妊娠で背中が痛いのはなぜ？主な原因と痛みを緩和するためにできること

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妊娠中の背中の痛みは多くの妊婦さんに見られる傾向ですが、原因がわからないと何か大きな病気をしているのではないかと不安に感じるでしょう。

ここでは妊娠で背中が痛い原因や、痛みを緩和するためにできることをわかりやすくお伝えしていきます。

妊娠中に関する身体の不具合についてはこちらも参考にご覧ください。

→妊娠初期の肩こりについて。原因や和らげる方法、注意点とは？

院長：伊藤良太

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妊娠で背中が痛い原因

妊娠で背中が痛い原因には何があるのでしょうか？

あるデータでは、妊娠中の背中の痛みは、80％もの女性が経験するということです。

それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

姿勢

妊娠すると、

• お腹が大きくなって前かがみの姿勢になりやすくなる
• お腹をかばう動作、姿勢が常になる

という状態のため、体の前側に体重がかかることが背中に大きな負荷を与え、痛みが出やすくなるのです。

お腹がでて姿勢が変わると腰も痛くなるもの。

こちらも合わせてご覧ください。

→妊婦さんの腰痛はマッサージで対応！その方法と腰痛の原因も解説！

筋力

妊娠中の背中の痛みは、下腹部の筋力不足も一因です。

その理由は、下腹部にある「腹横筋（写真：左）」と「腸腰筋（腸骨筋・大腰筋）に背中や背骨を支える役割があるため。

妊娠中にお腹をかばう動作や無理な姿勢が続くと、下腹部の筋力が弱くなって背骨を支えられなくなり、背中の痛みが出てしまうのです。

筋力が低下すると反り腰になるリスクも高くなります。

詳しくはこちら。

→反り腰の原因や改善する方法とは？ストレッチや運動を徹底解説！

ホルモン

妊娠中の背中の痛みは、赤ちゃんが骨盤をスムーズに通れるよう、リラキシンというホルモンが分泌され、このホルモンは骨盤や靭帯、背骨を緩める作用があります。

リラキシンのホルモン分泌によって関節や靭帯、骨盤がゆるむと、骨盤が不安定になって背中を支えきれず、筋肉や関節に負荷がかかって痛みが出やすくなるのです。

ホルモンで有名なのは「成長ホルモン」ですが、その作用まで詳しく知らない方も多いのではないでしょうか？

こちらもご覧ください。

→成長ホルモンとは？主な働きと増やす方法、疑問にお答えします

上の子の抱っこ

妊娠中に上の子を抱っこすると、大きくなっているお腹と上の子の両方の体重が全身にのしかかってしまいます。

妊娠中はリラキシンというホルモン分泌のよって骨盤や関節が緩みやすく、そこに上の子の抱っこと大きなお腹を庇う無理な動きの負荷が背中にのしかかって痛みが出てくるのも当然のことでしょう。

抱っこをせがまれると、仕方ないことかもしれません…

妊娠で背中が痛い時の対処法

妊娠で背中が痛い時の対処法はいくつもあります。

背中の痛みを少しずつ和らげていく、有効な対処法とそれぞれの理由を見ていきましょう。

矯正ベルト

矯正ベルトを使うと、ホルモンの影響や姿勢の乱れでゆがみが生じてしまった骨盤を矯正し、正しい姿勢を維持することができます。

背中の痛みの大元は実は腰が関係していることが多々あり、腰をサポートすると背中の痛みが消えることは珍しくありません。

ではどのように腰をサポートするのかというと、一番簡単で安価なのはサポーターです。

ただ腰に巻けば良い物ではなく、適切なところに巻かないと効果は得られません。

同時に恥骨痛にも有効ですので、詳しくはこちらをご覧ください。

→妊婦さんの恥骨痛について。原因や対処法、疑問をわかりやすく解説。

ストレッチ

妊娠で背中が痛い際には、背中にタオルやストレッチボールを当てたストレッチが有効です。

上半身を大きく伸ばしながら背中の痛みの緩和や肩こりのリフレッシュにも役立つ方法をお伝えします。

1. 両手を真上に上げる
2. 肘を曲げずに肩甲骨と一緒に腕をあげる
3. 10〜15秒キープする
   （キープしていると肩こりを感じている周辺が温かくなる）
4. 1日3～5セット繰り返す

腕を上げるときに肘の曲げ伸ばしで行ったしまうと効果はありません。

腕を上げている時に同時に肩が温かくなってくれば上手に行えたことでもあります。

ペットボトルを持って行うとさらに効果アップですので、是非とも行ってみてください

座り方や立ち方を変える

妊娠で背中が痛いのは、長時間の同じ座り方・立ち方によって背中の筋肉が凝り固まり、血行が悪くなっていることも原因のひとつです。

長時間の同じ姿勢を避け、座る・立つ・動くという動作をバランスよく行うようにしましょう。

靴選び

妊娠で背中が痛い時に甲の狭い靴やヒールのある靴を履いてしまうと、腰が前傾して反り腰が強くなり背中への負担がましてしまいます。

妊娠で背中が痛い時の靴は、

• 土踏まずのアーチをしっかりと支えてくれるもの
• ローヒールのもの
• 20分程度歩いても足の疲れを感じないもの

という特徴のあるものを選びましょう。

サイズに合った履き心地の良い靴は、正しい歩行の動き・姿勢をサポートするため、妊娠中の背中の痛み予防にも効果的です。

靴と一緒にインソールも装着するとさらに安定感は増します。

→靴と足とインソールのお話。

妊娠での背中が痛いのは病気？

妊娠での背中が痛いのは病気の可能性も否定でいません。

ここでは背中が右側・左側が痛い時に考えられる病気について解説していきます。

右側

妊娠中の背中の痛みが右側にのみ出ている場合は、

• 肝臓がん
• 肝炎
• 肝石症
• 肝のう炎

の可能性があり、肝機能が関係していると言われています。

左側

妊娠中に左側の背中が痛む場合は、

• 膵炎
• 膵臓がん
• 胃炎
• 心筋梗塞

などの可能性があり、膵臓・胃・心臓の広範囲に異状が出ている可能性があるため、早期に診察や検査を受けるようにしましょう。

「妊娠して背中が痛い」にならないために出来ること

「妊娠で背中が痛い」にならないためできることはどのようなことでしょうか。

ここでは姿勢や日常生活の過ごし方のポイントを解説していきます。

同じ姿勢で居続けない

妊娠中に背中の痛みは長時間の同じ姿勢が原因となることをお伝えしました。

この原因をなくしていくためにも、

• 立ち方：足を5㎝幅くらいに開き無理のない程度に背筋を伸ばす
• 座り方：床の場合はお腹を圧迫しない正座やあぐら、椅子やソファの場合は深く腰かける

という体勢を心がけ、長時間の同じ姿勢による背中や骨盤への負荷を少なくしていきましょう。

重いものを持たない

妊娠で背中の痛みが出ている時に重いものを持つと、全身に負荷がかかって腰痛や首、肩にまで痛みが拡がる可能性があります。

• 買い物時にはカートを使う
• 重いものはパートナーに任せる
• 片側の手、腕ばかりを使わない

といった工夫を取りながら、妊娠中の背中への負担を極力少なくしましょう。

中腰にならない

中腰の姿勢は、最も腰に負担のかかる姿勢です。

加えてお腹が大きくなると重心が変化するために、反り腰に。

普段からの反り腰　＋　中腰姿勢　では負担は増すばかり。

腰に負担となる作業や動作はできるだけしないほうが理想的です。

高いところのものを持たない

高いところのもの持つ動作は上半身だけで持ってしまう動作となり、背中に大きな負荷をかけてしまいます。

同時にものを撮り損ねて落下してくる恐れもあるため、ケガにもつながるため、できるだけ避けたほうが良いでしょう。

抱っこ

妊娠で背中が痛い際に上の子を抱っこするときは、

• 上の子の股関節をM字開脚にする
• 子どもの頭がママの鎖骨部分に当たるように抱っこをする
• 胸に寄りかからせ、肘の内側が子どもにくっつくように抱く

というポイントを押さえておくと、腕全体で子どもを支えながらスムーズな呼吸や筋肉疲労の予防につながります。

妊娠して背中が痛くて吐き気があるのはなぜ？

妊娠して背中が痛く吐き気が出てしまうのは、以下のような原因が考えられています。

• 食べ過ぎ、飲み過ぎによる食事や栄養バランスの乱れ
• 背中の痛みのストレスによるもの
• 自律神経、ホルモンバランスの乱れ
• 内臓の疾患

長く、強く症状がある場合には迷わず病院に行きましょう。

【まとめ】妊娠で背中の痛みについて

本記事では妊娠の背中の痛みの原因、対処法について解説してきました。

妊娠中の背中の痛みはほとんどの方に出やすい傾向ですが、思わぬ病気が隠れているケースがあります。

背中の痛みの緩和や、病気の早期発見のためにも定期的に検診を受けて、健やかなマタニティライフを過ごしていただければと思います。

院長：伊藤良太

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