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公開日:2024年10月3日

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股関節を動かすと何か違和感を感じたり、音がする場合には、もしかするとそれは弾発股かもしれません。

動かすたびに感じるとなんとなく気になりますよね。

この記事では弾発股の原因や症状、その対処法を詳しく解説いたしますので、症状解消の参考にしてみてください。

院長:伊藤良太
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弾発股とは

「弾発股」、聞きなれない言葉だと思いますが「だんぱつこ」と読みます。

弾発股とは【股関節の周りの筋肉や腱(筋が骨に付着する部分)が、股関節の骨に引っかかり、ポキポキやゴリッといったクリック音が発生する症状】を指します。

さまざまな要因が重なり合って、骨と筋肉と腱がこすれ合い、炎症を起こしてしまうのです。

弾発股は「外側型」「内側型」に分かれ、それぞれ関わる筋肉・骨が異なります。

さっそく以下で、二つの違いを詳しくご説明していきます。

外側型

弾発股の中では最も多く見られる型で、太ももの付け根の外側に痛みが発生します。

大腿部の外側を通過する腸脛(ちょうけい)靭帯と大腿筋膜張筋大腿骨の大転子(だいてんし)と呼ばれる骨の一部分が、股関節の運動で擦られることによって起こる現象です
※白いところが腸脛靭帯、赤いところが大腿筋膜張筋

 

大転子のふくらみは体表からも触知できるので、手を当てて動かすと弾発を感じることができます。

つま先を内側にねじって膝をあげたり、しゃがんだりすると症状が強くなります。

内側型

比較的まれなケースです。

大腿骨や骨盤に腸腰筋が引っ掛かり、鼠径部(股関節の前面)に痛みを感じます。

平泳ぎのときのカエル足の動きで鳴ることが多いですが、体表から触知できないので、どこで鳴っているか判別しにくいことがあります。

「腸腰筋スナッピング」とも呼ばれています。

腸腰筋の役割と骨盤の関係についてはこちらをご覧ください。

反り腰の原因や改善する方法とは?ストレッチや運動を徹底解説!

弾発股を自分で治す方法

弾発股を自分で治す方法はあるのでしょうか?

特に痛みがない場合でも、股関節に違和感があったり、クリック音が鳴ると、気になってしまいますよね。

ほとんどの場合、消炎剤鎮痛剤などの服用と患部を安静することで治りますが、病院に行かず、自分で治す方法をいくつかご紹介します。

ストレッチ

外側型であれば太ももの表層部に位置する大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)、内側型であれば骨盤を通り抜けて太ももの内側についている「腸腰筋」、ここを入念にストレッチしましょう。

股関節周りのお尻やももの前、ハムストリングと言われる裏側も大切です。

伸びている感覚を超えて痛みを感じるのは伸ばしすぎですので、安全限界を守るように注意しましょう。

ストレッチについてはこちらをご覧ください。

間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?

筋トレ

筋力トレーニングは、腸腰筋や股関節外転筋や伸展筋や腹筋を中心に行います。

患部に負担になる股関節の動きは避けてください。

股関節への負担が少なく、脚の筋肉を鍛えるのに効果的なのは、水中ウォーキングや固定式自転車を漕ぐといった運動です。

これらの運動を、1日30分程度を目安に行うと良いでしょう。

ただ、痛みや違和感があるうちにトレーニングを行うと、悪化する恐れがありますので、くれぐれも無理をしないよう気を付けてください。

骨盤矯正

弾発股は、骨盤のゆがみから生じることも多いので、プロの手で骨盤を矯正してもらうことも有効です。

骨盤、臀部の筋肉を中心にアプローチして、バランスを整えてもらうと、骨盤の深層にある筋肉も緩むので、股関節の違和感が軽減されますし、体調の改善や姿勢が良くなる効果も望めます。

ただし、骨盤矯正で本当に骨盤がちょうど良い位置に戻ったかはわかりません。

症状が楽になるかどうかで、継続するかしないかを判断すると良いでしょう。

手術

炎症が強い場合はMRI検査をすることもありますが、続いて手術になるケースは非常に稀です。

リハビリや注射などで改善する症状がほとんどですが、保存療法が効かなかったときは手術になるケースもあります。

その場合は、関節鏡で行われることが多いですので、もし手術になったとしても身体への負担は少なくて済むでしょう。

ツボ

股関節炎に効果的なツボは、以下の通りです。

環跳(かんちょう):横向きに寝て足を深く曲げた時にできる足の付け根のしわの外側

陽陵泉(ようりょうせん):膝の下の外側にある骨の突起のすぐ下のくぼみ

足三里(あしさんり):ひざのお皿のすぐ下にある

丘墟(きゅうきょ)外くるぶし斜め下前方にあるくぼみの中

自宅で簡単に行えるので、ぜひ試してみてください。

的確な場所を見つけるのは簡単ではありませんので、押してみて硬いところや気持ちいいところを押してみましょう。

休息

本格的に突然出る疾患ではなく、使いすぎや負担のかけ過ぎが一番の原因です。

炎症が落ち着くまで安静にしておくと、症状の変化も早くなるでしょう。

安静期間が十分でないと、再び弾発股を再発することもあるので、休息をとることは大切です。

弾発股の原因

弾発股を引き起こす原因には、オーバーユース(使い過ぎ)による疲労や、運動不足による筋力や柔軟性の低下や、骨盤のゆがみなどがあります。

スポーツで痛めたり、仕事上身体を酷使している人はオーバーユースと考えて良いでしょう。

逆に、運動不足で筋力が弱っている場合になることもありますし、身体の左右のバランスが崩れて股関節が歪んでしまったケースもあります。

使い過ぎの場合にはメンテナンスを、運動不足の方は日頃から適度な運動をする習慣があるといいですね。

メンテナンスについてはこちらをご覧ください。

身体と車の機能(部品)とメンテナンスの共通点について考えてみる。

弾発股の症状

初期段階では、コツンやポキッという音だけで痛みがない場合もありますが、そのまま放っておくことで、股関節の変形や痛みに進んでしまうこともあるので、注意が必要です。

弾発が起こると、大転子部に痛みが発生するので、痛みが出ないように患部をかばって小股で歩くといった行動が見られ、膝や足首への影響も出てきます。

気になる症状がある時には何かしらの対処をした方が良いでしょう。

弾発股にならないためにできること

まずは柔軟性が大切です。

日頃から適度な筋トレやストレッチを行い、筋力を鍛えることで予防につながります。

また、正しい姿勢をキープすることで、骨盤のゆがみも解消できます。

日常生活で身体を酷使しがちな人は、意識して休息とメンテナンス受ける等にしましょう

弾発股は再発しやすい傾向にあり、股関節付近から音が鳴るのは弾発股以外の原因も考えられるため、症状が気になる人は、先生に相談して、治療や施術を受けることをお勧めします。

痛みを気にすることなく日常生活やスポーツを楽しむためにも、しっかりと対処していきましょう!

院長:伊藤良太
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