内出血の対処法と身体からの危険なメッセージの見分け方をご紹介!
カテゴリー:お勉強シリーズ
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身体をどこかにぶつけたりすると出てくる内出血。
原因のある内出血は特に心配ありませんが、時には原因不明の内出血が出てくることも。
内出血の対処方法や病院を受診すべき内出血の見分け方をご紹介いたします。
Contents
内出血とは?
内出血とは【体内の血管が何かしらの損傷により皮膚の下に出血する現象のこと】をいいます。
内出血は【アザ】に分類され
- 赤アザ:転んだりぶつけたりしたもののほか、血管が異常に増えた血管腫、生まれつきの奇形である血管奇形がある
- 青アザ:皮膚の深い部分の内出血で蒙古斑(もうこはん)や太田母斑(おおたぼはん)などがある
- 茶アザ:メラニン色素が増加した状態で扁平母斑(へんぺいぼはん)やベッカー母斑がある
- 黒アザ:基本的にはホクロですが、稀に全身疾患の母斑症や血の出るものは皮膚がんの疑いも
内出血とアザが同じ分類というのは意外に知らなかったことではないでしょうか。
内出血を起こしやすい人の特徴には
- 高齢者
- 血管が弱い人
- 血管が深い人(採血時の出血)
- 血液をサラサラにする薬を服用中の方
普段生活をしている分には内出血は起こりにくいのですが、上記の要因が加わると内出血を起こしやすくなってしまいます。
次は内出血を起こしてしまう原因ついて見ていきましょう。
内出血を起こす原因
内出血を起こす原因には
- 骨折や打撲、捻挫などのケガによる組織の損傷
- 針などによる血管の損傷
- 採血中に動いた、または止血の際に圧迫不足
- 血友病などの病気
上記の原因が内出血の原因になります。
血友病以外の原因ではとても身近に起こる現象が内出血です。
血が止まらない病気では「血友病」がとても有名ですので、血友病について少し知識を深めていきましょう。
血が止まりにくい血友病とは
血友病とは【血を止める成分のタンパク質が生まれつき不足している病気のこと】です。
血友病は身体のあらゆる箇所で出血してしまい、時には気づくのが遅くなるケースも珍しくありません。
血友病の内出血の種類と症状
関節内出血:関節であればどこでも起き、頻繁に起こるのが肘や膝、足首
血液が関節内でいっぱいになると関節内が圧迫されて痛みを感じ、適切な治療を行わないと元に戻らないほどの損傷を受ける場合もあります。
前兆としてムズムズ感や違和感を感じます。
症状として感じるのは
- 関節を動かすと痛い
- 片方の関節に比べて腫れている、熱がある
- 子供の場合では機嫌が良くない、ぐずる
対処法はRICE処置が適切です。
RICE処置についてはこちらをご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
筋肉内出血:ぶつけたり転んだりすると筋肉内に内出血を生じる
出血量が多いと神経や血管を圧迫して重篤な障害が起こるケースもあります。
出てくる症状は
- 動きに支障がある
- 片方と比べて腫れや熱がある
- 子供ではハッキリとした理由がなく不機嫌
太ももやふくらはぎ、力こぶ、肘から手首にかけて、腰周りに多く起き、対応方法はアイシングになります。
時には出血が治らない場合もあり、症状も強く出てしまうケースも。
皮下出血:皮膚の下で起こる出血
皮下出血は「皮下血腫(ひかけっしゅ)」といい、一般的には皮下出血だけでは影響を与えないので治療の必要はありません。
赤ちゃんの場合、中心部が膨らんだり、タンコブになったりする皮下出血は病気の疑いがあります。
皮下出血がひどくなってきたり、不快感を示すようなら病院へ受診しましょう。
症状は
- ぶつけたり、転んだところに内出血(アザ)がある
対応はアイシングで、内出血を早急に止めることが目的になります。
他に出血しやすい部分では
- 頭蓋内
- 鼻血
- 口の中や歯口
- 咳などによる喉の出血
- 腎臓
- 消化器
身体のあらゆる箇所で内出血が起きてしまい、なかなか出血が止まらないのが血友病の怖さなのです。
内出血になった時の処置と治し方(消し方)
内出血になった時の処置と治し方(消し方)をご紹介いたします。
なお、この項の内出血の対処方法は骨折や打撲、捻挫、肉離れなどケガのみの対処法となります。
RICE処置
ケガによる内出血のものでしたら、最初に行うべきはRICE(ライス)処置です。
RICE処置についてはこちらよりご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
もし、氷や保冷剤がなかった場合には、コールドスプレーという選択肢もありますが、効果は望めませんし、効果を感じるくらい使用すると皮膚が凍傷になるのでオススメはしません。
水を入れる容器があって患部が入れられれば、水のアイシングで少しでも患部を冷やしましょう。
血流の促進
内出血と炎症が落ち着いたら次に行うべきは血流の促進です。
この血流の促進を始める時期が早ければ早いほど内出血が消えるのも早くなります。
ですが、血流の促進の記事を見誤ると再び内出血と炎症が起きて、痛みと腫れも再発しますので注意が必要です。
ですがご安心を。
温めても良いかどうかの見極める方法があります。
それは《お風呂で湯船に入った後、痛みや腫れ感、熱がなければ温めても良い、という身体からのサイン》です。
この方法は簡単で、しかも間違いがありません。
もし、捻挫や打撲をした時には試してみてくださいね。
患部の適度な運動
温めると同時に行うべきは《適度に動いて患部の循環を上げる》です。
お風呂で温めるのは1日のうちでとても少ない時間になりますので、少しの時間の中でも患部を動かすと周辺の循環が促進され、老廃物は流れ、新鮮な栄養と酸素が患部には運ばれます。
組織の修復をいかに早くするかが回復への近道です。
いつまでも固定をしていると回復はどんどん長引きます。
病院では毎日の症状と患部の確認が出来ないために週単位での判断になりますが、毎日の判断ができればより早く回復が望めるるのです。
このような判断ができるのが接・整骨院の強みといえるでしょう。
「患部のマッサージすればもっと循環が良くなるのでは?」という質問を以前受けたことがありますが、あながち間違いではありません。
ですが、加減を誤れば再び症状がぶり返してしまうので、患者さんに患部のマッサージを願いするのは難しいでしょう。
マッサージはプロに任せていただければと思います。
内出血を早くなくす食事
内出血を早くなくすには
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
栄養素が必要となります。
組織の修復過程において必ず必要な栄養素となっていて、組織の修復には材料がなければ出来ません。
タンパク質は卵やお肉や魚から、ビタミンはレバーや魚介類、貝類、チーズなど。
ミネラルは海藻類や果物、緑黄色野菜、ナッツ類から摂取するを良いでしょう。
お菓子や清涼飲料水の過剰摂取は出来るだけやめるべきです。
治らない内出血
2週間を過ぎても治らない内出血の原因には何があるのでしょうか。
最も考えられるのが何かしらの病気です。
先ほどご紹介した血友病は内出血がなかなか止まらない病気です。
通常内出血は大きな骨折でも1週間ほどで出血は止まるものなので、長く内出血が続くようなら迷わずに病院へ受診しましょう。
打撲や捻挫で内出血が広がる理由
打撲や捻挫、骨折や肉離れをすると必ずといってよいほど内出血が現れます。
内出血箇所が皮膚より浅ければすぐに現れてきますが、深いところの内出血ではすぐに現れないケースもよくあります。
深いところの内出血では目に見えるまでに3.4日、長いと1週間ほど経過してから現れるのも珍しくありません。
このような現象は太ももやふくらはぎの肉離れでよく見られる現象で、痛みを感じているところよりも下に内出血が現れてきます。
患部周辺ではなく、患部よりもしたに内出血が現れてくるのは【重力により下に下がっていく】からです。
寝て過ごす時間が長ければ患部周辺に内出血は現れてくるのですが、普段の生活では立り座り、歩いたりしているので、重力に逆らうことなく時間経過とともに下がっていくのです。
同時に内出血は負傷直後では患部周辺にありますが、時間の経過と患部に入る刺激により四方に広がって行きます。
そして、最終的には外側より吸収されていき、最後は患部の内出血が消えていく流れになります。
内出血に湿布は効果があるのか?
「内出血に湿布は効果があるのか?」というと、大きな効果はないでしょう。
消炎鎮痛効果のある湿布は痛みや炎症を軽減するには適切ですが、内出血を軽減するにはアイシングに比べると明らかに効果は低いです。
内出血が起こるのは血管の損傷によるものでした。
湿布から薬剤が患部まで届くにはどのくらいの時間が必要でしょう。
そして、直接冷やすのと、薬剤が染み渡るまでにはどちらが早いでしょうか?
答えは「直接冷やすアイシング」です。
もしかすると表層の打撲なら薬剤が染みるのも早いでしょう。
ですがアイシングも同じ事で、速やかに氷で直接冷やすせるのです。
冷やすものがない、という場面では湿布での代用のみで仕方ありませんが、出来るだけケガによる内出血の場合には直接冷やすアイシングには効果は敵いません。
スポーツの現場では必ず氷を持ってことを推奨します。
紫斑と内出血の違い
紫斑とは【出血によって紫色に変調した皮膚や粘膜病変のこと】をいいます。
出血しているという現象は紫斑も内出血も同じです。
紫斑と内出血の違いには《原因なく、数センチ以下で紫色の内出血は紫斑》、《ケガなどによる出血を内出血》という認識で良いでしょう。
紫斑の代表的な病気には「老人性紫斑」があり、血管が弱くなって紫斑(内出血)を示し、濃い紫色の出血が見られます。
数日でなくなりますが、組織の沈着により茶色の跡が残りやすく、無くなるまでに数週間から数ヶ月を要する場合もあり、時には消えないことも。
紫斑と内出血は皮膚の下で出血しているので同じ現象と捉えてよいでしょう。
内出血が治る期間
内出血が治る期間にはケガの負傷した程度と深さにもよりますので一概にはいえませんが、
- 打撲や捻挫であればおおよそ2週間ほど
- 骨折になると3週間以上かかるケースも
- 紫斑などでは数週間〜数ヶ月要する
ケガによる内出血を早く治すには、血流の促進と患部の適度な運動が最も適切で効果的です。
紫斑や病気による内出血ではそれぞれの病気にあった対応をしてください。
内出血が出てきたら
内出血が出てきたら、原因のあるものならアイシングとRICE処置にて早期の対応で内出血を最小限に抑えましょう。
思い当たる原因がなく、身体のあちこちに内出血が出たり消えたりするような場合には、一度病院で診察を受けることをオススメします。
内出血は身体からのサインです。
ケガ以外の内出血が身体に見当るようでしたら病院できちんと検査を受けた方が良いでしょう。