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足首を剥離骨折すると、
「どのくらい安静にすればいいの?」
「いつから歩いたり走ったりできる?」
「どのようなリハビリが必要?」
と心配になることでしょう。
足首の剥離骨折は、スポーツ中の切り返しや着地、段差での踏み外し、転倒などで足首を強くひねった際に起こります。
見た目や症状が捻挫とよく似ており、痛みが軽く歩ける場合もあるため、骨折に気づかないケースも珍しくありません。
この記事では、一般的に足首の外側に起こる剥離骨折を中心に、リハビリの内容、固定期間、歩行やスポーツへ復帰する目安、早期回復のために大切なことを解説します。
※固定期間や荷重を開始する時期は、骨折した場所、骨片の大きさやずれ、年齢、靭帯損傷の程度などによって異なります。自己判断で固定を外したり、運動を始めたりしないでください。
足首の剥離骨折とは
足首の剥離骨折とは、足首をひねった際に靭帯や腱が強く引っ張られ、その付着部の骨が剥がれるように折れた状態です。
足首の外側では、足が内側へ強くひねられる「内反捻挫」に伴って起こることがあります。
外くるぶし周辺には前距腓靭帯や踵腓靭帯などがあり、これらの靭帯が引っ張られることで、付着している骨の一部が剥がれるてしまいます。
ただし、剥離する場所や原因となる靭帯は一つではありません。
また、成長期の子どもでは成長軟骨の損傷が隠れていることもあるため、足首の外側が腫れているからといって、前距腓靭帯による剥離骨折とも限りません。
正確な状態を把握するには、受傷状況や圧痛、腫れ、関節の安定性などを確認し、レントゲンを基本として、必要に応じて超音波(エコー)やMRIなどで評価します。
代表的な剥離骨折は足首ある「前距腓靱帯」が多く関わっています。
※赤矢印部分
足首以外の剥離骨折については、こちらをご覧ください。
→剥離骨折を早く治す方法をご紹介!大切なのは適切な固定と適度な刺激!
靭帯損傷についてはこちらで詳しく解説しています。
→靭帯損傷とは?症状や治療法、早く良くなる方法を解説します。
足首の剥離骨折でみられる症状
足首の剥離骨折では、次のような症状がみられます。
- 外くるぶし周辺の痛み
- 腫れや熱感
- 内出血
- 骨の一部分を押したときの強い痛み
- 足首を動かしたときの痛み
- 体重をかけたときの痛み
- 歩きにくさ
- 足首の不安定感
症状には個人差があり、痛みが比較的軽く、受傷直後でも歩けることがあります。
しかし、歩けることだけでは骨折を否定できません。
捻挫だと思って様子を見ていても、腫れや痛みがなかなか引かない場合は、剥離骨折が隠れている可能性があります。
→足首捻挫が治らないのは後遺症かも!?リハビリとセルフチェック方法
→捻挫と骨折の見分け方は?それぞれの対処法と疑問にお答えします
早めに整形外科を受診したほうがよい症状
次のような症状がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
- 足首に明らかな変形がある
- 腫れや内出血が強い、強くなっている
- 痛みで体重をかけられない、歩けない
- 骨の一点を押すと強く痛む
- 足先にしびれや感覚低下がある
- 足先が冷たい、または皮膚の色が変化している
- 傷口があり、骨折部まで達している可能性がある
- 数日たっても症状が改善しない
- 一度軽くなった痛みや腫れが再び強くなった
剥離骨折は骨折の一種ですので、疑われる場合は医師の診察と画像検査で状態を確認しましょう。
足首の剥離骨折で必要なリハビリ
足首の剥離骨折から日常生活やスポーツへ戻るには、骨がつながるのを待つだけでなく、段階的なリハビリが必要です。
主な目的は次の4つです。
- 関節可動域の回復
- 筋力の回復
- バランス能力と足首の安定性の回復
- 歩行やスポーツ動作に対する不安の解消
リハビリは骨折の状態と医師の指示に合わせ、無理のない範囲から始めましょう。
固定期間中に行うリハビリ
固定期間中は、骨折部を動かさないことが基本です。
一方、医師から禁止されていなければ、骨折部に負担をかけない範囲で次の運動を行うことがあります。
- 足の指を曲げ伸ばしする
- 膝を曲げ伸ばしする
- 太ももに力を入れる
- 股関節を動かす
- 患部以外の筋力トレーニングを行う
動かせる部分を早期から動かすことは、関節のこわばりや筋力低下を抑え、血流を保つために役立ちます。
ただし、固定の中で足首を無理に動かしたり、許可なく体重をかけたりしてはいけません。
足首の関節可動域を取り戻す
固定が外れたあとは、足首が硬くなり、しゃがみにくかったり、正座ができないなどの症状があるでしょう。
医師から足首を動かす許可が出たら、痛みの程度を確認しながら次のような運動を始めます。
- つま先を自分のほうへ引く
- つま先を前へ伸ばす
- 足首で小さな円を描く
- タオルを使ってふくらはぎを軽く伸ばす
最初は小さな範囲から始め、少しずつ動く範囲を広げます。
しゃがむ動作や正座は足首に大きな角度と負荷がかかるため、固定が外れた直後から無理に行うのは避けましょう。
骨の癒合状態を確認し、基本的な関節運動や歩行が安定してから段階的に行います。
また、動かした際の痛みがすべて「固定で硬くなったことによる痛み」とは限りません。
骨折部に鋭い痛みが出る、運動後に腫れが強くなる、翌日まで痛みが増して残る場合は、運動量を減らして専門家に相談しましょう。
筋力トレーニング
足首を固定したり、患部へ体重をかけない期間が続いたりすると、ふくらはぎをはじめとする下肢の筋力が低下します。
筋力が十分に戻らないまま仕事やスポーツへ復帰すると、歩行や走行が不安定になり、再受傷やパフォーマンス低下につながる可能性があります。
足首へ荷重する許可が出たら、状態に応じて次のようなトレーニングを行います。
- 座った状態でのかかと上げ
- 両脚でのカーフレイズ
- 片脚でのカーフレイズ
- ゴムバンドを使った足首の運動
- スクワット
- ステップ運動
カーフレイズの方法
- 壁や椅子に手を添えて立ちます。
- 両足のかかとをゆっくり上げます。
- できる範囲まで上げたら、ゆっくり下ろします。
- まずは10回程度から始めます。
上記の画像のように親指側へ体重をかけるようにしましょう。
両脚で痛みなく行えるようになったら、回数を増やしたり片脚で行ったりして負荷を調整します。
回数だけでなく、左右同じ高さまでかかとを上げられるか、体が大きく傾いていないかも確認しましょう。
バランストレーニング
足首を負傷すると、関節の位置や動きを感じ取る「固有感覚」が低下することがあります。
痛みが減って筋力が戻っても、バランス能力が不十分なままでは、着地や方向転換で再び足首をひねる危険がありますので、行っていただきたいリハビリの一つです。
次のように段階を上げて練習しましょう。
- 両脚で安定して立つ
- 支えにつかまって片脚で立つ
- 支えなしで片脚立ちをする
- クッションなど少し不安定な面で立つ
- 軽く跳んで着地する
- 横移動や方向転換を行う
転倒しないよう、初めは壁や手すりの近くで行いましょう。
カーフレイズも固有感覚を取り戻すリハビリになります。
かばい動作を改善する歩行練習
足首を固定したあとは、痛みや筋力低下、不安感によって、かかとの接地が長くなる歩き方になることがあります。
歩行を戻す際は、必要に応じて松葉杖を使用しながら、許可された荷重量を守って練習しましょう。
歩くときは、
- かかとから接地する
- 足裏へ体重を移す
- 最後につま先で地面を押す
という流れを意識してください。
鏡や動画で自分の歩き方を確認すると、左右差やかばい動作に気づきやすくなります。
後ろ向き歩行はすべての方に必要なリハビリではなく、転倒の危険もありますので、歩行が安定してから専門家の指導のもとで実施してください。
スポーツ動作と恐怖心を改善する
足首の痛みがなくなっても、「またひねるのではないか」という恐怖心が残ることがあります。
恐怖心が強いまま競技へ戻ると、動作が小さくなったり、反対側の脚へ負担が集中したりする可能性もあり、きちんとリハビリを行なって解消しましょう。
スポーツ復帰に向けて、次の順番で負荷を上げていきます。
- 痛みのない歩行
- 速歩
- 軽いジョギング
- 直線でのランニング
- 加速と減速
- 両脚・片脚でのジャンプと着地
- 横移動
- 方向転換
- 競技特有の動作
- 練習への部分参加
- 通常練習への復帰
- 試合復帰
「痛みがなくなったから、すぐ試合へ出る」という戻り方は避けましょう。
足首の剥離骨折を早く治すために大切なこと
骨折の状態に合った固定を行う
剥離した骨片の位置を保ち、損傷した靭帯を守るため、ギプス、副木、装具、サポーターなどで固定することがあり、骨片のずれが少なく安定している骨折では、外固定による保存療法が選択されることがあります。
一方、骨片のずれが大きい、不安定性が強い、関節面に影響しているなどの場合は、手術が検討されるでしょう。
固定が緩んだり、反対に圧迫が強くなったりすることもあるため、次の症状が出た場合は早めに医療機関へ相談してください。
- 固定の中で足首が大きく動く
- 痛みが急に強くなった
- 足先がしびれる
- 足先が冷たい
- 皮膚の色が変わった
- 固定が当たって皮膚が痛い
自己判断で固定を外したり、巻き直したりしないことが重要です。
必要な固定期間を守る
足首外側の小さな剥離骨折では、3〜6週間ほどギプスや装具、副木で固定されるのが一般的です。
ただし、これはあくまで一つの目安であり、固定期間は次の条件によって変わります。
- 剥離した場所
- 骨片の大きさとずれ
- 骨折部の安定性
- 靭帯損傷の程度
- 年齢
- 成長軟骨損傷の有無
- 痛みや腫れ
- レントゲンなどの画像所見
「できるだけ短く固定する」のではなく、骨折部を守るために必要な期間は固定し、許可が出た範囲から早期に動かすことが大切です。
固定を長く続けすぎると関節や筋肉が硬くなる一方、早く外しすぎると骨片が再び動く可能性があります。
許可された範囲で早期から動かす
骨折部を保護しながら、動かしてよい関節を早期から動かすことは、関節の硬さや筋力低下を抑えるために役立ちます。
小さく安定した剥離骨折では、固定しながら早期荷重を認める治療方針もありますが、すべての剥離骨折に当てはまるわけではありません。
荷重を開始する時期は、必ず医師の指示に従いましょう。
食事と生活習慣を整える
骨折からの回復には、特定の食品だけを大量に摂取するのではなく、エネルギーと栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
特に不足しないよう意識したい栄養素には、次のものがあります。
- 肉・魚・卵・大豆製品などに含まれるタンパク質
- 乳製品、小魚、大豆製品などに含まれるカルシウム
- 魚類やきのこ類などに含まれるビタミンD
- 緑黄色野菜などに含まれるビタミンK
極端な糖質制限や特定の栄養素だけに偏った食事は避けましょう。
また、過度な飲酒や喫煙は骨の回復に悪影響を及ぼす可能性があります。十分な睡眠を確保し、医師から処方された薬や治療の指示を守ることも大切です。
→手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます
足首の剥離骨折に関するよくある質問
ギプスや固定の期間はどのくらいですか?
小さく安定した剥離骨折では、3〜6週間程度の固定が目安となるでしょう。
ただし、すべての方がギプス固定になるわけではありませんし、骨折の状態によっては、副木、サポーター、装具などが選ばれます。
骨片のずれや不安定性が強い場合、手術後の場合、成長軟骨を損傷している場合などは、固定方法や期間が異なるため、期間だけで判断せず、診察や画像所見を確認して決める流れとなるでしょう。
骨がつくまでどのくらいかかりますか?
一般的に、小さな足首の剥離骨折では6週間前後が一つの目安になりますが、年齢や骨折の状態によって異なります。
また、レントゲンで骨のつながりが確認できる時期と、スポーツの衝撃に耐えられる時期は同じではありません。
仮骨が形成されても、すぐに元の骨と同じ強度へ戻るわけではないため、再度ひねったり強い衝撃を受けたりしないよう注意が必要です。
いつから歩けますか?
小さく安定した剥離骨折では、装具やブサポーターで患部を守りながら、痛みに応じて早期から荷重を認められることがあります。
一方で、骨片のずれや骨折部の不安定性がある場合は、一定期間の免荷が必要です。
「固定が外れたらすぐ歩ける」「痛くなければ体重をかけてよい」とは限りません。
医師から指示された荷重量を守り、必要に応じて松葉杖を使いながら、
- 部分的に体重をかける
- 両脚で体重を支える
- 松葉杖を減らす
- 装具なしで歩く
というように段階的に進めます。
いつから走れますか?
ジョギングを始める時期は、受傷からの日数だけでは決められませんので、少なくとも次の条件を確認します。
- 骨折部の圧痛がほとんどない
- 歩行で痛みや跛行がない
- 運動後に腫れが増えない
- 足首の可動域が回復している
- 両脚でのカーフレイズが安定してできる
- 片脚立ちを保てる
- 医師から衝撃運動の許可が出ている
小さな剥離骨折でも、ランニングやジャンプなどの衝撃運動は、受傷から約3か月避けるよう指示されるケースもあります。
早く走り始めることよりも、走るための条件が整っているかを確認することが大切です。
スポーツ復帰までどのくらいかかりますか?
軽度で経過が良好な場合でも、スポーツ復帰には2〜3か月程度、またはそれ以上かかることもあります。
方向転換や接触、ジャンプを伴う競技では、日常生活へ戻るより長い期間が必要です。
復帰時期は、次の点を確認して判断します。
- 痛みや腫れがない
- 足首の可動域に大きな左右差がない
- ふくらはぎなどの筋力が回復している
- 片脚で安定して立てる
- ジャンプと着地が安全にできる
- ダッシュや方向転換ができる
- 競技動作への不安が少ない
- 練習後や翌日に症状が悪化しない
復帰初期は、必要に応じてサポーターやテーピングを使用することがあります。
軽い剥離骨折なら放置しても大丈夫ですか?
軽い痛みで歩ける場合でも、放置はおすすめできません。
適切に保護されないまま動き続けると、痛みや腫れが長引いたり、足首の不安定感が残ったりする可能性があるでしょう。
また、剥離骨折だと思っていても、別の骨折や成長軟骨損傷を伴っている場合がありますので、まずは医師の診察を受け、骨折の場所と状態を確認しましょう。
腫れはいつまで続きますか?
骨がついたあとも、軽い腫れや違和感が3〜6か月程度残ることがあるかもしれません。
夕方や長時間歩いたあとに腫れやすくなる場合もありますが、少しずつ軽くなっていれば必ずしも異常とは限りません。
ただし、腫れが急に強くなる、痛みが悪化する、皮膚が赤く熱を持つ、ふくらはぎまで腫れるなどの変化がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
院長が経験した足首の剥離骨折の経過
私自身も、高校生のときに足首の剥離骨折を経験しました。
当時の経過は次のとおりです。
- ギプスによる固定期間は4週間
- 固定が外れてから通常に近い歩行へ戻るまで約10日
- 歩行開始から2週間以内に軽く走れる状態まで回復
- さらに約4週間かけてダッシュへ移行
- 受傷から約2か月半で以前に近い動きへ復帰
受傷から約2か月でダッシュを始めましたが、ふくらはぎの筋力が戻っておらず、すぐに全力で走れたわけではありません。
比較的早く復帰できた理由として、
- 当時は高校生だった
- 先生より密な施術を受けながら、適切なアドバイスを受けた
- 毎日リハビリを継続した
ことが考えられます。
ただし、これはあくまで私個人の経過ですので、同じ剥離骨折でも、骨折部位や骨片の状態、年齢、競技内容によって回復期間は異なります。
この日数を目標にして無理に復帰せず、自分の状態に合った計画で進めましょう。
ただ、今の時代には
- 酸素ルーム
- 超音波
- 加圧式トレーニング
- 必須アミノ酸サプリ
などがあります。
数十年前のように「固定と安静で部位が修復されるまで待つ」ではなく、積極的に患部へアプローチする方法がありますので、現代では当時よりは早い回復が望めることでしょう。
白石接骨院いとうでの対応
「白石接骨院いとう」では、受傷した状況、腫れや内出血、圧痛、足首の動き、歩行状態などを確認し、骨折が疑われる場合は、施術よりも医師による診察とレントゲンなどの画像検査を優先し、整形外科をご紹介します。
医師の診断後、骨折部を固定しながら、
- 酸素ルームで患部の組織修復促進
- 加圧式トレーニングで成長ホルモン分泌促進
- 超音波で患部の組織修復促進
適切な固定期間を守りながら、早期の固定除去、そしてリハビリの開始を目指して対応いたします。
まとめ
足首の剥離骨折は、足首をひねった際に靭帯や腱が骨を引っ張り、その付着部が剥がれるように折れた状態です。
捻挫と症状が似ており、歩ける場合でも剥離骨折を否定できません。
早期回復のためには、
- 医師の診察と画像検査を受ける
- 骨折の状態に合った固定を行う
- 指示された固定期間と荷重量を守る
- 許可された範囲で早期から身体を動かす
- 可動域・筋力・バランスを段階的に取り戻す
- 日数だけでスポーツ復帰を判断しない
ことが大切です。
固定期間は3〜6週間程度、日常生活やスポーツへの復帰には2〜3か月程度が目安になるケースもありますが、骨折の状態によって大きく異なります。
足首の剥離骨折が疑われる方や、固定後のリハビリに不安がある方は、自己判断で進めず、医師や専門家へ相談しましょう。
足首の剥離骨折について疑問・質問がある方は、LINEからお気軽にご相談ください。
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参考情報
- 日本整形外科学会「足関節果部骨折(脱臼骨折)」
- AAOS「Ankle Fractures」
- AAOS「Foot and Ankle Conditioning Program」
- Kingston and Richmond NHS「Lateral Ankle Avulsion Fracture」
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断や治療に代わるものではありません。
