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[blogcard url=”ここにURL″]足首骨折は捻挫と間違いやすく、遅れて治療・施術が始まることもあるケガです。
ここでは足首骨折と捻挫の見分け方や疑問について、足首骨折と捻挫の両方を経験した院長自らの体験も加えてお答えしていきます。
捻挫と骨折についての見分け方はこちら。
→捻挫と骨折の見分け方は?それぞれの対処法と疑問にお答えします
Contents
足首骨折の見分け方
では早速、足首骨折と捻挫の見分け方について見ていきましょう。
押してみる
よく起きる足首骨折としては、下記の五カ所が目安になります。
画像左は足首を外から見たもの、右は内側から見たものです。
青丸と緑丸は近いので判別は難しいですが、青丸は骨になり、緑丸は骨と骨の間である関節部分になります。
緑丸部分に痛みがある時は、必ず画像にて患部を確認する必要があるでしょう。
足首捻挫と足首骨折の判別が一番難しい部分であり、誤診が最も起きやすい部位でもあります。
青丸部分で押すと激痛があり、逃げるように足を引っ込めせるようなら骨折と判断して良いでしょう。
押してみると時には段差や凹みを触れることもあり、それは骨の連続性が絶たれていることを意味し、限りなく骨折と疑えるでしょう。
押すと激痛を感じるため、実際にはそう強く押すことはできませんが…。
黄色部分も捻挫と骨折の判別を間違いやすい箇所ですので注意が必要です。
赤丸部分も骨の箇所になるため、押して激痛、または足を引っ込めるような動作があった場合には骨折と判断して良いでしょう。
最後に、青くなっている骨は舟状骨(しゅうじょうこつ)といいい、青丸と赤丸同様押して痛い場合には骨折が疑われる部位になります。
ただ、周辺の関節とも近いため、捻挫とも間違いやすいところでもあるため、「押して痛い = 骨折の疑い」とも言い切れませんので、必ず画像にて患部を確認するようにしてください。
見た目
足首骨折をすると時間の経過とともに腫れてきます。
私は足首剥離骨折を経験しましたが、ものの20分程度で像の足のように腫れと内出血も見られ、普通の捻挫ではないと分かりました。
ヒビでも腫れは起きますが、ほんの微細なヒビ(数ミリ程度)であれば大きく腫れないケースもあります。
画像は青丸の部分のヒビになります。
見た目も腫れてなく、痛みがありながらも歩いて来院されてきました。
捻挫でも重度の場合には、すぐに腫れてきて、内出血も起きるため、見た目だけで足首骨折と捻挫を明確に判断するのはとても困難です。
触れてみて
腫れと一緒に必ず起こるのが炎症です。
炎症による熱感を患部を触れると感じるでしょう。
《熱感=炎症》ですので、最小限に抑えるためすぐにRICE処置を行いましょう。
捻挫でも大きく腫れるケースもあるため、腫れの程度や熱感の強弱で足首骨折を捻挫を明確に見分けるのはとても困難です。
RICE処置について詳しくはこちら。
歩けるかどうか
足首骨折になると歩行はかなり困難で、全く足がつけない場合も。
ですが、足首捻挫でも歩けないで来院される方もいらっしゃるので、歩けるかどうかで判別するのは難しいでしょう。
一番確実に見分ける方法
これまでそれぞれの項においてご紹介してきましたが、結局は《足首骨折と足首捻挫を症状だけで判断することは困難》です。
私も症状だけで判断して、誤診をしてしまった経験も含めて、実感しております。
患者さんそれぞれ
- 起きた原因
- 症状の出方
- 感じ方
- 院に来るまでの時間経過
- 応急処置の有無
が一律ではなく、状況によって様々だからです。
最も明確に見分ける方法は、レントゲンや超音波で患部を見ることです。
これに尽きるのではないでしょうか。
接骨院や整骨院でも超音波は装備している院がありますので、病院に行かなくても骨折を見つけることは可能です。
応急処置を受けた後に、病院を受診するのも症状軽減・緩和に役立つでしょう。
足首骨折を見分け方についての疑問集
足首骨折を見分け方についての疑問集にお答えします。
捻挫だと思ったら骨折ってあり得る?
十分あり得ます。
ただ、部位が限定されます。
先ほどの画像の患者さんも歩いて来院されましたし、腫れや熱感も弱く、捻挫と間違えやすい症状でしたが、ここで一つ骨折と捻挫の大きな違いについてもお伝えします。
《骨折は骨に起きるケガ、捻挫は関節に起きるケガ》ということを大前提に見ると良いでしょう。
言い換えると《関節以外の場所を押したり、痛みがある場合には骨折の疑いがかなり強くなる》ということ。
ですが、足首骨折は捻挫の部位と同じ時もあるため、十分注意する必要してください。
捻挫の重症度チェックを教えて!
簡単に判断すると
- 軽度:痛いけど歩ける
- 中度:腫れや熱感もあるが何とか歩ける
- 重度:腫れや熱感、内出血があり、歩くのもやっと
上記のようになります。
併せてこちらもご覧ください。
→捻挫の治療とは。保存療法や手術、早く治す方法を柔道整復師が詳しく解説
くるぶしを骨折していても歩ける?
先ほどの患者さんのようにヒビ(不全骨折)でも歩ける例はたくさんあります。
ですので足首骨折と捻挫が間違いやすいとも言えるでしょう。
「くるぶしを骨折していても歩けるか否か」というのは程度とその方の感じ方によるところが大きいと現場では感じています。
ヒビも骨折ですので、こちらも併せてご覧いただけると幸いです。
→骨折の種類について。性状や分類、原因や治療法などをお伝えします
足首骨折のギプス固定はどのくらい?
足首骨折のギプス固定の期間の目安は、短くて三週間、長くて二ヶ月ほどの目安になるでしょう。
ヒビであれば固定をせずに日常生活を送っていただくこともありますし、剥離骨折や完全骨折の場合には部位と状態次第では二ヶ月以上になることも。
私の足首剥離骨折では四週間の固定で終わり、その後すぐにリハビリを開始して、以前のように走れるようになったのは二ヶ月を要しました。
「固定だけだと治るまで待つ」、ということになりますが酸素ルームや超音波を併用するとかなり早く骨の修復を早めます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→酸素ボックスとは?仕組みや効果、さまざまな疑問にお答えします
→骨折には超音波が良い!使用方法や効果的な理由、疑問集に解答。
足首骨折で松葉杖はいつまで?
また私の例にはなりますが、ギプス固定をしながら四周目には松葉杖をつかなくても足は地面に全荷重着けられていました。
基本的にはギプス固定の間は、足は着かないよう指導がありますので、積極的に着く必要はないでしょう。
ギプス除去後は週が進むごとに、一部荷重から四週間ほどかけて全荷重に向けてリハビリが進んでいきます。
手術などがあればさらに松葉杖が離れるまでの期間は遅れることでしょう。
足首骨折で歩けるまでどのくらい?
こちらについては部位と程度によって様々です。
固定を必要としないヒビであればすぐに歩行は可能ですし、程度が悪く、部位も治りにくい所や手術になると固定は一ヶ月以上になることも。
患部の修復が遅くなればその分歩けるまでの期間も長くなってしまいます。
骨折を早く治す方法はこちら。
→手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます
【まとめ】足首骨折の見分け方について
本記事では、足首骨折の見分け方についてご紹介してきました。
骨の部分か、または関節の部分かによって判断できる例もありますが、症状や状態だけでは明確に判断できないこともわかっていただけたかと思います。
歩けないはもちろん、腫れや熱感が強い場合にはすぐに先生に先生に見てもらいましょう。