仙骨の痛み(仙腸関節障害)の原因や症状、診断方法や疑問について
カテゴリー:腰の痛み
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お尻の中心ではないけども、両サイド、またはどちらか(緑丸)が痛い場合は、仙腸関節障害の可能性が考えられるかもしれません。
ここでは仙骨の痛み(仙腸関節障害)がどのような障害なのか、原因や症状、診断方法や疑問にわかりやすくお伝えしていきます。
腰に関する記事はこちら。
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Contents
仙骨の痛み(仙腸関節障害)について
仙骨の痛み(仙腸関節障害)について。
仙骨には、身体を支える土台としての役割や、背骨のアーチの角度決めたり、上半身の重さを左右の足に均等に分けるなどの部位のため、仙腸関節障害による痛みは、日常生活や運動、仕事時の支障になってしまうリスクもあります。
では、仙骨の痛み(仙腸関節障害)はどのような原因・症状・診断方法などを見ていきましょう。
原因
仙骨の痛み(仙腸関節障害)は、
- 左右の足を前後に開く
- 腰を大きくひねる
などの際に、骨盤に左右対称の強い負荷や圧力がかかることが原因と考えられています。
仙骨の痛み(仙腸関節障害)にはその他にも
- いつも荷物やカバンを同じ方向に持つ
- どちらか一方の足を組んで、座るクセがある
など、身体の左右に非対称になる体勢や姿勢がある場合も、原因になると言われています。
ですが、利き足と聞き手がある時点で偏りを防ぐことはとても難しいため「できるだけ左右均等に使う」という意識くらいで良いでしょう。
女性の場合の仙骨の痛み(仙腸関節障害)は、出産によって仙腸関節まわりの靱帯がゆるみ痛みの原因になるケースもあります。
そして腰が反りすぎても仙骨に痛みを招くケースも。
詳しくはこちらをご覧ください。
→反り腰チェックでひどい腰痛の原因を知ろう!答えはインナーマッスル⁉︎
診断方法
仙骨の痛み(仙腸関節障害)の診断方法は、
- 仙腸関節をひねる、圧迫するなどで症状をチェックする整形的外科検査
- 仙腸軟骨にブロック注射をし、症状が改善するかを見る診断方法
- 仙骨の痛みがあるところに本人の指にて痛みのある部分を示してもらうワンフィンガーサイン
などがあり、より詳しい障害の程度を見るためのレントゲンやMRIなどの画像診断が行われるケースもあります。
ですが、仙腸関節の左右差のズレの程度と症状には密接な関係性はないため、あくまでも「画像では左右差を見るくらい」の認識で良いでしょう。
症状
仙骨の痛み(仙腸関節障害)では、骨盤が出っ張っている部分のことを言う仙腸関節部分に痛みが生じやすく、
- 腰痛
- お尻や足の付け根となる鼠径部(そけいぶ)
- 脚全体
などにも痛みが出る傾向にあります。
仙骨の痛み(仙腸関節障害)には、日常生活において、
- 長時間座ることが辛く感じる
- 痛みのある部位を下側にして寝ることができない
- 運動や作業などで、身体を動き始めてすぐに強い痛みを感じる
などの症状も出やすい傾向です。
仙骨が痛いその他の障害(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症)
仙骨が痛むその他の障害には、
- 背骨と背骨の間にある椎間板が後ろ側に突出する「椎間板ヘルニア」
- 脊柱管と呼ばれる神経の通り道がさまざまな原因によって狭くなり、しびれや歩行障害が起こる「脊柱管狭窄症」
があり、それぞれを明確に見分けなければ、症状はなかなか改善しない流れとなってしまうでしょう。
きちんとした検査と問診が必要です。
仙骨の痛み(仙腸関節障害)の治療法と対処法
続いては仙骨の痛み(仙腸関節障害)の治療法と対処法について見ていきましょう。
注射
仙骨の痛み(仙腸関節障害)の注射は、安静や痛み止めの薬、骨盤ベルトやコルセットなどの治療では改善が見られない場合に選択され、仙腸軟骨に局所麻酔剤を注射するブロック注射が行われます。
痛みのある箇所に局所麻酔を注入することで痛みをなくす方法です。
ただ、【根本的に仙腸関節の痛みと原因がある場合にのみ効果的】となり、注射が効かない場合には原因は他にあると考えた方が得策でしょう。
運動器カテーテル
仙骨の痛み(仙腸関節障害)の運動器カテーテルの治療は、細い管を患部の付け根から挿入して行う治療法です。
運動器カテーテルには、
- 痛みが長期化している原因のモヤモヤ血管(病的新生血管)に直接作用する
- 骨盤に阻まれることなく、患部に直接的に、広範囲に作用させることができる
などの特徴、メリットがあります。
この方法は近年行われている方法で、仙腸関節(仙腸関節障害)の痛みの他に
- テニス肘
- 五十肩
- 腰
- 膝
などにも適応で、長く続く痛みの隠れた原因に対しての治療法として行われています。
関連記事はこちら。
→肘の内側・外側の痛みの原因と治療法とは?お勧めのサポーターをご紹介
ストレッチ
仙骨の痛み(仙腸関節障害)のストレッチは、仙腸関節まわりの
- 股関節
- 腰部
- 背中
周辺の筋肉へのアプローチする方法として効果的です。
詳しい方法はこちら。
→仙腸関節炎をストレッチとテニスボールで改善する方法をご紹介!
筋トレ
仙骨の痛み(仙腸関節障害)では、
- 腹横筋
- 内腹斜筋
- 多裂筋
- 大殿筋
というさまざまな筋肉の動きがスムーズではないため、この部位の筋力を鍛えるトレーニングも効果的です。
筋トレを効果的に、しかも短時間で行うには【加圧式トレーニング】がオススメですが、詳しくはこちらをご覧ください。
ベルト
仙骨の痛み(仙腸関節障害)に対してベルトを使った対処法は、痛みの原因となる仙腸関節の固定と痛みの緩和に大変効果的です。
動き辛さは多少あるかもしれませんが、痛みによるストレスを常に感じながら動くのとでは生活レベルは格段に違います。
ご紹介する方法を是非とも行ってみてください。
ベルトを骨盤を囲むように巻くのですが、その方向によって仙腸関節への固定方法も変わります。
1:後から前にかけて巻く(骨盤を閉じるように)
2:前から後ろにかけて巻く(骨盤を開くように)
それぞれ、楽な方を巻いてみましょう。
ベルトを使い続けて痛みを感じない時間が長くなると、脳が痛みを感知しにくくなるため、痛みの緩和にさらに役立つでしょう。
仙骨の痛み(仙腸関節障害)に関する疑問
仙骨の痛み(仙腸関節障害)に関する、さまざまな疑問にお答えしていきたいと思います。
マッサージは有効か?
仙骨の痛み(仙腸関節障害)の原因が筋肉であればマッサージは有効です。
病院で特に異状が見つからない場合には筋肉が痛みに関わっているケースがとても多くありますので行ってみましょう。
梨状筋というお尻にある筋肉は、仙腸関節の痛みが出ていると同時に硬くなる傾向にあり、テニスボールなどで程よく刺激を加えると、痛みの緩和につながります。
方法を詳しくはこちら。
→仙腸関節炎をストレッチとテニスボールで改善する方法をご紹介!
寝ながら行うストレッチ
筋肉系に痛みの原因がある場合には、ストレッチは大変効果的ですし、その場で症状が軽減するでしょう。
ただやりすぎには注意が必要です。
仙骨の痛み(仙腸関節障害)をストレッチで軽減する方法はこちら。
→仙腸関節炎をストレッチとテニスボールで改善する方法をご紹介!
ストレッチの方法に関してはこちらをご覧ください。
→間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?
治るまでの期間は?
仙骨の痛み(仙腸関節障害)は、人ぞれぞれに原因があり、しかも症状の出方もそれぞれです。
間違った治療法や対処法を行っていると【年単位でかかる】ことも少なくありません。
仙骨が痛いから…と言って電気や痛み止め、湿布を貼っただけでは大きな症状の変化は見られないでしょう。
そのためにも
- 何が原因なのか
- 何をすると症状が楽に、または強くなるのか
を見極める必要があります。
従って、症状が軽度なうちに適切な治療・施術を受けると早期に症状は軽減、またはなくなるでしょう。
モヤモヤ血管が原因の場合には、いくらマッサージや筋トレ、ストレッチを行っても変化はありませんし、その逆もまたあり得ます。
症状がいつまでも変化がない時には先生に質問や相談をしましょう。
こちらでも質問はお気軽にどうぞ☆
朝痛いのはなぜ?
朝に仙骨の痛み(仙腸関節障害)が見られるのは、寝ている間に筋肉が凝り固まっていることで、朝の急な動きに筋肉が耐え切れず、強い負荷がかかることが原因と考えられています。
となると、朝にだけ痛みを感じるケースではストレッチやマッサージなどが効果的ということ。
やりすぎないようにセルフケアを行ってみましょう。
マッサージの方法についてはこちら。
→テ二スボールを使ったマッサージ10選!コリを解消する方法をご紹介!
同時に寝具が合っていないことでも同様の症状は出てしまいますので、詳しくはこちらをご覧ください。
→敷布団・マットレスで腰痛は解消!オススメ寝具の選び方と腰痛の解消法をご紹介!
仙骨の歪みを治す方法はあるの?
仙骨の歪みを治すと言われている方法には
- テーピングやインソールで体のバランスの安定を図る「補助療法」
- 姿勢の乱れを改善したり、筋肉の柔軟性の回復を図る「運動療法」
- 仙骨のゆがみの日常生活の上での原因を改善、正しい姿勢等を指導する「日常生活指導」
などの方法がありますが、実際に歪みが仙骨の痛み(仙腸関節障害)の原因かどうかは定かではありません。
ですが、歪みは姿勢や仙腸関節以外にもさまざまな影響を与えるため、ストレスにならない程度に気をつけた方が良いでしょう。
【まとめ】仙骨の痛み(仙腸関節障害)について
本記事では仙骨の痛み(仙腸関節障害)の原因や症状、治し方などについてお伝えしてきました。
仙骨の痛み(仙腸関節障害)は再発するケースも少なくはないため、早めに適切な治療・施術を受けながら、辛い痛みや不快感を克服していただければと思います。