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公開日:2024年9月27日

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歩行や日常生活の中で股関節を動かしたときに、股関節に痛みや違和感を感じた場合は、股関節形成不全(臼蓋形成不全)の可能性が考えられるかもしれません。

ここでは股関節の障害のひとつである股関節形成不全(臼蓋形成不全)について、症状や状態、原因・治療法などについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)と強い関わりのある「先天性股関節脱臼」についてはこちらをご覧ください。

先天性股関節脱臼とは。特徴や原因、症状や治療法についてお伝えします。

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股関節形成不全(臼蓋形成不全)とは

股関節形成不全は、股関節を構成している寛骨臼(矢印の部分)の形成が不十分な状態である股関節の疾患のひとつとされ、アジア人では特に日本人に多く見られる傾向にあります。

ここでは股関節形成不全(臼蓋形成不全)の症状や状態、原因を詳しく見ていきましょう。

症状

股関節形成不全(臼蓋形成不全)には、30代~40代頃より股関節に軽い痛みや違和感が生じ始め、早い方では20代より違和感や「疲れてくると時々痛い」というケースもあります。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)が初期の場合は、

などの症状があり、その時だけ症状がある、というのも特徴です。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)の状態を抱えたまま加齢による筋力の低下が起こり、軟骨がどんどんすり減ってしまうと、股関節の痛みが常に出るようになります。

歩くのはもちろん、階段の上り下りや、末期の場合は安静時でも強い痛みを感じることケースも珍しくありません。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)がきっかけで変形性股関節症に移行していくと、左右の足の長さに差が出たり、歩き方のバランスが悪くなるなどの症状が出始めるため、自身でも普通とは違う状態だと気付きやすい疾患と言えるでしょう。

変形性股関節症についてはこちら。

変形性股関節症の予防方法と症状が出てしまった時の対処法とは!?

状態

股関節形成不全(臼蓋形成不全)は、骨盤側にある臼蓋という部分が形成(発育)不全であることを言い、

などの状態になっています。

そのため、本来左右の股関節で支えるべき負荷が股関節形成不全(臼蓋形成不全)の側では過剰に負荷がかかり、股関節の軟骨が徐々にすり減って痛みや違和感、不安定感などのさまざまな支障が出るようになるのです。

若いうちは筋力もあるため、20代では症状が出たり出なかったりしますが、加齢によって筋力が低下してくるため何かしらの症状は出てしまうのでしょう。

原因

股関節形成不全(臼蓋形成不全)の原因は今のところ不明とされています。

そして、股関節形成不全(臼蓋形成不全)は生活していくことでなるものでもありませんので、元々(生まれつき)股関節形成不全(臼蓋形成不全)の状態ではあったものと考えるのが妥当です。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)は予防できないため、状態が分かった時点でどのように付き合っていくかが大きなポイントでしょう。

ちなみに、成人男性では2%程度、女性が2~7%程度の確率で発症し、男性よりも女性に多く見られる傾向です。

治療法

乳幼児の股関節形成不全(臼蓋形成不全)は「自然改善」するとされています。

ここで一つ矛盾が生じます。

乳幼児で股関節形成不全(臼蓋形成不全)が分かっても、特に治療法はなく形成不全の部分も自然に改善するとされていますが、そうなると「成人の股関節形成不全(臼蓋形成不全)はいつの時点で成立するのか?」という矛盾が生じるのです。

今後の医学の発見に期待です。

話を戻します。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)の治療は、レントゲンによってどんな所見があるのかを確認後の治療となります。

治療法は、痛みが強い時と落ち着いてきた時でその方法が異なり、

などが選択されるでしょう。

また、股関節形成不全(臼蓋形成不全)によって変形性の股関節症へ移行している場合は、進行の予防と変形性股関節症に応じた治療、人工股関節置換術などの手術が検討されるケースもあります。

変形性股関節症についてはこちら。

変形性股関節症の予防方法と症状が出てしまった時の対処法とは!?

股関節形成不全(臼蓋形成不全)でやってはいけないこと

股関節形成不全(臼蓋形成不全)は、やってはいけないことがいくつかあります。

など、全てが股関節への負担軽減となる予防策です。

20代女性で股関節形成不全(臼蓋形成不全)を抱えているケースでは、ヒールの高い靴を長時間履いたことがきっかけで痛みを発症することもあります。

こちらも是非お読みください。

変形性股関節症でしてはいけないこと、運動療法や手術を詳しく解説!

股関節形成不全(臼蓋形成不全)は手術をすべき?

股関節形成不全(臼蓋形成不全)で下記の症状が常に感じるようになったら手術が必要、と私は感じています。

なぜなら【上記の症状にまで進行すると、リハビリで元の症状まで戻すのはかなり困難】だからです。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)は症状が進行するに従って股関節の痛みはもちろん、左右の足の長さに差が出るなどの症状が出るため、日常生活にも次第に大きく影響を及ぼしてくるでしょう。

また股関節形成不全(臼蓋形成不全)の手術は、90%以上が人工股関節置換術を回避できる傾向にある、というデータも手術を後押しする理由の一つでもあります。

股関節を痛めてしまうと膝への影響も与えてしまいますので、こちらも参考にご覧ください。

変形性膝関節症のしてはいけない運動とスクワットやウォーキングの効果

股関節形成不全(臼蓋形成不全)の大人の歩き方

大人が股関節形成不全(臼蓋形成不全)になると、痛みが強くなって股関節をはじめとする下半身が疲弊し、筋力の低下や痛みから逃れようとするために、足を引きずったような歩き方だったり、骨盤を回すように歩くようになっていきます。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)は進行すると不可逆性(二度と元の状態に戻らない)となるケースがほとんどですので、痛くても普通に動ける症状の時に、適切な治療・施術を受けてほしいと強く思います。

「まだ痛くてもこのくらいだから大丈夫」という感覚が、次第に症状を進行させてしまうのです。

同じように膝の関節症でも同じことが当てはまります。

変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト

股関節形成不全(臼蓋形成不全)は難病なのか?

難病とはそもそも、発病の機構が明らかではなく、さらに治療法が確立していない希少な疾病で、長期にわたる療養が必要になる病気のことを言います。

股関節形成不全(臼蓋形成不全)になってしまう原因は不明ですが、治療法は明確になっているために難病指定はされていないません。

ですが、その状態や症状、後遺症などからも、重大な疾患であることには変わりがないと言えるでしょう。

【まとめ】股関節形成不全(臼蓋形成不全)について

本記事では股関節形成不全(臼蓋形成不全)の状態や症状、原因や主な治療法についてお伝えしてきました。

股関節は重大な疾患が実は隠れている関節でもあります。

痛みが出たり出なかったりする時には、早期にみてもらい、状態と症状に合わせた治療・施術を受けて欲しいと強く思います。

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