肘部管症候群は自然に治る?重症度は?仕事は休むべき?疑問に回答します
カテゴリー:肩・肘・手首の痛み
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肘部管症候群は(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
ここでは肘部管症候群について、原因や症状、
同じく神経の圧迫で起きるとされている「手根管症候群」について詳しくはこちらをご覧ください。
→手根管症候群の治療は手術が最善?体験談からの読み解きと手術失敗のリスク
Contents
肘部管症候群について
はじめに、肘部管症候群について、原因やテスト(検査法)、
原因
肘部管症候群は肘部管を走っている肘の内側を通っている尺骨神経(緑色部分)という神経が、圧迫・
- 手や肘を酷使する動き、作業、スポーツ
- 加齢による骨の変形
- 長時間の運転
- 慢性関節リウマチ
- 良性の腫瘍のことをいうガングリオンによる圧迫
などが原因となり、
肘の内側の障害には「野球肘」というものもあります。
対策や対処法なども似ていますので、関連記事としてご覧ください。
→野球肘とは?原因や症状、治し方や疑問アレコレにお答えします
テスト(検査法)
肘部管症候群の検査には主に次の方法があります。
- ティネルサイン:
神経が圧迫されている肘の内側を指や道具で軽く叩き、 突き抜けるようなしびれがある場合は肘部管症候群の疑いが強い - フロマン徴候:親指と人差し指で紙を挟み、親指の関節に不
自然な曲がり、変形がないかをテストする - レントゲン検査:肘の変形が見られる場合に行い、
肘の外反変形や関節の隙間が狭くなっていないかを診断する - 指交叉試験:
中指を人差し指にのせる動きがスムーズになるかをテストする - 尺骨神経伸長テスト:肘関節を最大に屈曲、
手関節を最大伸展、前腕を最大回内位に保持して肘部管症候群の有 無を診断する
このようなテスト(検査法)を行なって、小指と薬指の間にしびれが走
腕の痺れや感覚異常としては「胸郭出口症候群」という障害もあり、ひどい方は肘あたりまで症状が出てしまう方もいらっしゃいます。
詳しくはこちらもご覧ください。
→胸郭出口症候群の重症化予防のためにテストで息苦しい症状が出ないかチェック!
治療法(保存療法・手術)
肘部管症候群の治療には保存・手術療法があります。
肘部管症候群の保存療法は、軽症・中等度の場合に選択され、
- 肘部を保護して余分な動きを抑えるスプリントの使用
- 痛みや炎症を抑える消炎鎮痛剤の処方
- 指や手の屈曲、伸展を促すリハビリ
が一般的な内容です。
肘部管症候群の手術療法は、
- 肘の内側を切開して神経を圧迫している靭帯を切り開く「
単純除圧術」 - 神経を骨の前に移動する「神経前方移行術」
- 麻痺していない筋肉の移行や腱を移植する「腱移行術」
などがあります。
重度になると日常生活にも支障をきたすため、早期の治療・施術が必要です。
こちらも併せてご覧ください。
→手根管症候群の治療は手術が最善?体験談からの読み解きと手術失敗のリスク
肘部管症候群の症状
肘部管症候群の症状について、軽度・
軽度
肘部管症候群が軽度の場合は、
- 小指と薬指の外側にかけてしびれが出る
- 肘を深く曲げ続けると特に強い痛み、しびれが生じる
- 肘から手首までの内側の広い部分に痛みが出る
という症状が出やすくなります。
軽度の症状では軽視しがちですが、日常生活に支障をきたすと皆さん、治療・施術にいらっしゃる方がとても多いです。
重症度
肘部管症候群が重症度の場合は、
- 肘の内側から小指側の掌の感覚が鈍麻、またはマヒする
- 手先の細かい作業が難しくなる
- 握力が著しく弱くなる
- 手の筋肉が落ちて平べったい状態に変形する
などの深刻な症状が出るでしょう。
重症度になってしまうと筋肉も戻したり、指の感覚が戻るまで長い期間を要してしまいますので、早期に治療・施術を開始してください。
肘部管症候群はどのくらいで治るのか
肘部管症候群は神経への圧迫や牽引が取り除かれることで、2週間~
ただ、回復までの期間は手術前の神経の圧迫の程度・
痛みやしびれが出てから早い段階で診断や治療、施術を受け、
何事も「早いうちの行動」は間違いありません。
神経の回復を早めるのは酸素ルームを治療・施術と併用すると良いでしょう。
酸素ルームについて詳しくはこちらをご覧ください。
→酸素ボックスとは?仕組みや効果、さまざまな疑問にお答えします
肘部管症候群に関する疑問集
続いては、
早速見ていきましょう。
肘部管症候群は仕事を休むべき?
肘部管症候群になると、手先の細かな作業が難しくなったり、
肘部管症候群の治療は安静が基本となるため、
休むべき仕事内容は
- デスクワーク
- 縫栽関係
- ものを強く掴むことが多い
などに当てはまる方は無理をしない方が無難でしょう。
肘部管症候群の安静期間は?
肘部管症候群は、
保存療法での安静期間は一週間単位で判断し、症状が軽減していくとともに、固定内容も徐々に軽くしていく流れになります。
きちんと固定と安静が保てれば、しびれやマヒ、痛みの軽減が期待できるでしょう。
肘部管症候群の進行速度はあるの?
肘部管症候群の進行速度ですが、握る動作やパソコン作業などの強度や時間によって人それぞれです。
強度の高い仕事の場合には進行速度が早まりますし、パソコン作業でも強度は低いものの長時間、毎日行えば進行速度は速くなってしまいます。
痛みはもちろん、痺れや感覚の異状は普通ではありません。
放置せずに適切な行動をしましょう。
肘部管症候群を放置するとどうなるの?
肘部管症候群を放置すると、
- 手の細かな作業を担う内在筋が働かなくなって手が不器用になる
- 手の握力が弱くなる
- 痛みやしびれ、麻痺が長期的に続く
- 神経が強いダメージを受けて「軸索変性」
を生じ完全な回復が難しくなる
という深刻な症状、後遺症が出やすくなります。
何事も放置はいけません…。
→ぎっくり腰を放置したり、腰痛を我慢し続けるとどうなるのか?
肘部管症候群の手術費用はどのくらい?
肘部管症候群の手術費用は、
- 1割負担の場合:およそ23,000円
- 3割負担の場合:およそ62,000円
となり、術式によって費用の変動が見られます。
肘部管症候群の診察費や検査代は手術費用とは別に必要になりますので、お見知り置きください。
【まとめ】肘部管症候群について
本記事では肘部管症候群について、原因や症状、
肘や手指は日常生活、スポーツ、
手指や肘の内側のしびれ、痛みに気づいたら肘部管症候群の可能性