手首の脱臼とは。原因や症状、見た目の状態などの疑問にお答えします
カテゴリー:肩・肘・手首の痛み
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脱臼は肩や顎に起こりやすい傾向ですが、事故や転倒などで手首に強い衝撃が加わった際には、手首でも脱臼が起こることがあるのです。
ここでは手首の脱臼について、原因や症状と見た目、治療法の解説、さまざまな疑問にお答えしていきます。
「脱臼」というケガについて詳しくはこちら。
→脱臼とは?状態や原因、起きやすい部位や治療法について解説します
Contents
手首の脱臼とは
「手首の脱臼とは」について、原因と症状、見た目の状態について見ていきましょう。
原因
手首の脱臼は、手首に強い力が加わった際に起き、
- 事故によるもの
- 転倒によるもの
- 固いものに勢いよくぶつけた
などが主な原因です。
性別や年代、体質などにかかわらずに誰しも起きうる脱臼でもあります。
関節によく起きる「捻挫」についはこちら。
症状と見た目
手首の脱臼が生じると、
- 患部周辺の痛み
- 見た目の変形
- 手首を動かす、曲げるなどの通常の動きができない
- しびれなどの感覚異常
などの症状が出るでしょう。(感覚異状は必ず起きるものではありません)
時には脱臼をしても痛みを感じないケースもあり、「本当に痛くないの?」と思わず患者さんに聞いた経験もありました。
手首の脱臼は骨が元々の位置からずれた状態のため、
- 手首周辺が不自然な方向、形に曲がっている
と見た目から何かしらの異状起きていると気づきやすいでしょう。
骨折が起きた時の主な症状や状態について詳しくはこちら。
→骨折の種類について。性状や分類、原因や治療法などをお伝えします
治療法
手首の脱臼はレントゲンにより確認され、加えて骨折の有無の確認し、そのほか症状や原因によってはMRIまたはCT検査が行われ、状態に合わせた治療法が選択されます。
手首の脱臼の主な治療法は、
- 現場から先生に見てもらう間、応急処置としてのRICE処置
- 本来の位置からずれた骨の部分をもとの位置に戻す整復、または手術
- 副木やギプス、専用の器具を使った固定
などが一般的です。
手首の脱臼が重篤な状態にある場合は、損傷部への血流を途絶えさせないために、動脈の手術で修復を図るケースもあります。
RICE処置について詳しくはこちらよりご覧ください。
→アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点
リハビリ
手首の脱臼のリハビリは、
- 関節可動域の回復
- 筋力の回復
- 手首を使うことの恐怖心や不安の克服
などの目的・必要性があり、関節の動きの幅を広げていく関節可動域訓練が主に行われます。
手首の脱臼によって筋力が著しく低下して患部を動かせない場合は、先生や療法士が患者さんの手首を動かすリハビリやマッサージが行われるでしょう。
同時に脱臼による手首を使うことによる恐怖心や不安は固定除去後より起きやすいため、日常生活の中から積極的に使っていき、次第に克服していきながら筋力の回復にも努めていく流れとなります。
手首の脱臼を自分で治す方法とは
手首の脱臼を自分で治す方法とはあるのでしょうか?
手首は日常生活では必ず使われる関節で、脱臼が起こってしまうとさまざまな影響が出てしまいます。
手首の脱臼は治療や施術を受けることが前提ですが、自分でもケアできる方法がいくつかありますので見ていきましょう。
固定が外れたら積極的に動かす
手首の脱臼は約2〜3週間の固定が必要となり、その期間内は完全に手首の動きは制限されるため、固定が取れた後は手関節に固さが残り、筋肉のこわばりも感じます。
脱臼後の固定による症状を早めに緩和するため、固定が外れたら強い負荷をかけない程度の運動、ストレッチなどを行って手首を積極的に動かすようにしましょう。
固定が外れた後に手首を積極的に動かすようにすると、関節と筋肉の柔軟性が戻り、血流が促進されて痛みやこわばり感の緩和につながります。
ここで注意しなければいけないのは【痛いから動かさない】と言う間違った判断をしないことです。
関節が固いときに動かすとどうしても痛みを感じやすいため、【痛い=動かさない方がいい】と患者さんは思います。
病院でも「痛いなら動かさない方がいい」と言う先生もいますが、きちんと状態と症状を見極めると動かすべき症状と動かさない方が良い症状の判断は簡単です。
迷った時には先生に相談して、適切なアドバイスを得るようにしましょう。
冷やすよりも温める
脱臼による固定が取れた後は冷やすよりも温めたほうが賢明です。
その理由には
- 血行が良くなる
- 痛みが和らぐ
- 関節内の組織や筋肉が緩む
などの効果が期待できるためです。
ホッカイロのような表面的な温かさよりも、お風呂に入って身体の芯から温まった方が良いでしょう。
手首の脱臼の疑問集
ここからは、手首の脱臼の疑問集にお答えしていきたいと思います。
手首が痛い時の治し方はあるの?
手首の痛みで、熱感や腫れがある場合は患部に炎症が起こっている可能性が考えられるため、
- 手首を安静に、無理に動かさないようにする
- 手首を心臓よりも高い位置に挙げる
- 手首を冷やす
ようにしましょう。
転倒や事故によって手を強くつき、それから手首の痛みがひどくなっている場合は、手首周辺の骨折の可能性も考えられるため、自己判断や放置をせずに早期に検査や治療、施術を受けるようにしましょう。
パソコンやスマホを使うと手首が痛む場合は、手首の腱鞘炎が起こっている可能性があるため、シップなどで冷やして患部の安静を保つようにしましょう。
それぞれについて詳しくはこちら。
→コーレス骨折(橈骨遠位端骨折)とは?原因や症状、分類について解説。
→舟状骨骨折について。原因や症状、治療法や早く治す方法を解説します
→腱鞘炎は安静だけでは治らない!?痛み改善と手術回避のためにできること
手をつくと手首が痛いのは普通?
手をつくと手首に痛みが出るのは、
- 手首の親指側にある腱に炎症が起きている
- 手関節のまわりにある靱帯の損傷
などが考えられるため、手をついて痛いのは通常のコンディションではないと言えます。
数日程度、手首を安静に維持しても手をついた際に痛みが出る場合は、
- 捻挫
- 骨折
- 腱鞘炎
- リウマチ
- 蜂窩織炎
などの可能性も考えられるため、早期に検査、治療や施術を受けるようにしましょう。
手首の捻挫についてはこちら。
→手首の捻挫は接・整骨院へ!完治までの期間と治らない理由を徹底解説!
手首がズレる感じは消えるの?
手首に脱臼が生じると、手首がズレたような不快感を感じることがあります。
手首がズレる感じは適切な安静期間の維持やリハビリ、ズレた骨を元の位置に戻す徒手整復で改善しやすいと考えられていますし、前腕部の筋トレを行うと関節は安定していくでしょう。
【まとめ】手首の脱臼について
本記事では手首の脱臼に関する、原因や症状、見た目や治療法などをお伝えしてきました。
手首の脱臼は骨折よりも痛みが強く出ると言われているため、お伝えした手首の脱臼の症状が見られた場合は、早期に治療や施術を受けていただければと思います。