夏場の時期の水分補給について。
カテゴリー:お勉強シリーズ
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梅雨が明けていないのに暑い毎日が続いています。
本日は暑い時期の水分補給についての内容となります。
のどの渇きを感じているときの身体の状態とは?
【喉の渇き=脱水症の始まり】です。
喉の渇きのみを感じている場合は、脱水症とまでは言いませんが、脱水症の始まりだと認識しておくと良いでしょう。
決して甘く見てはいけません。
脱水症には下記の種類があります。
- 低張性脱水:水分とナトリウム不足により、症状としては「だるさ、吐き気、けいれんなど」
- 高張性脱水:水分のみの不足による状態で、症状は「発熱、口の激しい渇き、意識の混濁など」
参考までに具体的にどのような症状が現れるのか記載しておきますね。
水分損失率 | 症状例 |
---|---|
1% | 大量の汗、喉の渇き |
2% | 強い乾き、めまい、吐き気、ぼんやりする、重苦しい、食欲減退、血液濃縮、尿量減少、血液濃度上昇 3%を超えると、汗が出なくなる |
4% | 全身脱力感、動きの鈍り、皮膚の紅潮化、いらいらする、疲労および嗜眠、感情鈍麻、吐き気、感情の不安定(精神不安定)、無関心 |
6% | 手足のふるえ、ふらつき、熱性抑鬱症、混迷、頭痛、熱性こんぱい、体温上昇、脈拍・呼吸の上昇 |
8% | 幻覚・呼吸困難、めまい、チアノーゼ、言語不明瞭、疲労困憊、精神錯乱 |
10~12% | 筋痙攣、ロンベルグ徴候(閉眼で平衡失調)、失神、舌の膨張、譫妄および興奮状態、不眠、循環不全、血液および血液減少、腎機能不全 |
15~17% | 皮膚がしなびてくる、飲み込み困難(嚥下不能)、目の前が暗くなる、目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚の感覚鈍化、舌がしびれる、眼瞼硬直 |
18% | 皮膚のひび割れ、尿生成の停止 |
20% | 生命の危機、死亡 |
※出典:日本体育協会、スポーツと栄養より
私の小学生の頃、脱水症を経験しており、めまいや視野の欠損がありました。
安静にして、水分を補給したところ時間の経過とともに回復したのを覚えています。
25年ほど前はまだ「水は飲むな!」の時代でしたので、自由に水分補給はできなかったのが原因です。
水分とパフォーマンスの関係
2018年3月に水分とパフォーマンスの関係を表す実験結果が明らかになりました。
内容は、「ある環境下で自転車を漕ぎ、2群に分け、「脱水していないグループ」と「脱水グループ」それぞれに水分摂取量に差をつけたところ、運動後のペダルを漕ぐスピードや出力、深部体温に違いがありました。
「脱水グループ」は脱水していないグループに比べ、ペダルを漕ぐスピードと出力が低下し、深部体温も高かったということです。
これが何を意味するのか?
そう、脱水になる前の段階、喉の渇きを感じている時点でパフォーマンスは低下してしまうということです。
「自分は脱水している」、と認識している前にはすでに喉の渇きを感じていますので、その前に水分を補給する必要があるということ。
これからの季節は運動中は時にこまめに水分を補給することが体調不良を防ぐことを意味し、パフォーマンスの低下を防ぐことになります。
タイミングとしては、競技にもよりますがプレーの合間に摂取できると理想でしょう。
指導者が一番、是非知っておく必要があります。
最近の夏は猛暑になる事が多く、事故を防ぐためにも、子どもたちの将来を守るためにも時代に適した指導を心がけるべきです。
「俺の時はこうだった!」は通用しません。
何を摂取すればいいの?
これは皆さん迷うところではないでしょうか。
スポーツドリンク?お茶?水?
今はいろいろと水分として摂取するものがありますので迷うところだと思います。
この中で運動中に一番適しているのは「水」です。
水分の吸収において、早さに影響するのは「浸透圧」の高低が早さを左右します。
サラサラの水とドロドロの水がコーヒーのペーパーフィルターを通過するところをイメージしてみてください。
さらさらの水は不純物がなく濃度も低いので砂時計が落ちるように下に滴りますが、ドロドロした水分はなかなか流れにくく、溜まっていく様が想像できるかと思います。
サラサラの水は不純物のない水、ドロドロの水はスポーツドリンクと想像してみましょう。
運動中は余計な成分が含まれていると体内に吸収されるスピードも遅くなりますし、吸収にあたり臓器に負担をかけることにもなります。
それに味がついていると口の中に味が残り嫌な感覚にもなります。
運動中の水分補給は水が一番適していてるということです。
競技終了後には速やかに排出した成分を補給する事で翌日への体調管理にも繋がります。
翌日の為に「今、何をするか」です。
最後に…
皆様いかがだったでしょうか?
体内の水分たった1パーセント失われるだけでパフォーマンスは落ちてしまいます。
夏場にパフォーマンスが落ちてしまうのは実は水分の取り方が原因だったかもしれません。
まだまだ指導者の考えが追いついていない場合もありますので、少しでも私のメッセージが届けば幸いです☆
本日もお読みいただきましてありがとうございました!