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公開日:2024年10月3日

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本日は鵞足炎(がそくえん)についての原因や症状、治療方法、そしてご自身で出来るリハビリ方法をお伝えいたします。

院長:伊藤良太
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鵞足炎とは?

鵞足炎とは【骨盤から膝につく4つの筋肉(半腱様筋腱・半膜様筋腱・薄筋腱・縫工筋腱)が付いている膝関節内側の炎症】により痛みを生じさせるスポーツ障害のことをいいます。

鵞足炎の位置

鵞足炎の位置

鵞足炎(鵞足滑液包炎)を招く筋肉とは?

鵞足炎を招く4つの筋肉は、歩く・走るなどの膝を上げた時に最も働く筋肉で、運動だけでなく、日常的にも常に使われているところになります。

立って生活していると休む時はないということなのです。

鵞足炎の症状

鵞足炎の症状は、

・膝を曲げると痛い
・歩く、しゃがむと痛い
・階段の上り下りが痛い
・運動後、特に膝の曲げ伸ばしが痛い
・重度になるとじっとしていても痛い…

という症状を感じます。

膝が常に痛いとなるとかなりの精神的苦痛が予想されますよね。

鵞足炎になる要因

鵞足炎になってしまう要因とはどのようなものがあるのでしょうか?

一つひとつみていきましょう!

ウォーミングアップ不足

動く前にウォーミングアップをすることは基本中の基本なのですが、時間がないとついつい短めになってしまうもの。

ウォーミングアップ不足の状態では、筋肉の柔軟性が低下したままとなっています。

そのような状態で運動をしてしまうと、緊張が強いまま動くことになり滑らかな動きとならずに摩擦が強くなってしまうのです。

大人は筋肉の柔軟性が低下していますので、とくにウォーミングアップを行うことがケガ予防として大切です。

膝の向き

膝の向きと筋肉の付いている部分の関係がとても強いこの鵞足炎。

膝の向きを変えるだけで劇的に変化することもあります。

こんな言葉を聞いたことはあるでしょうか?

【ニーイントゥアウト】

膝が内側に入り、つま先は外側に向かっている状態のことを言います。

ニーイントゥアウト

こうなることで、膝の内側につく4つの筋肉の腱が歩く・走るの動作時に摩擦を生じさせ、炎症を招くことになるのです。

バスケットや陸上、サッカーなどのようにジャンプやダッシュが多い競技に多く、急停止や急加速するような動作ではかなりの負担となります。

現場で感じる印象としては、運動を始めて間もない小・中学生、細身の女の子が多いです。

指導者はニーイントゥアウトにならないような練習メニューを組み込んであげられると理想です。

日本代表女子サッカーでは一時期、膝の内側の靱帯を負傷することが多く、負傷の原因を検証した結果ニーイントゥアウトが原因だったことが判明。

動作を改善・トレーニングしたことにより、負傷する選手が少なくなりました。

膝の向きひとつでケガは予防できるのです。

足の着き方

足の着き方は膝にも影響を与えます。

足を家で例えると【基礎】の部分となります。

その基礎が揺らぐとどうなるでしょう。

上の部分が不安定になりますよね?

身体でこの現象が起こると、足という基礎の不安定さにより膝が内側に入りやすくなるのです。

過回内の足の着き方になると重心が内側になり、重心が内側になることで膝も内側に入り、摩擦を強くしてしまいます。

その動きが継続的に続くことで炎症症状が生じやすくなり、痛みとなって現れてくるのです。

偏平足も足が内側に付きやすいので、同じように膝が内側に入りやすくなってしまいます。

過回内、扁平足にニーイントゥアウトが加わるとさらに膝への負担となるのです。

オーバートレーニング

過度なトレーニングやケア不足により筋肉内に疲労物質が溜まると筋肉の柔軟性は低下します。

すると筋肉は硬くなると同時に、筋肉と骨をつなぐ腱はつねに引っ張られる状態になり膝の内側への摩擦を強くしてしまいます。

ウォーミングアップ不足と同じような現象が患部では起こるのです。

でもここで一つ大きな違いがあります。

ウォーミングアップ不足の場合は、動きを継続することにより筋肉の柔軟性は向上していくのですが、疲労により硬くなってしまった筋肉では、動きを続けることでかえって痛みなどの症状を強くしてしまうことになるのです。

きちんとした準備とケアが必要なのです。

鵞足炎のテスト方法

画像による診断は特になく、問診と動作の確認により診断することが可能です。

動作ではしゃがむ、立って膝を曲げて膝の内側に痛みを感じた時には鵞足炎と判断して良いでしょう。

ですが、細かなところまで見える超音波(エコー)で患部をみると、細かく骨の表面に傷がついているのがお分かりでしょうか?

レントゲンではみえませんが実はこのように骨の表面である骨膜には何かしらの損傷があるということなのです。

これでは痛みや炎症が起こるのも納得ですよね。

鵞足炎と間違いやすい症状

鵞足炎と近い個所で起きやすい疲労骨折は、症状だけでの識別は難しいのですが、レントゲンにより比較的簡単に見分けることができます。

エコーではレントゲンより、さら小さい骨の損傷もみることができます。

骨の表面がギザギザして傷ついている

そして、とても近い個所として内側側副靱帯の損傷の疑うこともあります。

鵞足炎と内側側副靱帯損傷の違いを見分けるには「膝関節外反ストレス」という検査で見分けることができます。

矢印の方向に同時にゆっくり力を加えて内側が痛い時には、内側側副靱帯の損傷が疑われる

歩いたり膝を曲げると痛い、または違和感を感じる症状として半月板の損傷もあります。

痛めた原因により識別はだいたいは可能ですが、良くなるまでの期間を短くする意味でもはっきりと判断が出来ない場合には、きちんとMRIにて詳しく患部を診てもらう必要があるでしょう。

注射やシップの効果

病院を受診をすると注射やシップでの治療となりますが、持続する効果は残念ながら一時的となってしまいます。

注射や薬というのは《今感じている症状を楽にするのが目的であって、根本的なアプローチにはならない》のです。

「試合にどうしても出たい!」という場合にはとても効果的ですが、継続での治療となると適切とは言えないでしょう。

ドクターも同じことを言っています。

湿布は患部を触ってみて熱がある時や腫れている時にはとても効果的ですが、継続して使用すると皮膚が荒れことにもなりますので、【その場しのぎ】くらいの認識で使用すると良いでしょう。

院長:伊藤良太
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