肉離れの治療期間は?症状別に治るまでの期間や早く治すコツをご紹介。
カテゴリー:お勉強シリーズ
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肉離れは筋肉や筋膜が断裂して腫れや強い痛みが生じるケガのため、治るまでの期間がどれくらいかかるのか不安に感じることもあるでしょう。
肉離れは患部の状態や症状、原因を理解して、早めの応急処置や適切な治療・施術を受けると、治療期間(治るまで)を短くすることが可能です。
ここでは肉離れの治療期間や症状別に治るまでの目安期間、早く肉離れを治すコツについてお伝えしていきます。
肉離れと筋肉痛の違いについてはこちらをご覧ください。
Contents
肉離れの治療期間(治るまで何日)とは
肉離れの治療期間(治るまで何日)を、軽度・中度・重度それぞれを見ていきましょう。
歩ける軽度
肉離れになっても歩ける軽度の場合は適切な治療・施術を行いながら、軽い筋トレやストレッチなど刺激を加えるなどのリハビリを行い、徐々に運動レベルを上げることで、2週間程度で以前と同じレベルにまで戻ります。
痛めた際に患部では、「ピリッ」や「ズキッ」とした、何かが裂けたような感覚があるでしょう。
写真は軽度の肉離れで「歩けるけど痛い」という症状で、白い線が切れているところが肉離れの箇所です。
個人差はあるものの、軽度であれば放置していても肉離れを起こして2週間程度で以前と同じように動けるようになるでしょう。
しかし、放置による自然治癒では再び肉離れを起こすリスクは高い状態となりますので、筋肉痛よりも強い痛みの場合には先生に見てもらいましょう。
肉離れは足だけでなく、背中に起きる場合も。
詳しくはこちらをご覧ください。
→背中が肉離れに!?原因や対処法、治るまでの期間を柔道整復師が詳しく解説!
なんとか歩ける中度
肉離れでもなんとか歩くことができる中度の場合は、損傷を受けた筋肉の修復までに数日〜数週間、その後くっついた筋肉が完全に伸ばせるようになるまでさらに数週間を要し、治療期間としての目安は4週から、長くて2ヶ月程度かかることもあるでしょう。
太ももの裏などの深い部分に起きた肉離れは、表層の肉離れよりもアプローチが届かないため、多少治るまでの期間が変わります。(といっても数日程度)
中度の肉離れになると、内出血が痛めたところよりも下(重力で下に下がるため)に数日経過して現れるでしょう。
歩けない重度
肉離れで歩けないほど重度の状態にある際には、きちんとした固定と動き始めの時期をしっかりと見極めなければなりません。
※写真は重度の肉離れの内出血です。
リハビリなどのストレッチでは再度負傷する(再断裂)ことはありませんが、運動復帰の時期を見誤ると再度同じところが肉離れを起こす恐れがあるため、症状と患部の状態をしっかりと確認しながら、そして患者さんは焦らずに治療・施術を受けましょう。
重度の肉離れでは、治るまでに2ヶ月以上かかるケースもあります。
肉離れは自然治癒するのか?
肉離れは自然治癒するのでしょうか?
結論、肉離れは自然治癒します。
ですが、自然治癒(放置)するということは、患部の断裂した筋肉の筋繊維がくっついた状態のままですので、柔軟性が失われた状態と言えます。
そして「筋繊維がくっついた」というのは良いことなのですが、稀にその筋繊維が「しこり」を作ってしまうことも。
そのしこりも柔軟性のない塊ですので、再断裂を起こしやすい状態なのです。
ですが自然治癒でも
- 患部の固定と安静
- 血流を促進する
- 十分なストレッチ
- 適度な刺激
- 筋繊維の修復を補う食事
によってしこりなく治癒し、再断裂しない例もあるでしょう。
肉離れを早く治すコツ
肉離れを早く治すコツには、
- 適切な固定と安静
- 動き始めるタイミングを見極めておく
- 痛くても動いて良い時間を知っておく
の3つがあります。
肉離れを早く治す、3つのコツをそれぞれ見ていきましょう。
固定と安静
肉離れを起こした後は、炎症物質の分泌と内出血を最小限に抑えるためできるだけ早めに、
- 包帯やラップなどを使って圧迫固定をする
- 軽度の場合には包帯やテーピングで筋肉のサポート
を行い、固定と安静期間を設けましょう。
最初の処置が治るまでの期間の長短を決めるといっても過言ではありません。
自己判断や放置がお勧めできないのも、そのような理由からなのです。
動き始めるタイミング
肉離れは固定がなくなって、動けるようになるまでの見極めが難しいと言えるでしょう。
なぜなら固定からの動き始めは痛みを感じるため《もう少し固定が必要なのでは⁉︎》と感じて、必要以上に固定の期間を長くしてしまうためです。
固定が必要以上に長くなると治るまでの期間も長くなるということ。
治るまでの期間を短くするには先生の経験と判断が必要ですので、アドバイスに従いながら治療・施術する方が賢明でしょう。
痛くても動いていい時期
肉離れに痛みがあっても、適切な応急処置や安静期間、治療・施術を受けていれば、適度に患部を動かすことで回復が早まります。
その中でも注意が必要なのは
- どの程度の痛みなら動いて良いのか
- どのくらい患部へ負荷をかけていいのか
の2点なります。
動くと治りは早くなりますが、痛みに耐えながら動くと際断裂のリスクがある、という相反することにもなりかねません。
先生の指示やアドバイスを聞きながら動くようにしましょう。
肉離れがなかなか治らない理由を知りたい方はこちらをご覧ください。
→ハムストリングの肉離れが完治せず、慢性的に痛み、治らない原因
肉離れの症状を早く治すストレッチ
肉離れの症状を早く治すストレッチも合わせてご紹介します。
同時に肉離れは筋肉の柔軟性が失われても起こるケガですので、運動前にも行ってみてくださいね。
→筋肉を柔らかくするセルフ施術をご紹介!筋肉にオススメのプロテイン3選
肉離れの症状を早く治すストレッチの部位は
- 太もも裏
- 太もも前
- ふくらはぎ
になります。
それぞれ見ていきましょう。
太もも裏のストレッチ
- 片側の足をイスやソファーの上に伸ばして置く
- 足首を立てて、上半身を前かがみにする
- 太ももの裏側の伸びを意識しながら、正しい姿勢をキープ
- 気持ちよさを感じる間行う
痛みに耐えながら行うと筋肉は緊張しやすくなり、さらに伸びが悪くなりますので注意は必要です。
ストレッチをさらに効果的にする方法はこちらをご覧ください。
→間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?
太もも前のストレッチ
- 背筋を伸ばして立ち、片方のヒザを曲げてかかとをお尻につける
- 太ももの前側の伸びを感じるところで曲げた状態のままキープする
- 気持ちよさを感じる間行う
ふくらはぎのストレッチ
- 厚みがある本を重ねたり、台になる箱を用意して、その上につま先を乗せ、体重をかける
- ふくらはぎからアキレス腱までの伸ばす
- 気持ちよさを感じる間行う
肉離れの部位別重症度判定方法
ハムストリング(太ももの裏)や太ももの前(太腿四頭筋)、ふくらはぎは肉離れが起こりやすい部位です。
ここでは肉離れが起こりやすい部位の重症度を判定する方法についてお伝えします。
ハムストリングス
ハムストリングを肉離れした場合、重症だと判断できる症状には次のようなものがあります。
- 仰向けに寝た状態で、地面から30度程度までしか脚を上げることができない
- うつぶせ寝の状態で、45度以上膝を曲げることができない
- 患部に凹みがある
何かが切れたような感覚や激痛を感じ、歩くのもままならない状態になる場合がほとんどです。
数日後には広範囲に内出血が出て、時間の経過とともにふくらはぎまで広がるでしょう。
太ももの前(大腿四頭筋)
太ももの前(太腿四頭筋)の肉離れが重度だと判断できる症状には、
- うつ伏せになり、45度に膝を曲げると強い痛みを感じる、または曲げられない
- 太ももの前(太腿四頭筋)を押すと強い痛みを感じる
- 自発痛(安静にしていても痛みが出ること)が生じる
- 片足で膝を(少しでも)曲げて踏ん張ることはできない
などがあります。
そのほか、何かの拍子に太ももの前に何かが切れた感覚を感じることでしょう。
ふくらはぎ
ふくらはぎの肉離れが重症だと判定できる症状は、次のようなものがあります
- 発症の際に、ブチッという断裂音がした
- 患部に凹みがある
- 足首を伸ばしたままにしないと歩けない(もちろんつま先立ちはできない)
内出血は表層の場合、翌日に出てきますが、深い箇所の時には数日かけて現れ、アキレス腱付近にみられるでしょう。
肉離れが重症の時には患部に「なんかが切れた感覚と音」を同時に感じるため、重症度を測る一つの大きな目安になります。
肉離れに関するQ&A
肉離れに関するQ&A、
- 早く治す食べ物
- しこりの取り方
- 後遺症を治す方法
など、よくある疑問にお答えしていきます。
肉離れを早く治す食べ物は?
肉離れは瞬間的に筋膜や筋肉が過度に伸ばされて、その一部が切れてしまうケガです。
筋膜や筋肉を構成するために欠かせない、コラーゲンやタンパク質、ビタミンC含有の、次のような食べ物を積極的に補うようにしましょう
- 30%のコラーゲンを含むタンパク質が豊富な、肉や魚、魚介類や乳製品、大豆製品
- 骨や関節の強化、ケガの回復に働きかけるコラーゲンが豊富な、魚や肉の皮
- 関節や腱、靱帯の強化に働きかけるビタミンC含有の青菜や緑黄色野菜、フルーツ
食事で摂ることが難しい場合にはプロテインやサプリメントを利用しても良いでしょう。
プロテインについてはこちらをご覧ください。
→タンパク質の6つの効果と植物性プロテインをオススメする理由
肉離れでできたしこりの取り方は?
肉離れでできたしこりは、
- 圧迫
- 温める
ことで血液の循環が良くなり、しこりが目立たなくなる、または消失します。
できることなら、しこりが出来ないように治療・施術を進めていくべきですので、しっかりと先生の指示に従いましょう。
しこりをセルフで緩める方法は下記の記事の「筋肉を緩める方法」の項を実践してみてください。
→ハムストリングの肉離れが完治せず、慢性的に痛み、治らない原因
肉離れの後遺症を治す方法は?
肉離れの後遺症には
- 患部周辺のツッパリ感や違和感
- 動きや再発に対する恐怖心
などの症状があり、同時に再発の恐れもあるため、後遺症にならないような治療・施術が必要なのです。
そのためには、
- 受傷後の適切な応急処置と治療・施術
- 患部の筋力強化と回復
- 運動前後のストレッチ
- 異状を感じたら自己判断しない
ことが大切でしょう。
セルフでできることには限界があります。
そのような時には、プロの技術と経験、知識を借りて早期に症状回復に努めていただければ幸いです。
【まとめ】肉離れの治療期間について
本記事では肉離れの治療期間(治るまで何日)や早く治すコツなどをお伝えしてきました。
肉離れの正しい応急処置や安静期間、治療・施術を受けると治るまでの期間が短くなるのです。
肉離れが治っても再発しないための対策と予防をしながら運動や日常生活を送っていただければと思います。