肋骨骨折が気づかないことはあるの?気づかない主な理由とは?
カテゴリー:身体のいろいろな不調
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肋骨骨折は痛みや内出血、腫れ、熱感など、さまざまな症状が出やすい骨折ですが、気づけない(気づかない)ケースも少なくありません。
ここでは肋骨骨折に気づかない主な理由をお伝えしていきます。
肋骨の役割や機能についてはこちらをご覧ください。
→肋骨にはどんな役割があるの?本数や部位、よくある疑問にお答えします
Contents
肋骨骨折が気づかないことはあるのか?
早速ですが「肋骨骨折が気づかないことはあるのか?」という疑問ですが、結論から言うと『よくあること』です。
肋骨骨折だけでなく骨折は重篤なケガのひとつのため、気づけないことにイメージが湧かないのではないでしょうか。
肋骨骨折は身体をひねる、くしゃみや咳などの動作で痛みが強くなるため、運動習慣がない人やデスクワークをしている人、活動量が少ない高齢者などは気づけないケースもあるのです。
肋骨骨折は症状だけで判断できるケースの《完全骨折》と、超音波(エコー)やレントゲン、MRIなどの画像検査を受けないと確認できない《不全骨折》があります。
肋骨骨折は事故や怪我、スポーツ時の衝撃が主な原因ですが、日常生活での何気ない動作やくしゃみや咳がきっかけになると、まさか肋骨を骨折しているとは思わずに、患部の状態を確認せずに過ごすことは決して珍しくありません。
また、小さなヒビくらいだとレントゲンには写らないこともあり、医師が見逃してしまうケースもあるのです。
骨折については詳しくはこちら。
→骨折の種類について。性状や分類、原因や治療法などをお伝えします
肋骨骨折が気づかない理由
肋骨骨折が気づかない理由には
- 生活面
- 動作
- 押したときの感触
- 皮膚の状態
が挙げられます。
それぞれ見ていきましょう。
生活できる
肋骨骨折は、
- 症状が軽度であるヒビ
の状態では、何かしらの症状があっても生活に支障がないため先生に見てもらう必要はないと自己判断します。
加えて、レントゲンなどの画像検査でも写らないために「知らないうちに打撲をしたのでしょう」と言われて診察は終わるでしょう。
生活も普通に送れるために、MRIやCTを撮ることもないため痛みの原因は特定されずに、いつの間にか痛みが消えていくのです。
肋骨骨折と打撲を見分ける方法はこちら。
→肋骨の打撲と骨折の違いとは?痛み方やチェックリスト、疑問にお答えします
痛くても動ける
肋骨骨折の状態がヒビの場合には、多少の痛みがあっても日常生活での作業、スポーツで身体をひねるなどの動作が可能になるため、骨折に気づかないこともスポーツ選手ではよくあることです。
痛みの程度や感じ方もそれぞれですので、痛くても動けるようなら我慢して練習や試合に出ることも少なくありません。
《痛くて動けない》にならないと、深刻に考えずに生活や運動はしてしまうようです。
押さなければ痛くない
肋骨骨折が生じると、患部を押すと強い痛みを感じますが、押す場所によっては単純な疲労、筋肉のこわばりだと間違った判断をして様子見することも珍しくはありません。
また、《押さなければ痛くない》のであれば、生活や運動に支障がないといえるため、先生に見てもらうこともなく、普段通りに過ごすのでしょう。
「押してみると痛い」と言う場所は、実は身体の至る所にあるものです。
そのような経験からも、見過ごされる理由の一つなのかもしれません。
打撲も押すと痛い代表的なケガです。
参考までにご覧ください。
→打撲とは?原因と症状、一般的な治療法や早く治す方法をお伝えします。
腫れや内出血がない
肋骨骨折に限らず、骨折の典型的な症状には、痛みのほかに腫れや内出血が見られます。
骨折による腫れや内出血はどの部位でも生じやすく、骨折の症状のひとつだと認識している方も多いでしょう。
そのため事故や転倒、スポーツなどで肋骨に衝撃を受けても、腫れや内出血がない場合は目視で異状を判断できないため、「腫れてないし、内出血もないから大丈夫だろう」と、骨折骨折に気づきにくくなってしまうのです。
内出血に関する記事はコチラ。
→内出血の対処法と身体からの危険なメッセージの見分け方をご紹介!
決まった動作以外痛くない
肋骨骨折は、
- 身体をひねる
- 前かがみになる
- くしゃみや咳
などの決まった動作で強い痛みを感じます。
肋骨を骨折しても身体の動きすべてに痛みが出るわけではないため、ひねる・前かがみになる動作をしばらく控えて様子を見ようと判断してしまい、肋骨骨折に気づけないこともあるのです。
特に
- 寝起きの時だけ痛い
- 朝、着替える時にだけ痛い
などの限定的な痛みであるほど見過ごす可能性も大きくなるでしょう。
肋骨を骨折していても楽に動く方法についてはこちらをご覧下さい。
→肋骨骨折でも楽に過ごす方法をご紹介!寝方と起き上がり方のコツとは!?
肋骨骨折を放置しても大丈夫なの?
肋骨骨折は自身では気づきにくい骨折のひとつですが、完全骨折の場合には放置はお勧めできません。
肋骨骨折を放置してしまうと、どのようなリスクがあるのか見ていきましょう。
痛みが長引き、身体の動きが不自然になる
肋骨骨折を放置すると痛みも長引くため、痛みを身体がかばう動きを身につけるため、少し動きが不自然になってしまいます。
身体の使い方が正しくないと、かばっていた部分の筋肉に余計な負担がかかり、肋骨だけでなく背中や腰、肩にも痛みが出てくるでしょう。
内臓の損傷
肋骨骨折の完全骨折を放置してしまうと、
- 肺の組織がダメージを受けて出血や腫れが生じる「肺挫傷」
- 脾臓を覆う内部の組織が裂けて出血する「脾挫傷」
- 肝臓が傷ついて血液が溜まって肝臓の深部までが裂けてしまう「肝損傷」
などの内臓損傷のリスクがあります。
ただ、上記の症状が出たケースでは日常生活にも大きく支障をきたすため、見過ごすことはほとんどないでしょう。
肋骨骨折の放置について詳しくはこちらをご覧ください。
肋骨骨折のチェックリストや痛みのピーク
肋骨骨折は気づかないこともある骨折のため、ここではその状態を判断できるチェックリストと痛みのピークを参考にしていただければと思います。
チェックリストに関しては下記の記事で詳しく書いてありますので、参考にしてみてください。
→肋骨の打撲と骨折の違いとは?痛み方やチェックリスト、疑問にお答えします
チェックリストでひとつでも当てはまる部分がある場合は、肋骨骨折の可能性を考慮して、早期に先生に見てもらいましょう。
そして、肋骨骨折の痛みのピークには個人差がありますが、負傷直後から3日までがピークとなる傾向にあります。
詳しくは上記の記事をご覧ください。
肋骨骨折と帯状疱疹
帯状疱疹は皮膚の病気と言うイメージが一般的ですが、肋骨骨折と意外に深い関係があります。
帯状疱疹はウイルスが活性化して皮膚に炎症が起こり、神経が刺激されて痛みを伴う症状となり、この神経の痛みは肋骨のまわりでも生じやすい傾向にあります。
帯状疱疹によって肋骨の間にある肋間神経に刺激がかかるため、肋骨骨折と間違われてしまうことも少なくはないのです。
ただ、症状の出方が「皮膚の表面がピリピリして痛い」と言う特徴があるため、比較的骨折と帯状疱疹の区別はできるかもしれません。
そのような時には整形外科と皮膚科を同時に受診すれば、診断は容易ですので、迷わずに受診してください。
【まとめ】「肋骨骨折・気づかない」について
本記事では肋骨骨折に気づかない理由、セルフでのチェックリストや帯状疱疹との関係性について解説してきました。
肋骨骨折は強いせきやくしゃみをするだけなど、日常生活のちょっとした行動・きっかけが原因になることもあります。
痛みや息苦しさを感じた場合は自己判断や楽観視をせず、些細な症状でも適切な治療・施術を受けるようにしましょう。