肘の内側・外側の痛みの原因と治療法とは?お勧めのサポーターをご紹介
カテゴリー:肩・肘・手首の痛み
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大人の肘の痛みで最も代表的なものは「テニス肘」ですが、肘の痛みというと、もうひとつ有名なのが「ゴルフ肘」というスポーツ障害です。
最近では「スマホ肘」なんていう言い方も出てきました。
肘の痛みの原因と治療法、お勧めのサポーターをご紹介いたします。
肘以外のサポーターにつていはこちらをご覧ください。
Contents
肘が痛い原因とは
肘が痛い原因として考えられるのが
- 肘や指の使い過ぎ
- 年齢による組織の変性
です。
上記の原因によって筋肉につながっている腱が骨を引っ張ってしまい痛みに繋がります。
※写真は肘の内側です。
テニスやゴルフ愛好者は肘を酷使するので痛みを抱えやすく、このほかにもなりやすい方は
- 重いものを持つ仕事の方
- 料理人
- 大工さん
- 庭師
などの方も肘に痛みを抱えやすい傾向にあります。
肘の痛みは女性も多く抱える傾向にあるのですが、女性が行う仕事としては上記の職業や動作としてはなかなか含まれません。
では女性も肘に痛みを抱えやすいのは何故なのでしょうか?
女性の場合、思い当たる動きがなくても日常的に肘に負担をかけている動きが実はあるのです。
下記の動きが知らず知らずのうちに負担をかけている動きとなります。
- パソコンのキーボードを打つ
- ものを握る・掴むことが多い
- ものを掴む・握って手首を捻ることが多い
家事作業である料理やお掃除などの動作で肘を酷使する場面が意外に多いことがお分かりいただけたかと思います。
男性の場合は仕事の中で行う動作が痛みの原因となるのですが、女性の場合、仕事でも家庭でも肘が休まることなく使い続ける上に、年齢という要素も加わって肘に痛みを抱える方がとても多いのです。
加えて肘周辺の組織の変性や筋肉の硬さが関係して肘に痛みを感じてしまいます。
女性特有の症状である「へバーデン結節」について詳しくはこちらをご覧ください。
→へバーデン結節は防げない…でも、症状を最小限にする方法をご紹介!
テニス肘とゴルフ肘の症状
テニス肘とゴルフ肘は下記の症状が主に感じるでしょう。
テニス肘の症状
- 肘の外側を押すと痛い
- 肘を伸ばしてグーにすると痛い
- テニスをすると痛い
- ドアノブを捻ると痛い
- スーパーの荷物を持つと痛い
- フライパンを持つと痛い
- 雑巾を絞ると痛い
- コップを持つ、ペットボトルを開ける動作が痛い
- マウス操作やタイピングが痛い
ゴルフ肘の症状
- 薬指と小指でもの握ると痛い
- 肘の内側を押すと痛い
- 肘を伸ばすと痛い
両者の決定的な違いは【肘の外側か内側】で、【肘の外側が痛い場合はテニス肘、肘の内側が痛いならゴルフ肘】となります。
ゴルフ肘についてはこちらをご覧ください。
→ゴルフ肘のテーピングの貼り方4選!うまく巻くコツは「少しの張り」
肘の痛みに効果的なストレッチ
肘の外側が痛いときに行うストレッチをご紹介します。
伸ばしたいのは手の甲側の筋肉ですので、
- 手の甲を上に向けた状態で、手首を下に曲げる
肘の外側が痛いときには、手の甲側の筋肉が硬くなって骨を引っ張ってしまい、痛みを感じています。
次は上級編です。
先ほどの状態から指先を外側に向けてください。
すると手の甲側の筋肉がさらに伸びるでしょう。
そのまま気持ち良さと伸びている感覚を味わいましょう。
ストレッチについてはこちらをご覧ください。
→間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?
次は肘の内側が痛いときに行うストレッチです。
- 掌を上に向けた状態で手首を下に曲げる
- 伸びが足りなければ指先を内側に向ける
肘に痛みを強く感じる場合にはすぐにやめましょう。
ストレッチは強く行うと関節を痛めてしまいますので、くれぐれも注意してください。
ポイントは【気持ち良さを感じながら行うこと】です。
肘を伸ばすと肘の内側が痛い
肘を伸ばすと肘の内側が痛いのは何故なのでしょうか。
大人の肘の内側の痛みは「ゴルフ肘」の場合が多く、起こる原因は手首を曲げる筋肉が硬くなったり、肘を使う回数が多く筋肉が肘の内側を引っ張ってしまうために起こるスポーツ障害です。
肘を伸ばすと手首を曲げる筋肉が伸ばされるために肘の内側に痛みを感じるのです。
逆にテニス肘の場合は、肘を曲げると肘の外側の筋肉が引っ張ってしまい、肘の外側に痛みを感じます。
肘の内側・外側を押すと痛い
押すという痛みの感じ方は出来るだけ行わない方が良いでしょう。
何故なら痛いところを押しながら生活するわけではないからです。
そして、押しての痛み確認は、脳へ痛みを記憶させてしまうので、長く症状を抱えやすくなってしまいます。
私が患者さんに症状を聞くときは「どのようにすると痛いですか?生活の中でどんなときに痛みを感じますか?」とお聞きします。
【痛みとは探すものではなくて感じるもの】であり、押しての痛みよりも、何気なく動いているときに感じた痛みが本当にアプローチすべき痛みなのです。
「押して痛い」を繰り返すと脳は『痛みのある状態がいつもの身体だ』と勘違いしてしまうので、押しての痛み確認は必要ないのです。
くれぐれも押して痛みを探してはいけません。
肘の骨を押すと痛い
肘の骨を押すと痛いのは
- 炎症によるもの
- 骨の変形によるもの
の2点が考えれます。
筋肉が硬くなり、硬くなった状態で動きによる刺激が腱に加わりつづけると、腱が骨を引っ張ってしまい炎症を起こすのです。
炎症が起きると患部は熱を持つことがあり、さらに症状が強くなるとじっとしていてもジンジンする痛みが出てきます。
初期の段階で出る炎症で適切な対処をしていれば、骨の変形を防げるのですが、ほとんどの方は炎症症状が進行してから来院するケースがとても多いです。
痛みと時間とお金の選択肢の中で、できれば痛みを無くす選択肢を一番最初に選んでいただければ…
といつも現場で感じています。
肘をつくと患部が痛い
肘をつくと患部が痛いのは何故なのでしょう。
それは【人の身体とは局所だけの動きではなく、全体的に動いているため】だからです。
どのようなことなのか実際に行ってみましょう。
『手の親指だけ』を動かしてみてください。
本当に親指だけ動いているでしょうか?
実際には親指だけでなく、人差し指や中指、手首も一緒に動いてはいませんか?
局所の動きではなく、全体的な協調運動をしているのが人の身体なのです。
機械のように部分だけで動くのはとても困難なのです。
では、肘をつくと痛いのは何故なのでしょう。
それは肘をついたときにも肘を動かす筋肉だけでなく、手首を動かす筋肉も動いているので肘まで繋がっている筋肉が動くために痛みを感じるのです。
動かすつもりはなくても勝手にバランスを取るように動くのが人の反射であり、本能の動きなのです。
1本の指だけでさえも難しいのですから、身体の中心である腰を動かしたときには身体全体で動いているというのもお分かりいただけるかと思います。
肘の痛みへの治療
肘の痛みへの治療には
- 痛み止め【薬や湿布】
- 注射
- 理学療法(温熱療法・電気療法・ストレッチなど)
- 外科手術
- カテーテル治療
が病院では選択されています。
ほとんどの治療として選択される痛み止めや湿布、注射は【今出ている症状を感じないようにしているだけ】で、痛みの原因である使い過ぎによる筋肉へのアプローチがなされていないので、長く痛みを抱えてしまうケースが多いのです。
肘への負担を減らし、筋肉を緩めるとさらに痛みが早く改善されるのでその方法もご紹介いたします。
肘へ負担をかけている筋肉を緩める方法
肘へ負担をかけている筋肉を緩める方法は難しくありませんので、是非とも行ってみてください。
手の甲側の筋肉を指で押してみましょう。
目安になる箇所にテーピングを貼りました。
テーピング 沿いに押してみてください。
- 手の甲側から肘の外側が緩める筋肉です(テーピングを貼っているライン)
- 押してみて硬いところ、痛いところを見つける
- 2の箇所を押したまま手首を上下と動かす
押す強さは少し痛い程度が良いでしょう。
数回行ううちに押している箇所が緩んだり、手首の上下の度に感じていた肘の痛みも軽減していきます。
押している箇所が緩んだら、少しづつ押す箇所をずらして同じ動作を繰り返していきましょう。
筋肉を緩める方法はこちら。
→筋肉を柔らかくするセルフ施術をご紹介!筋肉にオススメのプロテイン3選
肘の痛みが治らない理由
肘の痛みはときに重症化して半年以上も治るまでに時間を要してしまうケースもあります。
何故肘の痛みが治らないのか?
それは【患部に異常な血管が増殖している】のです。
身体は治る過程において血管が増えて組織の修復を早めるのですが、ときに回復の過程で血管が異常に増殖しまい、血液の流れが多くなりすぎていつまでも肘に痛みをもたらすのです。
血管の増殖を抑えるには継続的な圧迫により、血流を抑制するのが一番の方法となります。
セルフでも行えるのですが、最も簡単な方法はサポーターによる圧迫です。
肘の痛みにお勧めのサポーター
肘にオススメのサポーターをご紹介します。
初期の痛みから血管の異常な増殖と思われる長期の痛みまで1つのサポーターで対応できます。
オススメのサポーターはこちら。
肘全体を覆うサポーターよりも、局所を抑えるサポーターの方がポイントで患部をサポートできるので上記のタイプが最適です。
抑える位置はテニス肘の場合は肘の外側、ゴルフ肘の場合には肘の内側になります。
症状によって抑える場所は変わりますので、一番楽な位置を見つけましょう。
良かれと思って強く圧迫しないように注意してくださいね。
肘の痛みに筋トレは有効?
テニス肘やゴルフ肘の痛みの場合、使い過ぎが主な原因ですので積極的な筋トレは必要ないでしょう。
スポーツ選手でなければ安静にしていても筋力が著しく落ちることはありません。
本格的に運動をしている選手の場合には痛みが完全に取れてから、徐々に負荷を上げて行うと良いでしょう。
運動をしない方は筋トレの必要性はなく、もし行ったとしても決して強い強度で行う必要もありません。
もし筋肉痛になったら… 詳しくはこちらをご覧ください。
スマホ肘とは
スマホ肘とは「指を使うのが原因で肘に痛みを抱えてしまう肘の痛み」のことをいい、テニス肘やゴルフ肘(野球肘)と同じ症状になります。
スマホを使うと人差し指での操作が多いので、ゴルフ肘よりもテニス肘の方がなりやすい傾向にあります。
スマホは依存症にもなってしまうので、時間を決めて目と指、そして肘を休める時間が設けられると理想的です。
肘の痛みを抱えないためにできること
肘に痛みを抱えてしまうのは日常的な肘と指の酷使によるもの。
仕事以外では休める時間を出来るだけ確保して、身体に休息を与えてあげると肘の痛み予防と軽減につながります。
女性の方は家族に協力を得て、家での作業量を減らせると肘への負担も減り、早期に痛みは軽減するでしょう。
痛みを感じたら出来るだけ早く適切な処置・施術を受けていただくことをオススメします。