股関節脱臼とは。原因や状態、症状や主な治療法についてお伝えします。
カテゴリー:脚の痛み
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股関節脱臼は肩や顎の脱臼の次に起こりやすい脱臼で、股関節を構成している関節は身体の中でもっとも大きい骨のため、強い痛みや動きに支障を生じるケガです。
ここでは股関節脱臼がどのようなケガなのか、原因や状態、症状や主な治療法について詳しくお伝えしていきたいと思います。
脱臼について詳しくはこちらをご覧ください。
→肩関節脱臼について。状態や原因、整復方法や治療法を解説します
→脱臼とは?状態や原因、起きやすい部位や治療法について解説します
股関節脱臼とは
股関節脱臼とはどのようなケガなのでしょうか。
ここでは主な原因やその状態、症状をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
原因
外傷性脱臼のひとつとなる股関節脱臼は関節包が破れ、そこから大腿骨の頭部が後方に押し出される「後方脱臼」が最も多く発生しています。
股関節脱臼は主に、
- 膝と股関節を曲げている時
の姿勢時に過度な力が膝に加わることが原因で起き、起きる場面として代表的なのが
- 自動車事故によるもの
- 高所からの転落
- アメリカンフットボールやラグビーなどの接触が頻繁なスポーツ
で多く発生する傾向です。
高齢者の場合の股関節脱臼は、加齢により骨が弱くなっているため、通常では脱臼が起こらないわずかな弱い力でも生じることも珍しくありません。
高齢者に多い腰の圧迫骨折についても是非ともご覧ください。
→圧迫骨折時の座り方とやってはいけないこと、痛み軽減のために出来ること
状態
股関節脱臼は、太ももの骨となる大腿骨の球状になっている頭部が、骨盤の寛骨という丸いくぼみから外れた状態です。
見た目としては
- 大腿骨が後ろに押された際は足が短く見える
- 膝は内側に捻じれたように回転している
姿勢になっています。
後方脱臼の他に、
- 前方脱臼
- 中心性脱臼
などの分類もあるため、状態は上記の通りではなくそれぞれです。
症状
股関節脱臼は脱臼が生じやすい肩や顎よりも強い痛みを伴い、足を通常通りに動かすことはできません。
股関節脱臼には強い痛みの他にも、
- 脱臼の程度によって神経が損傷し、脚と足首の各部位にしびれが出る
- 腫れや内出血
- 患部が冷えたように感じる
- 皮膚の感覚が低下する
- 骨折も同時に起きている
などの症状が起きる傾向にあります。
単独かまたは複数の症状が出るかは状態によりさまざまです。
脱臼の分類によって症状もさまざまですので、しっかりと患部の状態を見極めることで症状の早期軽減にもつながるでしょう。
脱臼とこ骨折は併発する「脱臼骨折」についてはこちら。
→脱臼骨折とは?原因や症状、脱臼骨折が起こりやすい部位を解説。
股関節脱臼の治療法(治し方)
股関節脱臼の治療法には、
- 徒手整復
- 手術
- 整復後のリハビリ
があり、股関節脱臼の治療を行う前の検査では、
- 視診や触診、問診
- レントゲン
- エコー検査
などが行われ、骨盤と大腿骨の位置関係と状態を確認します。
続いて、股関節脱臼のそれぞれの治療法について見ていきましょう。
骨折を早く治す方法はこちら。
→手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます
整復
股関節脱臼の整復は、骨盤と大腿骨の位置関係を通常に戻すために必要な手技となり、整復をする際には麻酔が必要になるでしょう。
股関節脱臼の整復は脱臼を生じてからできるだけ早く行うことが急務で、時間にして6時間以内が望ましいと言われています。
その理由には【整復が遅れてしまうと骨壊死のリスクが高まる】ためです。
同時に筋性防御と言う筋肉の反応が起きると、患部を固定するように勝手に筋肉が固くなり、整復はますます困難になります。
筋性防御が起こると薬でしか緩めることはできませんので、一刻も早い整復が必要になるのです。
股関節脱臼の整復は非観血的整復と呼ばれ、
- Allis(アリス)法
- Captain Morgan(キャプテンモルガン)法
があります。
それぞれの整復方法は脱臼の分類によって選択され、筋肉の弛緩が必要な場合や、症状の出方によっては投薬により症状を緩和してから整復が行われるでしょう。
手術
股関節脱臼は、
- 靭帯の損傷
- 骨折や半月板、その他の組織の損傷を併発
- 筋肉が関節内に介在
などが起きるケースもあるため、関節鏡を用いた手術が検討されます。
靱帯についての関連記事はこちら。
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リハビリ
股関節脱臼のリハビリは整復後の固定を4週間程度維持し、状態を見ながら、
- 筋力の強化
- 可動域改善
のためのリハビリが行われます。
リハビリの目的は脱臼する以前の動作と筋力を取り戻すのが目的ですが、初めのうちは痛みもあり動かすのもストレスとなるでしょう。
ですが、焦らずに毎日地道に行うと必ず良い方向へを向かいます。
先生と一緒に励まし合いながら行いましょう。
股関節脱臼の後遺症
股関節脱臼の後遺症には、
- 足が今まで通りに動かせない、曲げることができなくなる「可動域制限」
- 骨盤の骨に、外側から見てもわかる程度の変形が残る「変形障害」
- 股関節の筋肉がこわばって過度に収縮したり、股関節の可動域制限などが生じる「機能障害」
- 股関節脱臼後に足がこれまでよりも短くなってしまう「短縮障害」
- 股関節や足などに痛みやしびれが残ってしまう「神経障害」
などがあります。
そのため、股関節脱臼後は速やかな整復と治療を受けることが後遺症を残さないための方法と言えるでしょう。
後遺症についてこちらも参考にご覧ください。
→鎖骨骨折の後遺症とは?治療法や全治期間、よくある疑問にお答えします
【まとめ】股関節脱臼について
本記事では股関節脱臼の原因や状態、症状や治療法についてお伝えしてきました。
股関節脱臼はさまざまな後遺症や障害のリスクを起こしてしまうため、リハビリは先生から太鼓判が朝れるまではしっかり最後まで行いましょう。