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ケガやスポーツをした後に足首が腫れ、その症状がなかなか改善されないと、何か深刻な病気になってしまったのではないかととても心配ですよね。
そして思い当たる原因がないのに足首が腫れても驚くことでしょう。
足首の腫れは足全体の動きがスムーズにならなくなったり、痛みが継続すると日常生活の支障になってしまうリスクもあります。
今回は、足首の腫れの原因と早く治す3つのポイントを詳しくお伝えしていきます。
Contents
足首が腫れている原因とは
足首が腫れている原因には
が考えられ、それぞれ特徴ある症状もありますので、一つひとつ見ていきましょう。
捻挫や骨折
足首の腫れにもっともよく起こる原因は捻挫や骨折です。
捻挫は転倒やスポーツ時などで足首をひねるケガのことを言い、その際に関節部分の靭帯や周辺組織が損傷してしまい内出血による腫れや熱感、痛みを伴います。
骨折となると捻挫よりもさらに大きく組織の損傷を伴いますので、腫れや痛みも強く、しかも時間を空けずにすぐ出てくるのも大きな特徴です。
腫れ=組織の損傷です。
放置せずに適切な対処・処置を受けましょう。
捻挫をしたときの処置方法についてはこちらをご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
骨折を早く治す方法はこちら。
→手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます
むくみ
足首のむくみは、余分な水分が排泄できずに足首の内部に溜まり、それが血管を圧迫して足首が腫れる症状のことを言います。
むくみの原因には筋力低下や運動不足によるものがほとんどですが、中には腎臓の働きが弱っている可能性もあるため、足首ばかりではなく内臓系の疾患のリスクも考慮しておく必要があります。
普段、運動習慣のない方はウォーキングや水中歩行をするとむくみ解消につながるでしょう。
むくみについての関連記事はこちらをご覧ください。
→産後の足のむくみ(浮腫)を解消!原因に応じた対処法【7選】をご紹介!
後脛骨筋腱炎
後脛骨筋腱とは、足関節の内側のくるぶしの後方から下側にかけて通っている腱(青色)のことを言います。
ランニングやジャンプ、ウォーキングや長時間の立ち仕事などで、脛骨筋腱に強い負荷がかかると、炎症を起こして足首の腫れや痛み、しびれの症状が出てきます。
階段の登り降りでも痛みを感じるため、日常生活でも支障をきたしてしまう足首の障害です。
後脛骨筋腱炎について詳しくはこちらをご覧ください。
→後脛骨筋腱炎の原因、症状とは?治療や対処法、治らない理由を解説!
腓骨筋腱炎
腓骨筋腱炎はジャンプ動作に多く出やすいスポーツ障害で、外くるぶし周辺に腫れがあり、つま先立ちや歩行時に痛みを感じます。
足首を通っている腱がジャンプやつま先立ちの際に負担がかかり、繰り返しによって摩擦が強くなると腫れや痛みなどの症状が出てくるのです。
詳しくはこちらをご覧ください。
→外くるぶしの下を押す(歩く)と痛いのはなぜ?症状からみる原因と対処法
滑液包炎
滑液包炎とは、足首の前の部分にある、関節の摩擦を減らすための袋・滑液包に炎症が起こった障害です。
激しい運動や無理な動きはもちろん、つま先を付いての方向転換やジャンプ動作、長時間の正座など、足首に強く負担をかけることで起こりやすく、腫れと痛み、押すと痛いなどの症状を伴います。
痛みの出方が捻挫と似ているのでしばしば間違われることもあり、対処が遅れてしまうこともある障害です。
変形性足関節症
変形性足関節症は、足首の関節の軟骨がすり減り、関節に痛みを生じる状態関節症です。
変形性足関節症による足首の腫れは、加齢やO脚、繰り返し起こる捻挫や骨折などが原因で起こり、足首の腫れや痛みが慢性化し、さらに進行すると、スムーズな歩行さえもできなくなってしまいます。
変形性足関節症についてはこちらをご覧ください。
→変形性足関節症の原因と対処法をご紹介!手術を回避するためにできること。
痛風
痛風は生活習慣病にも指定されている病気で、特に中高年に多い疾患です。
原因は肥満や暴飲暴食などが原因で起こると言われていて、一昔前は「贅沢病」とも言われていました。
痛風は足首が突然腫れて、触れるだけれも激痛を伴うため、歩行時には脚が地面につけないほどです。
薬により症状はすぐに緩和しますが、根本的な対策を講じないと再び症状もぶり返すことも珍しくありません。
ドクターにきちんと指示を仰ぎ、日常生活の改善を行いましょう。
蜂窩織炎
蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは、足首の皮膚の皮下組織にて細菌が増殖して起こる急性感染症のことを言い、細菌の増殖によって皮膚や血管が圧迫され、腫れや痛みが生じます。
足首の皮膚に傷があったり、免疫力が低下している人に起こりやすく、足首の腫れや痛みの他にも、発熱や倦怠感、皮膚の赤みや熱感などが生じることもあります。
湿布やアイシングなどの処置では不十分ですので、すぐに病院を受診しましょう。
リウマチ
リウマチはウイルスや細菌を自分の身体から退治するために働きかける免疫機能が過剰に作用してしまう病気です。
リウマチは骨の破壊や足首の関節の変形につながりやすいため、早めに症状を理解し、早期の診断・治療を受けることが足首の腫れを早く治すポイントになります。
血液検査ですぐに診断がつきますので、もし症状に当てはまる場合には早期に検査を受けることを強くお勧めします。
糖尿病
糖尿病は足の血管が狭くなり、血液の流れや神経の機能が弱くなるため、腫瘍によって足首に腫れが生じ、細菌や真菌の感染につながるリスクがあります。
そのまま放置していると、指先や足首が壊死(えし:組織が腐ること)してしまい最悪手術で指や足首から先を切断するリスクがあるため早期に適切な治療が必要です。
日頃から食事制限や生活習慣の改善が必要となります。
脂肪腫
脂肪腫は足首の皮膚の皮下に生じる軟部組織の腫瘍のことを言い、腫瘍によって足首の腫れが生じます。
脂肪腫はほとんどの場合、良性とされていますが、特に40~50代の女性や肥満傾向にある人にも多く見られやすい傾向です。
放置していても脂肪腫が無くなることはありませんので、治療方法は基本的に手術となり、脂肪腫の大きさによって手術で切開する範囲も様々です。
脂肪腫のサイズが小さい場合には、切開の痕が残らないこともあるでしょう。
足首の腫れを早く治す方法
足首の腫れを早く治す方法には、
- 原因を知ること
- 適切な対処をすること
- 自己判断・処置をしないこと
という3つのポイントが挙げられます。
ここでは足首の腫れを早く治すために重要な3つのポイントについて見ていきましょう。
原因を知ること
足首の腫れに気付いた際は、原因と考えられることを一つひとつ丁寧に見ていく必要があります。
- 腫れる前に運動をしたのか
- 患部の状態は熱があるのか、またはないのか
- 歩行時の足のつき方はどうか
- 食事に偏りはないか
- 腫れは局所か、または足首全体のなのか
などなど詳しく見ていくと原因はすぐにわかるもの。
治療・施術に必要なのは《なぜ足首が腫れているのか?》を早期に発見することです。
話を聞いてくれる、またはしっかりと検査をしてくれる先生を選びましょう。
適切な対処をする
原因さえわかればその後の対処もスムーズに移行でき、足首の腫れもすぐに治るでしょう。
原因と対処方法がわかるとセルフで出来ることも見つけられ、
ここに内
- 患部を冷やす
- 無理な動きを制限して安静を保つ
などの対策をご自身で行えて、患部を冷やすことで炎症や痛み、腫れを緩和し、長期的な痛みや腫れの未然予防にもつなげていけるでしょう。
また足首の腫れは、ストレスや食習慣の乱れ、運動不足によるものが原因となることもあるため、
- 栄養バランスの取れた食事
- 適度な運動習慣
- ストレスを溜めない
などの生活習慣の見直し・改善も必要となるケースもあるでしょう。
自己判断・処置は症状を長引かす
足首の腫れは、男女の性別や年代にかかわらず、ちょっとしたきっかけでも生じることが多いので、よくあることだと楽観視して放置してしまうこともある場合も珍しくありません。
足首に腫れがあるのに、間違った自己判断で放置や処置をすると、捻挫や関節の異状が出て、それが長引かせている患者さんもいらっしゃいます。
足首の腫れは決して自己判断や間違った処置、放置をせずに、症状が続くようでしたら先生にみてもらうようにしましょう。
足首のどこが腫れている?
足首のどこが腫れているかによっても原因や対処法を見つけることができますので、腫れの場所が出やすい外側、内側(内くるぶし)、全体、のそれぞれについて見ていきましょう。
外側
足首の外側が腫れている場合は、
- 捻挫や骨折
- 腓骨筋腱炎
- 滑液包炎
の可能性が考えられます。
捻挫や骨折は明らかな原因がありますので見極めも簡単ですが、腓骨筋腱炎や滑液包炎をそれぞれ間違った処置にならないよう先生には「いつから・どうすると痛いのか」をきちんと伝えましょう。
内側(内くるぶし)
足首の内側(内くるぶし)が腫れている場合は、後脛骨筋症候群や後脛骨筋腱炎の可能性が考えられます。
内くるぶし側にある腱が激しい運動や繰り返しのジャンプなどの動作によって足首に負担がかかり、内くるぶしが腫れるのです。
安静と運動量の調節により早期に腫れは引きますので先生の指示に従いましょう。
足首全体
足首全体の腫れで考えられる原因には
- むくみ
- 変形性足関節症
- 痛風
- 蜂窩織炎
- リウマチ
- 糖尿病
が挙げられます。
「足首全体に腫れが生じる」というのは一つの共通点ですが、緊急性を要するものも含まれており、自己判断は大変危険です。
日常生活に支障をきたすほどの症状がある場合には迷わず病院を受診しましょう。
なお、脂肪腫に関して決まったところには出現せず、ポコっと皮膚から出ている時には脂肪腫を疑い、皮膚科に受診してください。
足首が腫れているけど痛くない理由
足首が腫れていても、痛みを感じないケースは意外にもあるものです。
その理由は、
- むくみ
- 良性の腫瘍、病気である
- 滑液やヒアルロン酸により潤滑が十分なため
でもあります。
ただ足首の腫れは急に痛みを生じることもあるため、念のため先生にみてもらうのが良いでしょう。
【まとめ】足首の腫れについて
本記事では、足首の腫れる原因と早く治す方法ついてお伝えしてきました。
足首の腫れは、
- 患部を冷やすなどの適切なセルフケアを行う
- 運動や激しい動作を控え、安静期間を保つ
- 自己判断や間違った処置、放置をしない
などの対処により適切な治療・施術が受けられ、治るまでの期間が早くなるのです。
日常生活に支障なく、スポーツも安心して楽しむために、誰にでも起こり得る足首の腫れの予防・対処法をもう一度見直してみてくださいね。