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公開日:2024年10月3日

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スポーツによって起こりやすい剥離(はくり)骨折は、治癒するまでに長い期間かかるとイメージする人も多いのではないでしょうか?

実は剥離骨折は早く治すための方法がいくつもあり、痛みや腫れに気付いた時点で適切な治療が全治を早める大きなポイントになります。

今回は、剥離骨折の症状や原因、早めに治すための5つのポイントをわかりやすく解説していきますので、スポーツを習慣にしている人もぜひ参考にしてくださいね。

院長:伊藤良太
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剥離骨折とは

剥離骨折とは、

主にスポーツ活動によって、筋肉の急激な収縮により、筋・靱帯・腱と骨との付着部で骨の一部が引き剥がされて生じる骨折を「裂離骨折(剥離骨折)」といいます。
剥離骨折:ドクターズファイル

    正式名称、裂離骨折とも呼ばれる多い剥離骨折は、スポーツや転倒、交通事故などのトラブルによって生じやすく、

    • 皮膚や筋肉の痛み、腫れ
    • 皮下出血
    • 骨折の部位によって歩行困難や感覚障害

    などが起こります。

    剥離骨折を早く治す方法

    剥離骨折を早く治す方法には、症状を理解し、適切な処置と治療を受けることが重要なポイントです。

    ここでは剥離骨折を早く治す5つの方法について解説します。

    固定

    剥離骨折は、骨折した部分同士が元の通り(ケガをする前の状態と同じ)にくっ付いていないと、癒合しにくいという特徴があります。

    そのため、強い痛みがなかったとしても状態や場所によりますが足首やかかとの場合には、2~3週間程度は外固定が必要になり、患部の状態が緩まないようきちんと固定する必要があるのです。

    適度の安静と適切な刺激

    剥離骨折が生じている部位は、そのまわりが炎症を伴っているため、ケガをしてからの数日から数週間は安静が重要になります。

    炎症期が終わり、少しずつ動けるようになってきたら、適度な運動で刺激を与え、患部の血行促進を高めてさらに回復を進めていきましょう。

    動き始める時期の見極めが難しいため、いつまでも動かないでいると患部周辺の組織が固くなったり、骨の修復を遅らせることになります。

    病院の場合は「痛いなら動かさないでください」と言われるかもしれません…

    超音波

    剥離骨折をはじめ、骨折全般に実施されることが多い超音波は、松井秀喜選手、デビット・ベッカム選手も治療のために受けたことで注目されるようになりました。

    超音波による剥離骨折の治療は、

    • 微弱な超音波を1日1回20分間骨折部に当てる
    • 骨折治癒が促進される
    • 複数の臨床試験で効果が証明されている

    という特徴、エビデンスがあります。

    当院にも【伊藤超短波:オステオトロン(下記写真)】を備えていて、「照射時間20分」よりも、さらに長い時間をかけると変化(患部の修復)が早くなると当院では感じています。オステオトロンV

    剥離骨折だけでなく、捻挫や肉離れ、打撲、オスグッドやシンスプリント(脛骨疲労性骨膜炎)などにも大変効果的です。

    酸素ルーム

    剥離骨折の治療には超音波だけでなく酸素ルームも効果的です。

    酸素の逃げない空間の中を、酸素濃縮期機で酸素濃度を高め、50分間中にいるだけで効果が得られます。

    気圧を高めることで血流の流れが促進されて細胞にたくさんの酵素を供給し、身体の新陳代謝を高める効果があるため、骨折や捻挫、打撲、肉離れなどのケガに用いられています。

    きちんとしたエビデンスもあり、効果があるのは証明されています。

    酵素ルームでは、サッカーや野球のプロ有名アスリートが酵素ルームでの治療で短期間での奇跡的な復活を遂げていることから、現在ではますますニーズが高まっています。

    当院の酸素ルームはこちら。

    規則正しい生活と食事

    栄養バランスの取れた食事を心がけたり、適度な運動・休息のリズムが整っていると、誰もが持つ自然治癒力が高まり、乖離骨折の早めの回復につながります。

    その中でも糖質(炭水化物)の摂取は制限しましょう。

    詳しくはこちらをご覧ください。

    手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます

    剥離骨折による後遺症

    剥離骨折による後遺症には以下のものがあります。

    • 骨折した部位が動かしづらく感じる機能障害
    • 骨折部位が変形してくっつく変形障害
    • 痛みやしびれが起こる神経障害

    剥離骨折の後遺症はスポーツ時はもちろん、日常生活にも支障をきたしてしまうことがあるため、早期に適切な処置と治療が必要です。

    • 腫れている
    • 熱がある
    • 痛みある

    そのような時には迷わずに先生に見てもらいましょう。

    剥離骨折の原因

    剥離骨折の原因には、骨とくっついている靭帯や筋肉・腱が急激に収縮して、骨を引っ張ってしまうことで起こります。

    突然方向転換をしたり、強く・大きな衝撃に踏ん張った時の動きが、骨に付着する腱や靱帯、腱の収縮を強め、骨が耐え切れずに剥離骨折が生じてしまうのです。

    剥離骨折はスポーツ以外にも、高い場所からの転落や交通事故が原因となるケースもあります。

    剥離骨折で起こるリスク

    剥離骨折で起こるリスクには何があるのでしょうか?

    捻挫や強い筋肉痛に似た痛み・症状とも言われています。

    剥離骨折には次のようなリスクがあることを早めに理解しておくようにしましょう。

    松葉杖なしでも歩ける

    剥離骨折は骨折のズレがない症状の場合は、松葉杖なしでも歩けることがあります。

    もちろん程度にもよりますが骨盤の剥離骨折の場合には、歩行はできるけど、膝が上がらないなどの症状を感じ、生活するにはそこまで苦痛を伴わないこともあります。

    下の写真は骨盤の剥離骨折です。(左:剥離骨折、右:健側)

    来院時は普通に歩けてはいますが、膝を上げると痛い、もちろん走っても痛みがありました。

    くっつかない

    剥離骨折は、剥がれた骨片と元々の位置関係が離れてしまうと、くっつかないケースもあります。

    その場合はCTやMRIなどのより細かく観て、固定をし直す必要があるでしょう。

    気づかない

    剥離骨折はさまざまな原因で骨がかけ、本来骨があるべき部分から剥がれた状態のことを言い、通常の骨折とは痛みの感じ方が違います。

    骨盤の場合には先ほど書いたような症状や状態ですが、私が経験した足首の剥離骨折は痛めてからすぐに足首周辺は大きく腫れ上がり、足を着くことはできませんでした。

    感覚としてはゾウさんの足のように足首全体が痛みと腫れで覆われているようでした。

    大きな動きや衝撃後から何かしらの症状を感じた時には、すぐに患部の状態を見た方が早期に痛みもなくなるでしょう。

    治りにくい

    骨は新陳代謝を繰り返してダメージを修復し、新しい骨や細胞を作り出していくため、高齢者や生活習慣の乱れが顕著な人は剥離骨折の完治までに時間がかかると言われています。

    まずは骨の成分になる栄養と摂取すること、そしてきちんとした固定と刺激により早期に症状緩和を目指しましょう。

    剥離骨折の全治期間の目安 

    剥離骨折の全治期間の目安を部位ごとにご紹介します。

    決して他人事ではない剥離骨折ですが、全治までにはどのくらいの期間が必要になるのでしょう。

    肘の剥離骨折の場合は、2~3週間程度で痛みが引き、その後2週間前後で全治しやすいと言われています。

    患部が治ってもすぐに肘を酷使すると再び痛みが再発してしまう危険性もあるため、急がずにきちんと症状と向き合いましょう。

    骨盤

    骨盤の剥離骨折は、軽度のものでは施術当日に痛みなく動けるケースもありますが、決して患部が元になっているわけではありません。

    先ほどの骨盤の剥離骨折の患者さんも痛みは翌日には無くなりました。

    ですが、患部が元に戻るまでは10日近くを要しました。

    骨盤の剥離骨折は重度になると疼痛や歩行時の痛みが消えてくる2~3週間程度で軽い歩行を開始し、症状によって生活や運動の強度を上げていきます。

    患部の状態がよくないと、2~3ヶ月程度の期間を要することもあるでしょう。

    膝のスポーツ障害で代表的なオスグッド・シュラッター病は、痛みを抱えながら膝を酷使すると、膝の前についている靭帯がお皿の下についている箇所を引っ張ってしまい、最終的には剥離骨折を起こします。

    安静と1ヶ月程度の保存的治療が必要になり、完治までには3ヶ月程度かかることもあるようです。

    場合によっては手術も検討されるでしょう。

    足首

    足首の剥離骨折は4~5週程度の固定期間が必要となるため、完治までには3ヶ月~それ以上かかることもあります。

    高校生当時の私の場合には固定4週間、リハビリ一ヶ月半でダッシュもサッカーもできるようになりました。

    剥離骨折で最も大切なのは【適切な固定と固定期間】です。

    先生には症状を来院の度に伝えるようにしましょう。

    かかと

    かかとの剥離骨折は固定後に歩行訓練などを受けることがあり、その後の10~12週目を目安に完治しやすいと言われています。

    アキレス腱断裂に比べると早期に治りますが、下半身となると生活はかなり不自由となります。

    不自由な動きにはなりますが、固定がずれないように気をつけましょう。

    剥離骨折を早く治すために【まとめ】

    剥離骨折は打撲や捻挫時の痛みに似ているため、放置して悪化するケースもめずらしくはありません。

    スポーツ時やケガをした際に、内出血や圧痛を感じたら剥離骨折の可能性が高いと判断できるため、早めに見てもらうようにしましょう。

    こちらのコラムをきっかけに剥離骨折のリスクや早めに治す方法を理解しながら、スポーツを思いっきり楽しめる日常を取り戻してくださいね。

    院長:伊藤良太
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