半月板損傷のリハビリとは。原因や症状を詳しく解説します。
カテゴリー:膝の痛み
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半月板損傷とは、膝の中で衝撃を吸収する半月板が何らかの原因で損傷してしまったケガになります。
半月板は膝の中にある薄い軟骨組織で、内側と外側の両方にあり、膝の衝撃吸収を担っているのです。
(※写真は右膝です)
ここでは半月板損傷のリハビリ内容、原因や症状、
Contents
半月板損傷について
半月板損傷は性別や年代にかかわらずに起こりえる重大なケガです。
半月板損傷について、ここでは主な原因や症状、
原因
半月板損傷は、
- 膝を捻る
ことが最も起きる原因です。
半月板損傷はスポーツ以外にも、
- 階段を踏み外した
- 冬場に足を滑らせて転んだ
- 足場の悪いところで転んだ
など、日常生活の動きでも半月板損傷は起きてしまいます。
症状
半月板損傷の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 膝の外側、内側が痛む
- 腫れや熱感
- パキパキとした音のことをいう「クリック音」が見られる
- 膝が引っ掛かっているような、または膝の中に違和感を感じる
- 正座やあぐらをすることが難しくなる
- 膝に力が入らなくなる
- 膝をまっすぐに伸ばすことができない
などの症状を感じるでしょう。
時には腫れがないこともあったり、「特定の動きをしなければ特に何でもない」などのこともあり、見過ごされるケガでもあるのです。
「ずっと膝に違和感があった」「動くと痛かった」などの症状でMRIを撮ったら、『実は半月板を損傷していた』という例もこれまでありました。
程度によっては見た目でも、感じている症状でも特に支障がないケガという半月板損傷の一面も知っていただきたいと思います。
治療法
半月板損傷の治療法は事前にMRIにて検査を行い、
半月板損傷の保存療法は
- 膝が固まって動かなくなる症状のことをいう「ロッキング」がない
- 動いても腫れがない
場合に選択される治療法です。
半月板損傷の保存療法は、
- 湿布などの外用薬、ヒアルロン酸注射を用いた薬物療法
- 膝の温熱や電気治療による物理療法
- 装具やテーピングを用いた装具療法
などがあり、個人差や状態の違いはありますが、3ヶ月程度を目安に治療を行います。
半月板損傷における手術の適応は、膝が動かなくなるロッキング症状や、
- 損傷部位を切除する半月板切除術
- 損傷した部位を縫い合わせる半月板縫合術
などです。
私の考えでは、スポーツ選手に限っては
- 動くと痛い
- 動くと膝が腫れる
- しゃがめない、踏ん張れない
などの症状がある時には、手術を検討すべきと考えています。
なぜなら、半月板という組織は自然修復しないため、筋トレや保存療法を行なっても、スポーツの際に再び何かしらの症状が出てくるためです。
半月板損傷のリハビリとは
半月板損傷のリハビリにはいくつかの種類が
ここでは半月板損傷のリハビリ内容と、
可動域制限
半月板損傷の可動域訓練によるリハビリは術後3週間程度を目安に
特にスポーツ選手では、膝の可動域が以前のように取り戻せないとパフォーマンス低下を招きますし、運動をしない方も日常生活に支障をきたすため、以前のように膝を曲げる、伸ばすを取り戻す必要があるのです。
頑張って行うと患部の炎症も起こしてしまうため、焦らずに最後まで行ってください。
ウォーキング
ウォーキングのリハビリは保存療法・
- 筋力低下の予防
- 歩き方を忘れないため
- 各関節の動きの協調性の安定
となり、この中で最も大切なのが【歩き方を忘れないため】です。
固定をしていると関節の組織が固くなるのはもちろん、同時に筋肉を動かす神経系が衰えて、以前のような歩き方ができなくなります。
歩かない期間が長くなるほど、以前の歩行を取り戻すまでの期間もかかるため、できるだけ早く歩行訓練を始めた方が良いのです。
「痛みがあるから、まだ歩くのは早い」のではなく、「痛みがあっても歩いた方が良い」の判断がとても需要というのも知っておいてほしいことでもあります。
筋力トレーニング
筋力トレーニングによるリハビリは、
ただ行う筋力トレーニングというのも膝に体重をかけない、膝の下にタオルを入れたセッティングや膝をまっすぐに伸ばして足
セッテイングのトレーニング方法はこちらをご覧ください。
→膝蓋骨骨折のリハビリとは。主な原因や症状、治療法についても解説。
筋力を早く取り戻す方法で最も良いトレーニング方法は「加圧式トレーニング」です。
詳しくはこちらをご覧ください。
→加圧トレーニングの効果とは?実は良いことだらけなのをご存知ですか?
バランストレーニング
バランストレーニングによるリハビリは、
- 保存療法の場合:約1~4週間後
- 手術療法の場合:約4~8週間後
より始めることが多く、
先生やトレーナーの指示のもと行いましょう。
ジャンプ系トレーニング
ジャンプ系トレーニングのリハビリでは、保存療法・
保存療法・手術ともに
- 日常生活で膝をかばう動作がない
- しゃがんでも痛くない
- 可動域制限がない
などの症状がないことが最低条件です。
ジャンプ系トレーニングは、半月板損傷のリハビリにおいて最終的な負荷となります。
筋力を取り戻すまでには少し時間はかかりますが、地道に行っていきましょう。
半月板損傷のリハビリについての疑問集
半月板損傷のリハビリについての疑問集にもお答えしていきたいと思い
早く治す方法は?
半月板損傷を早く治す方法は、
- 半月板損傷の程度に合わせた必要な治療を早期に始める
- 正しいリハビリ内容の選択と継続していく
ことが重要です。
半月板は自然治癒しない組織ですので、状態に合わせた治療・リハビリの選択がとても大切なため、もし半月板損傷をしてしまった際には専門の先生にかかられた方が賢明でしょう。
半月板損傷は一生治らないの?
半月板損傷は痛みなどの症状は時間の経過とともに緩和する傾向ですが、
半月板損傷自体は一生治らないことはないものの、半月板の損傷程度や実際に膝に感じる症状を照らし合わせて、練習量やリハビリを継続していく必要があります。
スポーツをしない場合には無理な負荷さえかからなければ、日常生活では支障なく過ごせるケースがほとんどです。
半月板損傷をしても手術をせずに競技を継続している場合には、再び大きな衝撃や膝への捻りが加わった際には損傷が大きくなることも認識しつつ競技を続けましょう。
早く筋肉をつける方法は?
半月板損傷をしてても症状の軽減を目指すためには、筋力を高めていく
早く筋肉をつけるためには、
- 成長ホルモンの分泌が増える加圧トレーニングを行う
- タンパク質の多い食べ物を積極的に補う
- プロテインを飲む
といった方法が有効です。
特に加圧トレーニングは筋力の回復・増強はもちろん、組織の修復にも大変効果的なので、是非とも行っていただきたいトレーニングでもあります。
加圧トレーニングについて詳しくはこちらをご覧ください。
→加圧トレーニングの効果とは?実は良いことだらけなのをご存知ですか?
リハビリで自転車はいいの?
半月板損傷のリハビリでは、
自転車によるリハビリは自重のみの負荷を膝周辺の筋肉へかけられ筋力アップはもちろん、膝関節への動的刺激にも大変効果的です。
ただ、転倒時のことを考えると、通学・通勤での自転車の使用は控えましょう。
手術しないで治療はできる?
半月板損傷において、手術なしで半月板を元に戻す方法はありません。
なかには半月板を損傷していても、何も症状のない方もいらっしゃいます。
ただ、何も症状がないという方は、スポーツをしない方に限ります。
スポーツをする方は半月板を損傷した際には、根本的な解決策として手術をした方が良いでしょう。
水がたまるのはなぜ?
半月板損傷にて水がたまるのは、膝の柔軟性を保つ役割のある滑膜が刺激を受け、正常に機能しなくなって分泌が過度になり、
水は溜まるということは膝が正常に機能していないことを意味しますので、保存療法による対処の限界と言えるでしょう。
先生と次の治療法(手術)について相談してください。
【まとめ】半月板損傷のリハビリについて
本記事では半月板損傷のリハビリ、原因や症状についてお伝えしてきました。
半月板損傷は変形性膝関節症併発の原因になることがあります。
そのため半月板損傷をなった際には早めの治療やリハビリを受けましょう。