外反母趾の原因と予防法、テーピングとストレッチを詳しくご紹介!
カテゴリー:脚の痛み
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女性に多いとされる外反母趾ですが、なぜ女性に多く、指の変形を招いてしまうのでしょうか?
この記事では外反母趾の原因と症状、改善のためのテーピングやストレッチの方法をご紹介いたしますので、すでに何かしらの症状がある方は是非とも行ってみてください。
Contents
外反母趾とは?
外反母趾とは、足の親指が小指側に変形し、「くの字」になる状態をいいます。
多くの方が外反母趾になる可能性があり、65歳以上の女性の3人に1人は発症していると言われています。
外反母趾になると母趾の痺れや、爪の変形、歩行時の痛みを感じるようになりますので早めの治療が必要です。
外反母趾の治し方
外反母趾の治し方には下記の方法があります。
- マッサージ
- 運動療法
- 装具療法
- 手術
マッサージ(セルフ施術)は最も手軽に行える対処法で、軽症の場合はマッサージだけで改善します。
足の裏の筋肉をマッサージでケアすると筋肉が動きやすくなるのです。
方法は指で押して硬いところを押してあげてください。
運動療法は衰えた足の裏の筋肉を鍛えて、足のアーチを改善する治し方です。
床敷いたタオルを裸足で掴むようにして足の指を鍛えるタオルギャザーや、足の指を開いたり閉じたりするグーパー運動を行います。
《指でタオルを引き寄せるタオルギャザー》
《指をグーパー》
装具療法は外反母趾で痛みがある箇所に装具を着用して、痛みを和らげたり、 足裏にアーチを組むことができるインソール型の装具を装着します。
医療機関で装具を作らなくても、当院が扱っているシダス社のインソールでも外反母趾の症状改善にとても役立ちますのでいちど使ってみてはいかがでしょうか。
シダス社公式HP
こちらはシダス社のインソール「スタンダードタイプ」です。
普段履きの靴に入れておくと良いでしょう。
マッサージや運動療法、装具療法を行っても症状が改善されない場合や、痛みがなくならない場合は手術での対応となります。
手術についても記事後半で解説しますのでご覧ください。
外反母趾のテーピングの貼り方
外反母趾のテーピングの貼り方をご紹介いたします。
テーピングの目的は
- 横アーチ(横の土踏まず)の扁平足の改善・予防
- 親指の開き
となります。
では早速みていきましょう!
38ミリ幅のテープを半分に切って使用します。
まずは横アーチ(横の土踏まず)の改善・予防の貼り方から。
1:人差し指の付け根より指1本分下を指で押して指5本を弓形にする
2:1の形のまま親指付け根から、小指へ向かって貼る
3:親指より、小指に向かって貼る
通常は1の形になっているのが本来の指の形(左・上)なのですが、外反母趾の方は下記の写真(右・下)のように平らになっている方がほとんどです。
横のアーチが扁平足になると地面からの衝撃が吸収できずに外反母趾を形成していきます。
次は親指の開きに対するテーピングです。
1:親指横からかかとに向かって貼る
2:親指の内側より、足裏を通り側面へ向かって貼る
3:2とは逆に貼る
1は親指の開き防止を、2と3では親指の固定となり踏み込みの強化となっています。
踏み込みの強化とは余計な筋力を使わない、という意味ですので、外反母趾の進行にはなりませんのでご安心ください。
テーピングを貼った後は、写真のように親指が開いたのがお分かりいただけるでしょうか?
テーピングを貼る場面に適しているのは
- サポーターを装着できない靴を履くとき
- 運動の動きの密着感と固定感が欲しい時
のような場面が望ましいでしょう。
テーピングの欠点はランニングコストと接着面についているノリで皮膚がまけることです。
用途と場面に応じて使い分けてくださいね。
外反母趾の原因
外反母趾の原因には内的要因と外的要因の2種類があります。
内的要因は遺伝や性別、足関節周辺の形状などです。
遺伝的に発症しやすい人、しにくい人は存在していて、親族に外反母趾を発症した方がいる場合は発症確率が上がります。
また男性よりも女性の方が発症する方が多いという特徴があります。
次に外的要因は歩き方、靴の形状やサイズです。
何かしらの影響で足の指を使わずに、指が浮いた状態で歩く癖のある方は発症しやすく、指を使わないことで足裏の筋肉が弱くなり足のアーチがなくなる扁平足を引き起こします。
この扁平足とは通常、①足の裏の縦のラインを想像するかと思いますが、私が重要視しているのは、③つま先側にある横のアーチの低下による扁平足がとても強く関わっているのです。
なぜこのようなことになるのかというと
- 靴の形状がつま先が細い
- ヒールによる荷重のつま先部分への荷重の継続
により、横のアーチが潰されて母趾に負担が集中して変形してしまいます。
女性の方に外注母趾が多いのは靴が原因と言っても過言ではないでしょう。
ほとんどのケースでは、扁平足から併発して外反母趾を発症するケースが多いと現場で感じています。
外反母趾の症状
外反母趾の症状は母趾や母趾球周辺の痛みです。
ひどい症状の場合は歩行が困難になったり、靴を履けないほど痛い場合も。
また、直接的な痛みだけでなく、外反母趾が原因で下記のような合併症も引き起こします。
- 爪のトラブル
- 指先の痺れ
- 母趾以外の変形
外反母趾になると靴の中で不自然に圧力がかかることにより深爪などの爪のトラブルになる可能性があります。
他にも圧迫による血行不良で指先が痺れたり。他の指まで変形する症状の原因にもなるのです。
痛みはないけど既に外反母趾で変形している方は、これらの合併症にならないように、一度先生に見てもらった方が良いでしょう。
外反母趾と靴と歩き方の関係
これまでお伝えしました通り、外反母趾は靴と歩き方の外的要因により発症する傾向がとっても強いです。
足の指を使って歩かないと足の裏の筋肉が衰えて足のアーチが低下し、アーチが低下すると地面との設置面積が増えて足の横幅が広くなって母趾球部分が圧迫されて外反母趾になるのです。
外反母趾になりやすい歩き方は歩幅が狭いことや、地面を「擦る」ように歩いていることも要因の一つです。
歩幅が狭いと足の指で地面を蹴ることがなくなり、足裏の筋肉が衰えます。
地面を擦るように歩く場合も同じで、指を使わない歩き方になります。。
- 設置面積増大による母趾球の圧迫
- 足裏の筋肉の衰え
は、スニーカーやサンダルを履いている際になりやすいです。
スニーカー
スニーカーは一見歩きやすい靴というイメージがありますが、サイズが足に合わずに大きいとかかと重心で足の指を上手く使えなくなり外反母趾を助長してしまいます。
また、靴底が硬く爪先立ちができないスニーカーも足を擦るように歩いてしまう原因になるので、デザイン重視での靴選びは控えましょう。
サンダル
サンダルは足を「擦る」ように歩いてしまう原因になるので、サンダルが好きでよく履いている方は外反母趾になる可能性があります。
サンダルでもビーチサンダルではなく、シューズタイプで足の指を使って歩くことができれば問題ありません。
外反母趾のほか、サンダルやつっかけなどのつま先を使わない歩き方になると、膝にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
「楽だから」という理由で履いてしまいがちのサンダルですが、出来るだけ靴を履いた方が足のためには望ましいでしょう。
外反母趾にオススメのサポーター
外反母趾にお勧めのサポーターについてはこちらをご覧ください。
ですが、サポーター はあくまでも軽度、もしくは中度の外反母趾の症状に限り効果的です。
もし、中度以上の症状、例えば
- 何もしなくても痛む
- 歩く、体重をかけるといつも痛む
- 腫れている、熱がある
などがある場合にはサポーターよりも適切な処置をしてくれる先生にみてもらった方が早期に症状は改善するでしょう。
外反母趾を手術で治すケース
解説したフットケアや運動療法、装具療法を行っても症状が改善されない、痛みがなくならない場合は手術による対応となるでしょう。
手術では足の骨と筋肉の機能を直して、変形した角度を矯正していきます。
手術は1〜2時間ほどで終わり、入院期間はおよそ4〜5日ほど、手術後は足関節を固定して2週間ほど様子を見ます。
日帰りでの手術は一般的には推奨されていません。
外反母趾の症状がひどい場合には、専門の医師の診察を受けてしっかりと治すことを強くオススメします。
外反母趾に効果的なマッサージ
外反母趾に効果的なマッサージも覚えておくと毎日のケアに役立ちますので、是非とも行ってみてください。
1:爪のある甲側の筋の間を押す
2:押したまま指をグーパーと動かす
これだけですが、押しているところの痛みは結構強いかもしれません。
押したままの力は変えずに5回ほどグーパーを行います。
親指と人差し指の間が終わったら次は人差し指と中指の間も行ってください。
だいたいこの二箇所を行うと踏み込んだ時の症状は軽減されているでしょう。
外反母趾に効果的なストレッチ
外反母趾に効果的なストレッチは足の裏にある筋肉のストレッチが望ましいですが、ストレッチの際の指の形が痛みを強くする場合もありますので、無理はしないでください。
- つま先を立てて立ち膝になる
- つま先は立てたままかかとにお尻をつける
- 気持ち良さを感じながら行う
3の動作で痛みを強く感じる時には、無理せず行いましょう。
夜寝る前やお風呂の中で行うとより筋肉は緩みやすいので、忘れずに行ってみてくださいね。
おまけにもう一つ効果的な対処法をお伝えします。
それは竹踏みです。
普通の竹踏みはは竹を横に置いて踏みますが、横のアーチへのアプローチですので竹を縦に置いて踏むのがポイントです。
最初の頃は痛みが強く感じるかもしれませんので、無理せずに毎日地道に行うと次第に横のアーチも形成されていくでしょう。
外反母趾を予防・改善するには
最後に外反母趾を予防し、改善していく方法を紹介します。
外反母趾は遺伝や性別といった内的要因が原因として考えられるのですが、それ以上に普段の日常生活が大きく関与しています。
日常生活の中にひそむ原因へアプローチできれば外反母趾は防げる、とも言えます。
下記を参考に普段から外反母趾の予防・改善に努めていきましょう。
- 足に合う靴を履く
- 足の指を動かすエクササイズを行う
- 自宅にいる時には竹踏みやマッサージ
- 外出時はテーピングや装具、インソールを使用
ヒールなどつま先が狭い作りの靴を履くことで外反母趾になりやすくなってしまうので、つま先が窮屈にならない靴を履くようにしましょう。
靴を履いた時に《脚が軽く感じる》靴は足にあっている靴と判断して良いでしょう。
また、指を使わずに歩くことも原因の一つですので、5本指ソックスを履いて普段より地面を足の指で掴むように歩くと良いです。
仕事上どうしてもヒール以外を履けないという方は、自宅では裸足でいる時間を増やしたり、靴やソックスによる圧迫感から解放させてあげてください。
普段からの負担が外反母趾を将来形成していきます。
「なんとなく前とは足の指の形が違うような…?」
「決まった靴を履くと足の指が痛い」と感じ始めたらすぐに対策を始めた方が良いでしょう。
一日で外反母趾は形成されません。
「いつか治るだろう…」と思わずに適切な対処をしてくださいね。