打撲とは?原因と症状、一般的な治療法や早く治す方法をお伝えします。
カテゴリー:お勉強シリーズ
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打撲は身体のあらゆる部位に生じ、コンタクトスポーツや事故、つまづいての転倒などで起こりやすいケガのひとつです。
ここでは打撲の原因や症状、早く治すための方法の解説、疑問アレコレについてわかりやすくお伝えしていきます。
捻挫についてはこちら。
Contents
打撲とは
打撲とはどのようなケガなのでしょうか?
打撲の原因や症状について見ていきましょう。
原因
打撲は、
- コンタクトスポーツ
- 交通事故
- 転倒
- 硬いものにぶつけた
などで起こります。
打撲は身体の部位にかかわらずに生じるケガで、打ち身と呼ばれることがあり、頭や目に受けた衝撃からの打撲はより重篤な症状になるケースもあるでしょう。
頭部の打撲に関する記事はこちら。
→赤ちゃんにたんこぶが…!?様子別に見る症状と対処法を解説します。
症状
打撲は生じた部位によって症状が異っています。
ここでは太ももや目、手足や頭部それぞれの打撲の症状について見ていきましょう。
- 太ももの打撲の場合:痛みや腫れ、内出血、熱感、しゃがめない、など
- 目(眼部打撲)の打撲の場合:目の痛みやかすみ、視力の低下や頭部(目)からの出血など
- 手足の打撲の場合:腫れや痛み、皮下出血、動作時の痛み、など
- 頭部の打撲の場合:ズキズキ、じんじんとするような頭痛、頭蓋内出血、意識障害、健忘や記憶障害、めまいやふらつき、麻痺など
また打撲が生じると、その部位にかかわらずに皮膚に内出血が起こり、「患部を含めた動きがスムーズできない」などの共通した症状が出るでしょう。
内出血について詳しくはこちら。
→青あざの治る期間の目安は?早く治すためにできることをご紹介!
打撲の応急処置と一般的な治療法
打撲の応急処置と一般的な治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。
コンタクトスポーツや転倒、事故などで打撲になってしまった場合は、早急な応急処置や適切な治療・施術を受けることで早期回復につながりますので、知識として知っていただければと思います。
打撲の応急処置
打撲をしまったらできるだけ早く、患部を氷水などで冷やしましょう。
アイシングをすることで痛みや熱感、そして内出血と腫れを最小限に抑えます。
アイシングは治療の第一歩です。
すぐに行いましょう
アイシングについてはこちらをご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
また打撲をしたら太もも以外ではできるだけ患部を動かさないように、安静を保つことが大切です。
打撲した部位に、
- 激しい痛みがある
- 患部に変形が見られる
- 大きな傷ができている
などの場合は、脱臼や骨折の可能性が考えられるため、患部を布やラップ等で固定し、早めに先生に見てもらいましょう。
打撲と骨折の見分け方はこちら。
→打撲と骨折の見分け方とは?見た目や症状の違い、部位別の見分け方をご紹介
そして「太もも以外」とお伝えした理由はこちらに詳しくご紹介しています。
→ももかんって何?正式名称や原因と症状、対処法をわかりやすく解説!
打撲の一般的な治療
打撲の一般的な治療には、内出血を早期吸収を促したり、損傷した部位の組織の回復を活性するために、
- マッサージ
- 電気治療
- 超音波治療
- 鍼治療
などが行われるでしょう。
マッサージや電気治療では状態や症状に応じて行い、超音波治療では打撲した翌日より行っても構いません。
鍼治療では患部にアプローチしないことも可能ですので安心して受けられるでしょう。
打撲を早く治す方法
打撲を早く治すためには、
- 応急処置であるRICE処置を行う
- 4~5日程度を目安に患部を動かさず、安静を保つ
ことが重要になります。
打撲の早期回復のために行うRICE処置は、
- 安静のREST:患部を無理に動かさずに休めること
- 冷やすことのICE:氷や保冷剤、熱を冷ます専用のシート、冷やしたタオルなどで患部を冷やす
- 圧迫のCompression:患部を押さえて固定し、腫れや内出血を最小限に抑える
- 上げることのElevation:打撲した部位を心臓よりも高い位置に上げておくことで、腫れや内出血を最小限に抑える
RICE処置は治療の第一歩ですので、打撲の際には必ず行ってほしい対処法です。
固定と安静の期間は部位や状態によって一定ではありませんので、先生と相談しながら動き始めましょう。
どこにも書いていない打撲を早く治す方法はこちらをご覧ください。
→自分で早く治す!打撲の対処法とセルフケアの方法をお伝えします!
打撲に関する疑問アレコレ
打撲に関する疑問アレコレについてもお答えしていきます。
打撲の腫れがひかないのはなぜ?
打撲による患部の腫れは数日~1、2週間程度で引くため、腫れが長期にわたって引かない場合は、
- 骨折している
- 固定やアイシングの時間や頻度、安静期間が適切でない
- 別の病気が発症している
などのリスクが考えられます。
特に骨折は見た目だけでは判断できないケースも多いため、患部の腫れが長引いている際は早めに先生に見てもらうようにしましょう。
打撲によって起こる障害についてはこちらをご覧ください。
→骨化性筋炎とは?原因やメカニズム、予防法について解説します
→異所性骨化とは?状態や見分け方、治療法などをわかりやすく解説します。
打撲と骨折の違いとは?
打撲と骨折には、次のような違いがあります。
- 打撲の場合:皮膚や筋、脂肪、血管などの軟部組織が衝撃によって損傷する
- 骨折の場合:外的な負荷や圧力が加わることによって、骨が部分的、または完全に骨の連続性を失った状態
打撲と骨折はスポーツや転倒、事故や硬いものにぶつけるなど、原因に関しては共通する部分がありますので、しっかりと見定める必要があります。
打撲と骨折に見分け方について詳しくは、こちらをご覧ください。
→打撲と骨折の見分け方とは?見た目や症状の違い、部位別の見分け方をご紹介
打撲で病院に行くべきなのは?
打撲で病院に行くべきなのは、
- 時間の経過とともに患部の腫れが強くなっている
- 痛みが変わらない、または強くなっている
- 患部の内出血が激しい
という症状が出ているケースです。
患部の状態を超音波(エコー)やMRI、CTなどで確認する必要があるでしょう。
打撲による内出血が強く出ている場合は、神経や血管が圧迫されているため、後遺症につながりかねませんので早めに適切な処置が必要です。
適切な治療をしないと、打撲によるしこりが残ることも。
詳しくはこちらをご覧ください。
→打撲のしこりの原因とは?治るまでの目安期間・してはいけない注意点を解説!
打撲の痛みはいつまで?
打撲の痛みは、程度と個人差はあるものの、軽度のものでは翌日より症状は緩和します。
中度以上では1~2週間、またはそれ以上の期間を要して軽減していくでしょう。
ただ、上記の目安期間は「何もしていないで放置している場合」です。
適切な治療・施術を受けることで、内出血や腫れ、熱感が強い重度の打撲でもそう長い期間はかかりません。
下記の写真の方も数日で普通に歩けるようになりました。
【待つことよりも、積極的な治療・施術】を受けてほしいと思います。
打撲でだんだん痛くなるのはなぜ?
打撲した直後よりも、数時間経ってからの方が痛みが強くなるという特徴があります。
痛みが強くなる原因には
- 炎症物質の分泌
- 損傷部位からの内出血の継続
- 内出血による患部の圧迫
が考えられます。
症状の緩和、炎症物質と内出血分泌を最小限に抑えるためにRICE処置が必要です。
強い打撲をしてしまった際にはRICE処置を行いましょう。
アイシングについてはこちら。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
打撲で押すと痛いのが治らないのはなぜ?
打撲した部位を押すと痛く、それが治らないのは
- 内部の損傷がすっかり治癒していないため
- 打撲以外の痛みの原因があるため
- 打撲が治った後の組織が固いため
などが考えら、打撲以外の原因というのは
- 骨化性筋炎
- 異所性骨化
- 何らかの病気
などになります。
打撲後の固い組織はしこりになり、痛みや肉離れの原因にもなりますので、詳しくはこちらをご覧ください。
→打撲のしこりの原因とは?治るまでの目安期間・してはいけない注意点を解説!
半年も打撲が治らないのはなぜ?
半年も打撲が治らないのは、
- 適切な治療・施術を受けていない
- 打撲後の組織が元に戻っていない
- 骨折やその他の組織を損傷していた
- 打撲の後遺症
が考えられます。
打撲の後遺症についてはこちらをご覧ください。
→骨化性筋炎とは?原因やメカニズム、予防法について解説します
→異所性骨化とは?状態や見分け方、治療法などをわかりやすく解説します。
【まとめ】打撲について
本記事では打撲の原因や部位別の症状、疑問アレコレについてお伝えしてきました。
重度の打撲は骨折を起こしていたり、後遺症になるおそれもあるため、万が一打撲をしてしまった際には応急処置を行なってから先生に見てもらいましょう。