成長痛の見分け方をご紹介!正しい知識と対処で上手に乗り越えよう!
カテゴリー:お勉強シリーズ
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お子さんは家に帰ってくると身体の痛みを訴えてはいませんか?
痛みを訴える時間帯や痛いところはどこですか?
もしかするとそれは成長痛かもしれません。
成長痛に関して間違った認識をしている方が実は多いので「成長痛の見分け方をご紹介!正しい知識と対処で上手に乗り越えよう!」を読んでいただき、成長痛を正しく知って対処していただければと思います。
Contents
成長痛とは
3〜12歳くらいの子供に起こる脚の痛みで、正式名称は「骨端軟骨障害(こったんなんこつしょうがい)」といいます。
一般的な認識として、膝のオスグッドやかかとに痛みを感じるシーバー病も成長痛と思われていますが、実は成長痛ではありません。
「成長期の子供に多い痛み」ということで成長痛と思われてしまうのかもしれませんが、両者には明確に違う点があるのです。
成長痛と他の痛みとの見分け方
ではそれぞれの特徴を見ていきましょう。
成長痛では
- 朝方や夕方、時には寝ている時に痛みを訴える
- ずっと痛いことはない(不定期)
- 遊んでいる時には痛みを感じない
- 痛いところに腫れや炎症、動きの制限がない
- レントゲンに異状がない
- さすったり触れられると楽になる
成長痛以外の痛みでは
- 時間に関係なく、動くと痛い
- 何も処置をしないと痛みは続く
- 遊んでいても痛みはある
- 腫れや炎症、動きに制限がある
- レントゲンに何かしらの異状がある
- さすっても触れても痛みに変化はない
このように比べると、真逆の症状や状態といってもいいほどの違いがあるのです。
お子さんの症状はどちらに当てはまりますか?
背が伸びる時期になる成長痛
背が伸びる時期になる成長痛ですが、なぜ高校生以降にはならないのでしょうか?
それはストレスも関係していると考えられています。
「ストレスは高校生でも感じるのでは?」と思うかもしれませんが、幼少期に感じるストレスは家族から社会というカテゴリーになり、これまでとは違うストレスを感じるようになるのです。
その過程で感じるストレスが身体にも影響すると考えられています。
ストレスというのは、大人の場合には頭痛などのような不調が身体に現れてきます。
子どもでもストレスの現れる形はそれぞれ。
昔、同級生の中にお腹が痛くで教室にいられなかったお友達はいませんか?
腹痛などの症状もストレスが身体に現れたものなのです。
では、子供の感じるストレスにはどのようなものがあるのでしょうか?
3~5歳頃は、親と離れる時間が増え、自分ですることも増えていきます。
- 身の回りのコト
- 自分のしたいことを途中でもやめなければいけない(例えば遊び)
- 幼稚園や保育園での団体生活
- お友達との関係
初めて尽くしですので、子どもでもストレスを受けるのは当然です。
6歳より上の年齢になっていくと、
- 友人や先生との関係
- 習い事
- 異性や親子関係
- 自分の身体への変化
など、成長するにつれて受け、感じるストレスも変わっていきます。
症状の出るのが夕方から夜間というのも、安心できる親の存在が近くにいることで我慢しなくていいという心理から痛みという症状を感じやすいものだと私は認識しています。
さすったり触れられると楽になるというもの、親の愛情を受けているという安心感が症状の緩和につながるのでしょう。
成長痛はどんな痛み?
さて、成長痛とはどのような痛みなのでしょうか。
程度は様々で、「痛い」と言うだけの子から、痛みで泣き出す子までと症状の強さはそれぞれです。
泣くほど痛かったはずなのに、翌日になると走り回るのもよくあります。
痛みが出ている時には親御さんが寄り添って、温もりと安心感を感じさせてあげてください。
こんな時は整形外科へ
「成長痛?」とは思っても「少し違うような…」と思う症状も中にはあります。
下記の症状がある時には迷わずに整形外科に受診しましょう。
- 痛みが朝になっても続いている
- 痛みを感じる部位が同じ
- 痛みが強くなっている
- 痛みを感じる箇所に腫れや熱感がある
- 痛みで歩き方が変わっている
成長痛とは明らかに違う症状であり、時には重大な病気が隠れていることもありますので上記に当てはまる場合には診察を受けた方が良いでしょう。
実際、当院にも打撲の痛みで来院した患者さんが、痛みの出方が打撲とは違っていたので整形外科でレントゲンを撮ったところ、骨に影が写ったということもありました。
素人判断はいけません。
迷った時には病院へ行きましょう。
膝とかかとの痛みは成長痛?
成長痛の感じるところは膝が最も多く、ふくらはぎや足首、太ももの順に多い傾向です。
かかとに感じる痛みとしては成長痛ではなく、シーバー病や骨端症の疑いがあります。
もちろん成長痛がかかとに出ないわけではありませんので、症状の感じ方から適切な行動をしていただければと思います。
安静だけでは痛みを長く痛みを抱えてしまいますので、病院や接・整骨院で治療・施術を受けた方が良いでしょう。
安静だけが痛みへの対策ではありません。
成長痛ではない高校生や大人の痛み
成長痛ではない痛みもご紹介いたします。
高校生でもなりやすいのがオスグッドですが、このほかにも
- ジャンパー膝
- 鵞足炎(がそくえん)
- 張脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
- 大腿四頭筋腱炎(だいたいしとうきんけんえん)
などが運動をしていると感じやすい痛みです。
成長痛とは、年代と痛み方にも明らかな違いがありますので、安静ではなく、適切な対処をしていただければと思います。
オスグッドのついては→オスグッドの症状は放置せず冷やしてストレッチで治療期間を短く!
ジャンパー膝については→ジャンパー膝の痛み・症状とは?治療・リハビリ方法も徹底解説
鵞足炎については→鵞足炎の原因とは?症状や治療方法、リハビリも徹底解説!
成長痛の対処に湿布は有効?
成長痛の対処法としては、親御さんが患部をさすってあげたり、抱きしめてあげると痛みが早く和らぎます。
湿布を貼ると安心感もありますので、用法容量を守って使用しても問題はありません。
児童館や保育園、学校から帰ってきたらお子さんのストレスの軽減する意味でも話を聞く時間を設けたり、スキンシップをすると良いです。
お子さんはまだまだ甘えたい年代ですので、自然と甘えられる環境作りと親子の距離感が大切です。
兄弟がいると上のお子さんは甘えにくくなりますので、態度や表情より察してたくさん甘えさせてあげてくださいね。
成長痛と上手に向き合う方法
成長痛は身体と心の成長の過程で起きるものです。
お子さんに安心感を与えられるよう、親御さんが余裕を持って対処できるように正しい知識と対処を身に付けておきましょう。
ときには感情的なストレスの発散もあるでしょう。
そんな時は「そうだね、大変だったね」と向き合って受け止めてあげましょう。
そのあとはハグなどでスキンシップしたり、痛いところに触れて温めたりすると痛みも楽になるのです。
成長痛を一緒に乗り越えて、親子の絆を深めましょう。