膝裏の痛みの原因は歩きすぎ?腓腹筋と痛みの原因を徹底解説!
カテゴリー:脚の痛み
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いつの間にか、またはある時から膝の裏が痛くなった経験はありませんか?
膝や足首を痛めると膝裏が痛くなることも珍しくありません。
膝裏と膝・筋肉の関係、膝裏が痛くなる原因を徹底解説いたします。
Contents
膝裏が痛い原因は?
そもそも膝裏が痛くなるのは、なぜなのでしょうか?
原因は様々ですので、一つひとつ見ていきましょう。
ベーカー嚢腫(のうしゅ)
ベーカー嚢腫とは
関節液がたまって、膝の裏側の関節包から袋状に突出した結果生じます。関節液がたまる原因には、関節リウマチ、変形性関節症、膝の使いすぎなどがあります。ベーカー嚢胞があると、しばしば膝の裏側に不快感が起こります。この嚢胞は、野球のボールほどの大きさになって、下の方に広がりふくらはぎの筋肉に入り込むこともあります。
関節液が溜まる原因には、
- 関節リウマチ
- 変形性膝関節症
- 膝の使い過ぎ
などがあり、ときに滑液を貯める袋が破裂して滑液が漏れると、周囲の組織は炎症を起こし、
- 痛みや赤み、
- 腫れ感やツッパリ感
- だるさ
- むくみ
などの症状が起きてしまいます。
ベーカー嚢腫は大きく腫れると見た目にもわかるのですが、腫れが小さいうちは超音波やMRI、関節造影検査が必要となります。
姿勢の乱れによる骨盤の後傾
骨盤が何かしらの影響で後傾すると、バランスを保つために膝は少し曲がります。
何かしらの影響というのは、
- 腰曲がり
- 腸腰筋の筋力
- 柔軟性の低下
- ケガの後遺症
です。
腰が曲がるとバランスを取るために膝が曲がる必要があります。
試しに真っ直ぐ立った状態で少しお辞儀をしてみましょう。
そのままだと腰に負担はかかりませんか?
では次に膝を少し曲げてみましょう。
腰の負担は軽減され、良くない姿勢ではありますが身体は安定します。
膝が少し曲がった状態で歩くとふくらはぎの下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と膝裏にある膝窩筋(しつかきん)という筋肉に負担になり、負担をかけ続けると筋肉は緊張して次第にツッパリ感から痛みへと移行していきます。
腸腰筋の筋力・柔軟性の低下
腸腰筋はとても強く骨盤に作用していて、腸腰筋の働きによって骨盤の前・後傾が左右されます。
腸腰筋の筋力・柔軟性の低下によって骨盤は後傾し、膝が曲がり下腿三頭筋と膝窩筋への負担となるのです。
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ケガの後遺症
怪我をすると、特に下半身の怪我は痛みをかばうために歩き方が変わります。
ケガが治ると同時に歩き方も戻ればいいのですが、年齢や怪我の程度、部位によっては戻らないこともあり、効率の悪い歩き方になってしまうのです。
効率の悪い歩き方の積み重ねで膝裏に負担がかかり続ける、または負荷が強くなると痛みとして現れるのです。
ケガを治してくれる先生はいますが、歩き方まで直してくれる先生はごく一部でしょう。
履き物による歩き方の変化
普段履いている履き物は何を履いていますか?
普段履きにサンダルやスリッパ、つっかけなどを履いていると膝裏を痛めやすい傾向にあります。
農家の方は長靴も足にはよくありません。
なぜなら足首を上手に使えない歩き方になるため、膝裏の筋肉に負担をかける歩き方になってしまうからです。
靴を履くと動きに支障のある方は、クロックスのようにかかとに引っ掛けるものがあるサンダルを履くのを強くオススメします。
変形性膝関節症によるもの
膝裏の痛みは女性に多い傾向にあります。
一つの要因として変形性膝関節症による要因が大きく関わってきます。
なぜ変形性膝関節症が関係してくるのかというと、
- 変形による痛みの回避のため、歩き方が変化
するために、膝裏に症状が出やすいのです。
膝に痛みが出ると膝をできるだけ使わないように歩くため、身体にとっては効率の悪い動きとなり負担のかかる筋肉に偏りが出てしまいます。
この負担の偏りが、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋と膝の裏の膝窩筋に負担となり、膝裏の症状を感じるようになるのです。
歩き方を戻すと症状の変化も早いのですが、一度変わってしまった歩き方を戻すのは簡単ではないため、膝裏の痛みが長期間長引いてしまうのも珍しくありません。
歩き方は意識しても戻すのはかなりの労力を要しますので、痛くても普通通りに歩けるのでしたら、歩き方だけは変わらないようにした方が確実に予後は良いものとなります。
変形性膝関節症についてはこちら
↓ ↓ ↓ ↓
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筋肉の緊張
筋肉は使うと発達して強くなっていきますが、強い刺激が一時的にだけ加わるとそれはダメージでしかなく、筋肉痛や肉離れになります。
筋肉を傷つけない程度の刺激でも一時的に加わると、それは筋肉の緊張を強くして硬結という筋肉の硬さを招き、その硬さを痛みとして身体は感知します。
これは運動だけに限らず、日常の中でも起きやすく
- 掃除などの作業
- 旅行や買い物による歩き
- ものを持って動く動作が多い
などの普段しない動きや刺激によって翌日以降に筋肉は硬くなり、何かしらの症状が出ることも珍しくありません。
「昨日大して動いてないのに身体が痛いんだよねぇ…」という症状は、身体にとっては負荷が強かったという証拠です。
これは40〜50代に多く感じるギャップでしょう。
歩きすぎると痛い膝の裏
普段歩かない方が一日だけ普段より多く歩くと、筋肉が過負荷になり、膝裏に何かしらの症状が出やすい傾向にあります。
歩きに加えて、履き物が足に合っていない、またはかかとにホールドがない履物で歩くと尚更負担となり、膝裏の症状を招きやすいでしょう。
できる限り外に出るときにはサンダルではなく、靴を履くと足首や膝に良いです。
ほかには、傾斜を上り下りする動作も膝裏には大きな負担となります。
歩くのがあらかじめわかっているときには、数日前から普段より歩く機会を設けた方がいいですね。
膝裏の痛みに関わる腓腹筋
膝裏の痛みに大きく関わるのは腓腹筋(ひふくきん)と膝窩筋(しつかきん)です。
ときには足の裏の筋肉が関与していますが、ほとんどのケースにおいて腓腹筋と膝窩筋が原因となっています。
膝の曲げ伸ばしと足首の使い方によって負担のかかり方が大きく変化するのも大きな特徴です。
普段からつま先で地面に接地することも膝裏に負担をかけてしまうので、かかとから接地するように心がけましょう。
膝裏に痛みを感じやすいスポーツ
つま先で止まることの多い競技では、ふくらはぎや膝裏の筋肉に大きな負荷がかかり、筋肉の緊張が強くなると痛みとなって感じるようになります。
止まる動作の他に、ジャンプ動作が多い競技にも同じように膝裏に症状が出やすい傾向にあります。
使い過ぎは良くありませんので、練習量や負荷の強さは各自調節できればケガの防止にもつながります。
もし練習量が多かったり、試合が続くときにはアイシングをして疲労をできるだけ残さない対処をしましょう。
アイシングについてはこちら→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
膝を伸ばすと膝裏が痛い
膝を伸ばすと膝裏が痛いのは腓腹筋と膝窩筋の硬さによるものです。
腓腹筋と膝窩筋は、共に膝を曲げるときに働く筋肉ですので、筋肉が硬いと膝を伸ばしたときに伸ばされる刺激が痛み刺激と感じるのです。
膝窩筋は腓腹筋よりも直接的に膝の曲げに関わり、そして、皮膚の上からはわかりにくいために硬くなっているかどうかというのがわかりにくい筋肉でもあります。
同時に太ももの裏にあって、人の身体で最も強い筋肉群であるハムストリングスが硬くても膝を伸ばすと痛みが現れる時があります。
硬い筋肉がさらに縮もうとしたり、筋肉自身が持つ柔軟性を超えると身体は痛みとして感知します。
膝裏が痛いときに行うストレッチ
膝裏が痛いときに行うストレッチは、王道になってしまいますがふくらはぎのストレッチが効果的です。
方法は、
- つま先と膝の向きは前
- かかとを床から離さないように前に出した足に体重を乗せる
※2のときに膝は曲がらないように
気持ち良さを感じながら行うと筋肉も緩み、痛み軽減につながります。
強く伸ばすと筋肉を痛めてしまうので、伸びている気持ち良さを感じながら行いましょう。
ストレッチについてはこちら→間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?
次は膝裏まで繋がっている足裏の筋肉の一部を緩めましょう。
- つま先を立てて膝立ちになります
- そのままの姿勢でお尻を下ろして座ります
この姿勢で足の裏が伸びていれば成功です。
お尻に体重を乗せるとさらに足の裏は伸びやすくなります。
ストレッチで効果を感じられなければ、竹踏みで直接足の裏にアプローチしましょう。
竹を半分に切り、その上で足の裏を踏み踏みするだけです。
足の裏を緩めるには竹踏みはとても効果的ですが、やりすぎると足の裏が筋肉痛になるので注意が必要です。
目安となる回数は毎日、片足ずつ25歩ほど踏み踏みします。
踏む位置は足の裏の硬いところや踏んで痛いところになります。
最初は痛みが強いので、体重を乗せる加減を調節していくと次第に筋肉が緩んで踏めるようになってきます。
竹をお持ちでない方はこちらがお勧めです。
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膝裏ぽっこりの原因は腓腹筋?
膝裏ぽっこりの原因は腓腹筋だけでなく、ベーカー嚢腫による膨らみも考えられますが、この両者の診断は超音波やMRIにて明確に見分けることができます。
もし、膝裏ぽっこりが腓腹筋による硬さだとしたら決してマッサージはしてはいけません。
膝裏へのマッサージは特に難しく、肩こりを押すように刺激すると激痛となります。
ましてや普段、人の身体に触り慣れていない方が行うと刺激が強過ぎて余計に筋肉を痛めるでしょう。
では腓腹筋を緩める方法をお伝えします。
- 膝裏の硬いところを親指で軽く押す
- 指は押したまま膝を曲げる
- 膝を曲げ切ったら指を離す
1〜3を繰り返すと膝裏の硬いところは次第に緩んでいきます。
決して強く押し過ぎないようにしましょう。
押すときもゆっくり押しながら硬いところに触れるようにします。
膝裏の痛みを予防するには
膝裏の痛み予防するためには、
- 履き物はできるだけ靴を履く
- 膝に何かしらの症状が出たらすぐに治療・施術を受ける
- 動いた後はストレッチで筋肉を緩める
この3点となります。
足首や膝を痛めてしまったらすぐに治療・施術を受けて、歩き方を出来るだけ早く戻すのも大切です。
歩き方と靴の関係はとても密接に関係しあってます。
「いつか治るだろう…」は通用しません。
将来、痛みや変形、変な歩き方にならないためにできるだけ早い対処をオススメします。