関節の痛みの原因とは?症状別の原因と症状、疑問にお答えします。
カテゴリー:身体のいろいろな不調
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関節は身体全体をスムーズの動かすための部位で、機械的な刺激を受けることによって痛みが生じやすい部位です。
ここでは関節の痛みにはどのような原因があるのか、症状別の原因や痛みの種類、疑問集にわかりやすくお答えしていきたいと思います。
関節の痛みで起きやすい「捻挫」についてはこちらをご覧ください。
Contents
関節の痛みの原因
関節の痛みの原因には、
- 一関節で急性と慢性
- 複数関節で急性と慢性
という症状によって異なります。
関節痛の急性は、一時的に関節が痛み、その原因が治癒すると同時に痛みが引くもののことを言い、関節痛の慢性とは、加齢やそのほかの原因により毎日、または不定期に痛みを感じる症状です。
ここでは関節の痛みの原因となる、一関節の急性と慢性、複数関節で急性と慢性それぞれについて見ていきましょう。
一関節で急性
関節の痛みの一関節で急性とは、関節の一ヶ所のみが痛い状態のことを言い、
- ケガ
- 痛風
- 感染症
などの原因が考えられるでしょう。
関節が腫れる思い当たることがあればケガですし、朝起きて突然関節が腫れていたでは痛風、感染症ではおそらく原因はわからないでしょう。
ですがきちんと検査をすると、感染症は分かりますので、その時には病院を受診して適切な処置によってすぐに症状は軽減します。
当院でも「朝起きたら膝が腫れていた」という患者さんがご来院されましたが、お話を伺っていくと普通の関節痛とは違いましたので病院の受診を勧めました。
結果、「感染症だった」ということもあり、「感染症もきちんと話を聞くとある程度の見分けがつく」と言っても良いでしょう。
複数関節で急性
複数の関節に痛みがある複数関節の急性には、
- 細菌
- ウイルス
などの原因があり、その他にも膠原病や関節リウマチが生じている可能性があります。
「肩と膝が同時に痛い」という患者さんがいらっしゃいましたが、やはり普通の痛みの出方とは違ったため、病院にて血液検査をしたところ、「炎症の数値が高い」という原因が判明した例もありました。
そのような場合には接・整骨院は対応はできませんので、薬による対処が必要です。
原因に適切にアプローチできるか、できないかで症状の出方や付き合い方も変わります。
一関節で慢性
関節の一ヶ所だけが痛む慢性の原因には、変形性関節症があります。
代表的なのが
- 変形性膝関節症
- 変形性股関節症
です。
こちらも適切な対処により、症状はきちんと軽減できます。
変形性関節症は指や足首にも起こります。
詳しくはこちら尾をご覧ください。
→変形性足関節症の原因と対処法をご紹介!手術を回避するためにできること。
→指の変形性関節症とは?主な症状と原因、よくある疑問にお答えします
複数関節で慢性
関節の複数が慢性的な痛みとなっている、複数関節で慢性の場合は、
- 内分泌疾患
- 関節リウマチ
- 膠原病
などの可能性が疑われるでしょう。
きちんと検査をすれば判明することがほとんどですので、いつもとは違う症状を感じるようでしたら検査を受けるべきです。
我慢しても症状に変化はありませんし、生活の質も落としてしまうでしょう。
関節の痛みで代表的なもの
関節の痛みで代表的なものを見ていきましょう。
ここでは関節の痛みで代表的なそれぞれの症状と原因についてお伝えしていきます。
変形性によるもの
関節の痛みの変形性は膝や股関節に生じやすく、
- 酷使によって関節軟骨や半月板が摩耗する
- 筋肉の硬さが関節に圧迫力を加える
ことで、
- 熱感や腫れ
- 関節に水が溜まる
- 動く際の痛み
などの症状が出てしまいます。
そして、痛みを少しでも軽減しようと歩き方が変わることでさらなる変形を招いてしまうのです。
詳しくはこちらをご覧ください。
→変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト
→変形性股関節症でしてはいけないこと、運動療法や手術を詳しく解説!
リウマチ
リウマチは免疫機能の異常によって身体全体の関節に炎症が起こり、
- 左右対称、複数の関節痛
- 特に朝、指にこわばりを感じる
- 細かい作業がスムーズにできない(ボタンをかけるなど)
などの症状があります。
リウマチは膠原病のひとつで、特に中年女性に多い傾向ですが、当院では30代前半で発症する方もいらっしゃいました。
痛風
痛風は尿酸値が高くなり、その状態が続くことが原因で生じ、男性に多い傾向です。
痛風は足指に強い関節痛を生じますが、発作時以外は無症状となるため、自身で痛風だと気付けないケースも少なくはありません。
当院の例では、朝起きて突然足の指が腫れていて、足が着けないという方がこれまで数名いらっしゃいました。
痛風も原因にアプローチできればすぐに症状は軽減しますので、先生の対処がとても大切です。
化膿性関節炎
化膿性関節炎は、関節の中に細菌が入り込み、内部や皮膚が化膿してしまった状態のことを言います。
化膿性関節炎は関節の痛みの他にも、
- 関節の腫れ
- 発熱やだるさなど、風邪に似た症状
が出やすくなります。
すぐに病院で適切な処置を受けましょう。
関節の痛みの種類
関節の痛みの種類には、程度によって違います。
ここでは関節の痛みの主な種類をそれぞれに見ていきましょう。
歩く・体重をかけると痛い
歩いたり体重をかけると痛みが生じる関節痛の場合は、変形性関節症の可能性が考えられます。
変形性関節症は、繰り返しの負荷やスポーツによるケガ、そのほか感染などによって関節組織が変形することで痛みが生じてきます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→変形性膝関節症のしてはいけない運動とスクワットやウォーキングの効果
→変形性股関節症の予防方法と症状が出てしまった時の対処法とは!?
何もしなくても痛い
何もしていなくても関節が痛むのは、関節リウマチの疑いがあります。
関節リウマチは安静時のじっとしている状態でも痛みを感じ、炎症性疼痛という滑膜の炎症がもたらす痛みで
- 気圧の低下
- 湿気
などの環境、気候の変化により症状の出方にも変化があるでしょう。
腫れている
関節が腫れて痛みを生じている場合は、
- 関節リウマチ
- 痛風
- 変形性関節症
などのさまざまな症状が出ている可能性があり、これらの病気の区別には
- 問診
- 画像診断
- 血液検査
が必要ですので、適切な行動をしていただければと思います。
関節の腫れで代表的なのが足首の捻挫です。
腫れの軽減に関する内容はこちら。
→足首の腫れの原因と早く治す方法とは?柔道整復師が詳しく解説します
痛い関節が動く
痛い関節が動くのは、どのような関節の痛みでも軽度の症状であれば動きは可能でしょう。
炎症があっても、靭帯を断裂しているような状態でも、感じ方や実際の動きに与える影響は人それぞれです。
中には炎症で大きく腫れていても動けた方もいますし、靭帯が完全に切れていても歩いても痛くない、などの例もありました。
ただ、見た目でもわかるほどの炎症や腫れ、熱感があるようでしたら、動くことは可能でも適切な処置を受けましょう。
痛い関節が左右対称
痛い関節が左右対称に痛みを生じている場合は、関節リウマチの可能性が第一に考えられます。
関節リウマチは一般的に、右半身に痛みや腫れなどが生じると、左半身の同じ部分にも痛みや腫れの症状が出やすく、この出方は左右対称性と呼ばれています。
寝起きに両手の第二関節がむくむ、動かしづらいなどの症状を感じたら検査をオススメします。
関節の痛みに関する疑問集
ここでは関節の痛みに関する疑問にお答えしていきたいと思います。
更年期の関節の痛みはリウマチと何が違うの?
更年期の関節の痛みとリウマチは症状がとてもよく似ていて、重複しているケースもめずらしくはないため、問診や検査が必要でしょう。
更年期の関節の痛みは、
- 女性ホルモンのバランスによるもの
- 関節リウマチによるもの
などの原因があります。
女性ホルモンのバランスによる関節の痛みは、関節をつなぎとめて動きをスムーズにするエストロゲンの分泌が不安定になり、柔軟性を失うことが原因です。
代わってリウマチは自己免疫異常が原因の疾患となり、免疫の力が関節を覆う膜の「滑膜」に作用し、関節炎や関節破壊へと進行していく症状のことを言います。
それぞれアプローチ方法(原因)が違うため、ミスマッチな薬を飲んでも症状の軽減にはならないでしょう。
身体のあちこちが痛い関節痛は女性に多いの?
身体のあちこちが痛む関節痛は、男性・女性の性別にくくりはなく、高齢者に多い傾向にあります。
高齢者の痛みの原因というのも、特別な病気ではなく、「変形性関節症」と組織の柔軟性の低下による複合的なものの症状がほとんどです。
所謂「老化」という一言で病院の先生は終わらせてしまいます。
実際にはそんなことはなく、適切な対処により症状の軽減は可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。
→変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト
関節痛の治し方ってあるの?
関節痛の治し方には症状の出方や原因によってさまざまです。
- 痛みが出て間もない場合:日常的に負担のかかっているであろう動きの制限と筋肉を緩める
- 痛みが強く出ている場合:検査による原因の追及と同時に、治療や施術
上記の方法には病院、接・整骨院などで対処できる原因や症状が変わります。
進行している関節性変形症や細菌、ウィルス、そのほか身体の内側からくる原因には西洋医学の薬や手術などによる治療が必要です。
筋肉系や身体の使い方が原因の場合には、画像や血液検査に特に原因となるものは見つかりません。
となると【原因不明】となり、「老化でしょう」「一生付き合っていくしかありません」など言われている患者さんがとても多いです。
では「病院と接・整骨院はどのように選べばいいの?」と思われていることでしょう。
一つの指針としてお見知り置きください。
病院に行く、または通院した方がよいケース
- 激痛である
- 画像や血液検査で何かしらの異状がある
- 関節の変形がかなり進行していて、ゆくゆくは手術が必要になる
- 薬や手術による治療が必要
などのケースでは病院に通院しましょう。
では接・整骨院で施術を受けた方がよいケースでは、
- 画像・検査で異状なし
- 痛い時と痛くない時がある
- 痛くても普通通りに動ける、生活できる
- 病院に1ヶ月継続して通院も、症状に変化がない
関節痛を感じたら、病院にて画像と血液検査を受け、異常がなければ、または軽度の変形性関節症であれば接・整骨院の方がすぐに変化を感じられることでしょう。
その際、通院する院を決める方法としては、実際に通われているお友達やご友人の話を参考にするのをオススメします。
また関節の痛みを予防するためには、
- 体重の重さによる体への負荷をなくすため、肥満に気を付ける
- 貯筋目的の運動を習慣にする
- 痛みを感じた際に無理な運動や作業を行わない
などが重要なポイントです。
病院に受診後に接・整骨院に通われる際には下記のご注意ください。
【まとめ】関節痛の痛みについて
本記事では関節の痛みの原因、症状や考えられる病気についてお伝えしてきました。
関節痛はさまざまな原因で起こる症状のため、無理をして痛みを我慢せず、異状に気付いた時点で早めの治療や検査、施術を受けるようにしましょう。