ボクサー骨折とは?原因や症状、よくある疑問アレコレにお答えします!
カテゴリー:肩・肘・手首の痛み
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【ボクサー骨折】と言うと、「ボクシング中に起こりやすい骨折のこと?」とイメージする方も多いのではないでしょうか?
ボクサー骨折(中手骨骨折)はボクシングをはじめ、空手などの拳を使うスポーツに生じやすい骨折のことを言いますが、スポーツ以外の日常生活でも起こり得るケースがあるのです。
今回はボクサー骨折(中手骨骨折)の原因や症状、よくある疑問アレコレにお答えしていきますので、是非とも参考にしていただければと思います。
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Contents
ボクサー骨折(中手骨骨折)とは
ボクサー骨折(中手骨骨折)とは、
- ボクシング
- 空手
- 柔道
などで主に生じ、競技の最中に相手を殴打した際に手の骨である中手骨がこぶしの近くにある頸部(写真参照)で骨が折れた状態のことを言います。
折れやすい部位は小指・薬指が特に多く、ハードパンチャーでは中指・人差し指、場合によっては親指でも起こり得ます。
ボクサー骨折(中手骨骨折)は実際には、ボクシングで生じることが意外に少ないと言われ、
- ゲームセンターのパンチングマシン
- ケンカなど
の原因が多く、成長期のお子さまや若い年代の人も気を付けておきたいケガのひとつとなっています。
ゲームセンターでいいところを見せようと、思いっきりパンチすると痛い目に遭うかもしれませんので、パンチが不慣れな方は要注意です。
ボクサー骨折(中手骨骨折)の原因と症状
続いて、ボクサー骨折(中手骨骨折)の原因と症状について見ていきましょう。
ボクサー骨折(中手骨骨折)の原因
ボクサー骨折(中手骨骨折)は、繰り返しの強いパンチ動作によって、中手骨に過度な外力が加わることが原因です。
ただし当たりどころが悪かったり、最大の力でパンチをした場合には、わずか1回のパンチ動作でも起こり得ることがあります。
パンチは通常、中手骨にかかる外力は縦軸の方向(緑矢印)に緩衝されていくのですが、パンチの当たる位置によって、中手骨にかかる外力が、中手骨の頸部(赤方向)にダイレクトに伝わると、ボクサー骨折(中手骨骨折)が生じるのです。
中手骨の中でも、特に細い構造となっている小指や薬指にボクサー骨折(中手骨骨折)は多く、パンチ以外にも、
- ハンドルを握ったまま正面衝突する車の事故
- 拳を突いた転落による事故
- 拳を握った状態の手の甲と指の関節部に強い外力が加わった時
などが原因になることもあります。
ボクサー骨折(中手骨骨折)の症状
ボクサー骨折(中手骨骨折)になるとすぐに
- 腫れと内出血
- 指を動かすと激痛、または動かせない
- 押しても激痛
- ジンジン、ズキズキ痛む
- 変形
などの症状が現れます。
パンチや転倒などで痛めた場合には、本人も指に何かしらの感覚、例えばボキッとした感覚や中で何かがズレた感覚などを感じることでしょう。
ボクサー骨折(中手骨骨折)の仕事復帰の目安
ボクサー骨折(中手骨骨折)の仕事復帰の目安はどのくらいになるのでしょうか。
ボクサー骨折(中手骨骨折)を生じてから仕事に復帰できるまでは、骨の癒合(ゆごう)の状態と関節機能の回復を見て判断されるため、個人差があります。
早めに仕事に復帰するためには、
- 適切な固定と安静期間
- 固定をしながらのリハビリ
- 糖質の制限
などを適切に行いましょう。
仕事の内容にもよりますが、適切な固定を行いながら指を酷使しない仕事であれば早期の復帰が可能です。
ですが、デスクワークや物を持つ・握る動作が多い仕事では、早くても復帰までの期間は4週間ほどかかるとみた方が良いでしょう。
骨折を早く治す方法はこちらをご覧ください。
→手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます
ボクサー骨折(中手骨骨折)に関する疑問アレコレ
ボクサー骨折(中手骨骨折)に関する疑問アレコレにお答えします。
放置するとどうなるの?
ボクサー骨折(中手骨骨折)は単純な打撲やぶつけた際には大きな変形を伴わないため、ただの打撲だと思い、放置してしまうケースも少なくはありません。
ボクサー骨折(中手骨骨折)は、関節付近の骨折であるため指を曲げる動作に大きく支障をきたし、放置してしまうと、
- 指が完全に曲げられない
- 脱臼骨折を生じることがある
- 長期にわたって痛みや不快感が続く
- 皮膚の赤みや腫れが生じ、見た目の変化が出ることも
などのリスクがあります。
ボクサー骨折(中手骨骨折)は変形を伴っている場合には整復(骨を元の位置に戻すこと)が必要になるため、同じような痛みや症状が3日以上続く場合、自己判断せずに先生に見てもらうようにしましょう。
指の症状の関連記事はこちら。
→指の変形性関節症とは?主な症状と原因、よくある疑問にお答えします
後遺症はあるの?
ボクサー骨折(中手骨骨折)を生じると、
- 拳を含めた手の甲の先端部分が腫れたままに見える
- 指が以前のようにスムーズに動かせない、指が動かしにくくなる
- 指が完全に曲がらない
- 手の形が変形する(骨折部がへこんでいるなど)
などの後遺症リスクがあリます。
指が完全に曲げられなくなると物を持つ・握る時に不具合を感じ、変形が残ると見た目にもストレスを感じることでしょう。
後遺症の関連記事はこちら。
→鎖骨骨折の後遺症とは?治療法や全治期間、よくある疑問にお答えします
サポーターは効果的?
ボクサー骨折(中手骨骨折)のサポーターによる対処は、サポーターを固定用として使うのか、または固定が外れた後も使うのかで用途は変わります。
固定用として使う場合には、しっかりと固定する必要のある骨折ですので、骨折部がズレないよう先生の指示に従って使いましょう。
下記のサポーターは指の固定・保護はもちろん、手首への負担軽減となりますので、固定と保ちつつ指を使うにはオススメです。
次にご紹介するサポーターは固定の時期は終わり、使い初めのうちを助けてくれるものになります。
指は制限なく動かせるけども患部を押すと痛かったり、まだ固定が欲しい時には最適です。
サポーターとの付き合い方は、装着していて邪魔と感じる時には身体から「もうサポーターは着けなくていいよ」というメッセージですので、外して作業を行ってみてください。
サポーターの関連記事はこちら。
手術の費用は?
ボクサー骨折(中手骨骨折)の手術費用の目安は、
- 1割負担の場合:17,000円前後
- 3割負担の場合:50,000円前後
となっています。
術式や状態により変動しますので、あくまでも《目安》としてご覧ください。
手術は日帰り?それとも泊まり?
ボクサー骨折(中手骨骨折)の手術が日帰りか泊りなのかは、骨折した患部だけでなく、全身の状態も考慮して判断されるでしょう。
日帰り手術の場合は、術前や術後の注意事項などの説明が丁寧に受け、最近ではスケジュールの相談も可能になっている病院も多くなっています。
ボクサー骨折(中手骨骨折)のテーピングの巻き方
ボクサー骨折(中手骨骨折)のテーピングの巻き方も合わせてご紹介します。
テーピングを巻く時期というのは固定が外れ、指も患部も動かせるタイミングからになりますので、参考までにご覧ください。
※ご紹介する指は小指になりますが、薬指も同じようん貼り方になります。
テーピングの目的は
- 指の動きのサポート
- 痛みの軽減
- 患部の保護
- 心理的安心
です。
用意するものは25ミリ幅の伸びるテーピングになります。
無い場合には50ミリ幅のものを半分に切ってお使いください。
1:第二関節下と手首にそれぞれ1本巻く
2:小指側から手首にかけて少し伸ばしながら貼る(掌・甲側両方とも)
3:1と同じように貼って押さえる
固定力をアップするには、2を少しずらして2本貼ってください。
【まとめ】ボクサー骨折(中手骨骨折)について
ボクサー骨折(中手骨骨折)は後遺症を残すと、家事や仕事で日々酷使する指の動きに支障をきたす骨折でもあります。
心配な後遺症や長期にわたる痛みや皮膚の腫れ、変形を防ぐためにも、しっかりとした固定と適切なリハビリを先生の指示のもと行いましょう。