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思い当たる原因はないのに足首に痛みや違和感を感じることはありませんか?
または過去に足首を痛めた経験があり、それ以来時々痛みを感じることはありませんか?
もしかするとその痛みは「変形性足関節症(へんけいせいあしかんせつしょう)」かもしれません。
放っておくと痛みなどの症状が強くなるかもしれませんので、「変形性足関節症の原因と対処法をご紹介!手術を回避するためにできること。」をお読みいただき、知識を深めて行動をしていただければと思います。
Contents
変形性足関節症とその症状
変形性足関節症とは足首の関節の軟骨がすり減って関節に痛みを生じる状態です。
その症状には、
- 動き始め、または朝の1,2歩が痛い
- 夕方頃に腫れる
- 階段や坂の降りが辛い(つま先立ちが辛い、出来ない)
- 正座ができないなどの動きの制限
- 足関節の変形
などの症状が出てきます。
普段の生活では支障がなくても、少し遠出したときに痛みを感じたり、いつもとは違う靴を履いたりすると痛みが強く出る、というのも特徴的です。
ではなぜ変形性足関節症になってしまうのでしょうか?
考えられる原因には、
- 捻挫や骨折の後遺症
- 繰り返しの捻挫によるアライメントの崩れ
- O脚
- 加齢
- 関節リウマチなどの疾患
が挙げられます。
足関節が機能的に悪い状態で、継続的に負担をかけ続けると次第に関節面の軟骨が減ったり、骨の変形が起きてしまうのです。
捻挫や骨折をすると足関節の骨の配列(アライメント)が怪我の衝撃によりごくわずかならがでも変化します。
痛みだけを取り除いても、このアライメントが戻らなければ足関節には負担をかけ続けてしまいますので、痛みはもちろん、アライメントまで施術してくれる先生に見てもらうべきなのです。
足関節のアライメントは病院では全く見てくれないところですので、湿布や痛み止めだけの治療では不十分だということもお見知りおき下さい。
繰り返しの捻挫やO脚によって継続的に負担をかけ続けると軟骨への負担は増え、骨の変形を早めてしまいます。
同時に加齢や病気などの内的な疾患が加わるとさらに症状を加速させてしまいますので、一時的な原因である捻挫や骨折にはしっかりとした治療・施術、繰り返しの捻挫には予防のサポーターやテーピングが必要です。
足首捻挫についてはこちらをご覧ください。
→足首捻挫が治らないのは後遺症かも!?リハビリとセルフチェック方法
変形性足関節症チェック
足首に何かしらの症状を抱えている方は、もしかすると変形性足関節症かもしれません。
一度チェックしてみましょう。
- 歩き始めは足首が痛い
- 左右比べて捻挫をした方の足首の形が少し違う
- 夕方頃に足首周辺が腫れる
- 動きの制限がある、または動かすと痛い
- つま先立ちができない、または痛い
当てはまる項目が多いほど変形性足関節症の疑いがあります。
一度病院でレントゲンの診察を受けると良いでしょう。
もし、上記の症状がありながらも足関節に異常がなければ筋肉的な要因が考えられます。
変形性足関節症の足首テーピングの貼り方
変形性足関節症のテーピングの貼り方をご紹介します。
始めのうちは難しいですが、慣れると自分にあった強さもわかってきますのでサポーターよりも固定力が上がるでしょう。
使用するテーピングは50ミリ2本、3,8ミリが1本です。
1本目は足関節の左右の不安定さを固定するテーピングです。
内くるぶし側のテープは皮膚にのせるように貼り、外くるぶし側はかかとの外側を上にあげるように少し引っ張って貼ります。
次の貼り方はさらにかかとの外側を上げる貼り方になります。
内くるぶしより始まって足の裏を通り、外くるぶしの前を通って再び内くるぶしに戻ります。
1枚目と2枚目のテーピングによりかかとが外に倒れるのを防ぎます。
次はつま先立ちを楽にする貼り方です。
足首の前より始まり、内くるぶしの下から足の裏へ。
足の裏から外くるぶしを上げるように真上に貼ります。
この貼り方は歩く時やランニングの時につま先に体重がかかると自然とかかとが上がるテーピングの貼り方になるのです。
3枚目のテーピングは皮膚に触れずに貼れるので、少し引っ張ってきつめに貼っても構いません。
そして、きつく貼るほどかかとの上がりも助けてくれますので、ちょうど良い強さの貼り方を見つけてみてください。
変形性足関節症にオススメの筋トレ方法
変形性足関節症にオススメの筋トレをご紹介します。
症状によっては出来ない動作もありますので、無理せず行いましょう。
つま先立ちの筋トレ
簡単な動きですが、将来的に出来なくなりやすい動きです。
足首のみならず、膝にも良いトレーニングですので是非とも行ってみてください。
- かかとを浮かして立つ
- かかとが着かないように下げる
- 20回×3セット行う
この動作は年齢と共にしなくなる、または足首や膝に何かしらの症状を抱えると出来なくなる動きですので、出来るだけ衰えないように普段から動かしておくと良いでしょう。
日頃からつま先立ちをしていると筋肉の衰えによる動作の制限がなくなります。
衰えたから筋トレを始める、となるとかなり辛いものです。
普段からつま先立ちをする習慣を耳つけると良いでしょう。
スネの筋肉を鍛える筋トレ
変形性足関節症になるとかかとの外側が下がり、スネの外側の筋肉が使われなくなり衰えます。
その筋肉へのアプローチです。
- かかとをつけてつま先を上げる
- 足首を小指方向に斜めにあげる
- 20回×3セット
始めのうちはかなりキツイ動きですが、継続して行うと次第に動くようになり、しかも足が軽く動くでしょう。
物足りない方はゴムをつま先に巻いて行っても構いません。
変形性足関節症には辛い仕事
変形性足関節症になると
- つま先立ち動作
- 走る
- その場で立っている
などの動作が痛みでし辛くな流、または出来なくなりますので、階段の上り下りや走って移動する仕事、工場の製造ラインや靴の履けない職場は足への大きな負担となるでしょう。
変形性足関節症の方は足首への負担軽減を考えると、座って行える仕事が理想です。
変形性足関節症の治療法
変形性足関節症の治療法には
- 保存療法
- 薬物療法
- 理学療法
- 手術
を症状と状態をみて選択されます。
基本的には保存療法(手術しない治療)が行われ、変化のない場合には手術の流れになるでしょう。
症状悪化防止のための足関節の固定、今出ている症状を速やかに軽減するための薬や注射、湿布で対処をしながら、ふくらはぎの筋肉を緩めると足関節への負担軽減になり楽に歩けるようになります。
ふくらはぎを緩める方法をご紹介しますが、厳密にはふくらはぎというよりもスネのすぐ内側の筋肉へのアプローチになります。
- スネの内側(テーピングのライン)の痛いところ、硬いところを親指で押す
- 1の場所を押したまま足首を上下と動かす
- 5〜10回ほど行う
3を行っているうちに筋肉が緩み、押しているところの痛みが弱くなったり、指が入るようになります。
緩んだら場所を変えて行いましょう。
次はストレッチです。
アキレス腱伸ばしと足の裏伸ばしが効果的です。
アキレス腱伸ばしは両方のつま先が真っ直ぐ向くように気をつけましょう。
足裏のばしの方法は、つま先を立てて正座をするようにかかとの上に座ります。
座った状態で後側に体重をかけるとさらに足裏が伸ばされます。
保存療法でも著しい変化がないときには手術による治療となるでしょう。
術式には3種類あり、
- 関節形成術
- 足関節固定術
- 人工足関節置換術
それぞれの方法は患部の状態により選択されます。
要する時間は1時間から4時間かかるものもあり、患部の状態によっても時間は変動するでしょう。
変形性足関節症による手術の入院期間の目安
変形性足関節症による手術の入院期間は約2〜3週間が目安となっていて、術後2週間頃より安定した歩行が可能となっています。
ある程度リハビリを続けると日常生活には支障なく歩けるようになるでしょう。
ですが歩けるからといって、自己判断で通院をやめないようにしてください。
「今」ではなく、将来のための通院と考えて最後までしっかり治すべきです。
変形性足関節症に良い装具やサポーター
変形性足関節症に良い装具やサポーターをご紹介します。
装具、というよりも靴の中に入れるインソールや足首を固定するサポーターが良いでしょう。
オススメのインソールはシダス社のものになります。
シダス社公式HP→https://sidas.co.jp/
こちらはスタンダードタイプのインソールになります。
シダス社をオススメする理由は
- 種類が豊富
- 素材が用途によって使い分けされている
- たくさんのプロスポーツ選手が愛用
足首へのサポートはもちろん、ウォーキングシューズやビジネスシューズ、サンダルまでと様々な場面に応じてラインナップが豊富です。
素材や材質も軽量化かつ強度で、用途によって使い分けされていて、防臭・抗菌効果も供えられています。
プロスポーツ選手が愛用するという意味では、すでに商品の質の高さが証明されているといえるでしょう。
私も足首には慢性的に痛みを抱えていますが、シダスのインソールをいれると足が軽くなり、痛みもほとんどありません。
変形性足関節症に限らず、
- 扁平足やハイアーチ
- 回内足
- 運動すると足が痛む
などの症状がある方は是非とも試していただければと思います。
※かかとが内側に入った状態が回内足といいます。
左(上)が正常な足首、右(下)が回内足です。
変形性足関節症にならないために
変形性足関節症にならないためには
- 捻挫や骨折などのケガはしっかり治す
- 運動をしていて痛みがある時には、しっかり原因を突き止めて治療する
ことです。
「いつか治るだろう…」と思っている間に症状は進行していきますので、痛みのない将来を手に入れるための行動をしていただければと思います。