのはとても強く、肋骨の間にある「肋間筋」という筋肉が肋骨を引っ張ってしまい骨折してしまうことも。
くしゃみの際につい息を吸ってしまいがちですが、この時に吸ってしまう空気を少なくするとくしゃみの力も弱くなります。
背伸びをしたままや、身体を捻った状態でくしゃみをするのは危険です。
いつ来るかわからないくしゃみではありますが、体勢も気をつけてするようにしましょう。
肋骨骨折の症状
肋骨骨折の症状をみていきましょう。
症状には
- 押すと痛い
- 深呼吸での痛み
- 身体を捻ったり、力を入れると痛い
- 強い外力が加わると数秒間息が吸えない
- 腫れや内出血
- 複数の肋骨が骨折している場合は動けないほどの痛みを感じる
がみられ、衝撃や外力が大きいと折れた骨が心臓や動脈、肺、肝臓、脾臓を傷つけてしまうケースも。
白い線が切れている赤い矢印の先が肋骨骨折の箇所です。
深呼吸や上半身を動かすと痛みは強くなるので、呼吸は浅くして痛みを感じないようにして、上半身もしばらくの間はロボットのような動きになります。
安静にしていると痛みは和らぎますが、骨折した面同士が離れたりしていると痛みはじっとしていても感じるでしょう。
日常生活で最も辛いのが起き上がりの動作やくしゃみです。
肋骨骨折になっても上手に起き上がる方法や痛みのピークについてはこちらをご覧ください。
→肋骨骨折でも楽に過ごす方法をご紹介!寝方と起き上がり方のコツとは!?
肋骨骨折のセルフチェック方法
肋骨骨折のチェックリストは下記になります。
- ぶつけた、何かしらの衝撃を受けた後から痛みがある
- 肋骨まわりを押すと痛みが強くなる
- 腫れ・皮下出血が見られる
- 体を動かすと痛みが強くなる
- 呼吸がいつも通りできない
- 咳やくしゃみをすると強い痛みになる
これだけのチェックリストがありますが、一つでも当てはまる場合には画像にて患部を確認した方が良いでしょう。
肋骨骨折を放置してもいいことはありません。
詳しくはこちらをご覧ください。
肋骨骨折の治療法
肋骨骨折の治療法は、病院では【バストバンド】というサポーターで固定をするだけになります。
バンドで固定するだけで肋骨骨折に感じる症状はかなり楽になりますので、固定は必ずしましょう。
バンドをすると症状は楽になりますが、骨の修復は早くはなりません。
では骨の修復を早める方法も一緒にお伝えします。
骨の修復を早めるには
- 糖質の過剰摂取は避ける
- 超音波による刺激
- 酸素ルーム・カプセル
などを加えて継続すると、かなり早く骨の修復がされるでしょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
→手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます
肋骨骨折に関する疑問
肋骨骨折に関する疑問にもお答えします。
- 放置するとどうなるの?
- 腫れないけど骨折は起きるの?
- ズレてくっつくことはあるの?
- 仕事はしていいの?
放置するとどうなるの?
肋骨骨折を放置していると痛みが長引き、痛みを庇うために身体の動きもおかしくなります。
身体の使い方がおかしくなると庇っていたところの筋肉に負担となり、痛みとなって現れて来るのです。
詳しくはこちらをご覧ください。
腫れないけど骨折は起きるの?
肋骨骨折では、ヒビくらいの損傷程度の場合には内出血も腫れも出ないことも。
そのような時に超音波(エコー)で患部を見てみると1〜2ミリ程度の亀裂が見られます。
1〜2ミリ程度の亀裂の場合、固定だけでかなり楽に動けるようになるでしょう。
ズレてくっつくことはあるの?
肋骨骨折においてズレてくっつくことは非常に稀(筋肉で固定されているため)で、例えズレたまま固定されてもわずかなものですので、骨の修復能力によりそのズレも自然に戻る傾向にあります。
仕事はしていいの?
肋骨骨折と仕事はどのように捉えればよいのでしょうか。
もちろん症状の程度に合わせた適切な治療・施術を受けながら、指示に従って仕事をすることがマストです。
肋骨骨折は、
- 固定した状態で3~4週間程度の安静が必要
- 4~6週程度が完治するまでの期間
と言われているため、身体を動かす仕事の場合は休む必要があります。
デスクワークの場合には、強い症状を伴わなければすぐに仕事に復帰しても良いでしょう。
【まとめ】肋骨骨折の原因・症状・治療について
本記事では肋骨骨折の原因や症状、治療方法について詳しく解説してきました。
肋骨骨折は日常生活の中でもおきやすい骨折の一つです。
何かしらの症状を感じたときには適切な処置・施術を受けるとかなり早く楽になります。
自己判断や我慢はせずに、すぐに適切な行動をしていただければと思います。