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公開日:2024年9月25日

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剥離骨折は、関節に強い外力を受けて腱や靭帯が骨を剥がしてしまう骨折です。

後遺症が残ることもめずらしくはありません。

ここでは剥離骨折の後遺症について、部位別に起こりやすい症状や原因、後遺障害になった場合や後遺症との違いを詳しく解説していきたいと思います。

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剥離骨折の後遺症

剥離骨折の後遺症について、部位別の原因や症状を見ていきましょう。

足首

足首の剥離骨折はスポーツ時などで足を捻った際に生じ、足首を構成している前距腓(ぜんきょひ)靭帯という靭帯が、捻った時の強い外力によって骨を剥がして起きる剥離骨折です。

足首の剥離骨折によく見られる後遺症は、

  • 患部を押した時に痛みが強く出る
  • 立つ、しゃがむ、つま先立ちなどの決まった動作で痛みが出る
  • 関節の可動域に制限される
  • 運動後に足首が腫れる、または腫れが長期にわたって続く
  • ふくらはぎの筋力が低下する
  • ある日、ある時の突然に痛みが出る

といった症状があります。

足首の剥離骨折の後遺症は、放置してしまと高い確率で残ると言えるでしょう

剥離骨折を放置した内容についてはこちらをご覧ください。

剥離骨折を放置すると?痛みや動き、部位別の後遺症についても解説。

膝の剥離骨折は膝を急に曲げて方向転換したり相手との衝突など、主にスポーツ時に多く発生する傾向です。

膝の剥離骨折を生じると、以下のような後遺症が残りやすくなります。

  • 膝やそのまわりがしびれ、感覚がなくなる感覚障害
  • 骨以外にも膝を構成する靭帯や半月板、腱や筋肉も損傷しやすくなる
  • 関節可動域制限
  • 保存療法から手術への方針転換
  • 腫れ、熱感、強い痛みが長期間にわたって続く

膝の剥離骨折の放置では、歩行が困難になるといった重度の後遺症が残るケースもあるため、早めの治療・施術を受けることが重要と言えます。

加えて、リハビリを最後まで行わないと将来、変形性膝関節症になるリスクが高くなるため、自己判断によるリハビリの終了は行わない方が良いでしょう。

変形性膝関節症についてはこちら。

変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト

肘の剥離骨折はほとんどがスポーツ時に生じますが、高所からの転落や外力に対して手を強くついた際にも起こることがあります。

肘の剥離骨折の後遺症には、

  • 肘を通常のように伸ばすことができない
  • 肘を曲げる際に引っかかるような違和感が出る
  • 患部の腫れや痛みが長く続く
  • ボールが以前のように投げられない

といった症状が残りやすくなるでしょう。

肘は日常的に使う部位のため、剥離骨折の放置はほとんど見られない傾向です。

ですが、肘の剥離骨折を生じてから自己判断で治療・施術を受けるまでの期間を開けてしまうと食事や着替えなどささいな動きにも支障をきたすことがあります。

肘の剥離骨折についてはこちらをご覧ください。

肘の剥離骨折について。原因や全治期間、ならないためにできること。

指の剥離骨折は日常的にも起こりやすく、事故や転倒、スポーツ時でも簡単に起こり得る骨折といって良いでしょう。

受傷後は内出血や痛みがすぐに出ますが、日常生活では大きな支障をきたさないこともあり、比較的放置してしまう剥離骨折でもあります。

いつまでも腫れや痛みが続くので、先生に見てもらうと「実は剥離骨折だった」なんてことも起きる部位でもあるのです。

指の剥離骨折で残りやすい後遺症は主に放置してしまうことが原因で、

  • 指が不自然に曲がり、通常のように伸ばせないマレットフィンガー
  • 指を完全に曲げたり、伸ばすことができなくなる関節可動域制限
  • 患部の腫れ、痛みがなかなか引かない
  • 剥がれた骨の癒合までに長い時間がかかる

などが残りやすくなるでしょう。

剥離骨折は部位にかかわらずに適切な応急処置をしない、安静時間を取らない、自己判断による放置などで後遺症のリスクが格段と高まります。

その中でも指は、受傷後の放置や治療・施術の遅れで後遺症が特に残りやすい傾向です。

マレットフィンガーについて詳しくはこちら。

マレットフィンガーの症状とは?原因と治療法、よくある疑問にお答えします

剥離骨折で後遺障害になった場合

剥離骨折の後遺障害とは交通事故によるもので、

  • 交通事故が原因であると医学的に証明された障害
  • 労働能力の低下や損失が認められた障害
  • 自賠責の投球に該当するもの
  • 6ヶ月以上剥離骨折の治療、施術を受けている
  • 痛み、腫れ、関節可動域制限などの症状が一貫して続いている

という定義や条件があります。

一見同じような意味にとれる剥離骨折の後遺症は、病気やケガの治療をした後に残った異状や障害、症状を指し後遺障害とは明確な違いがあるのです。

剥離骨折の後遺障害になると1級~14級までの等級によって慰謝料を請求することが可能になります

剥離骨折の後遺症は気づかないからなってしまう?

剥離骨折の後遺症は気づかないからなってしまうのでしょうか?

剥離骨折は軽微なケースもあり、早い段階で気づけないことも原因のひとつと言えるでしょう。

またいつもとは違う症状に気付いていても自己判断で放置してしまうため、

  • 関節面の不整癒合
  • 骨折部のまわりの軟部組織の損傷
  • 骨の癒合が一般的な回復期間の目安よりも遅くなる
  • 骨の形状が変形したまま癒合する

という影響が出て後遺症が残りやすくなるのです。

特に指は「生活できているから様子を見てみよう」となるため、適切な治療・施術が遅れてしまい、最終的には手術に移行すること。

加えて、痛くはないけど伸ばせない、曲げられないなどの症状も残りますが、普段の生活には支障がないため、そのまま放置する方も少なくありません。

指以外の部位では日常生活に大きく支障をきたすため、見過ごされることは少ないと言ってよいでしょう。

参考までに鎖骨骨折の後遺症についてもご覧ください。

鎖骨骨折の後遺症とは?治療法や全治期間、よくある疑問にお答えします

剥離骨折の後遺症は自然に治るのか?

「剥離骨折の後遺症は自然に治るのか?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。

結論、【剥離骨折の後遺症は、自然には治らない】と思った方が賢明です。

なぜなら、

  • 剥離骨折した骨片が適切な部位に戻っていない、くっ付いていない

からです。

元の位置、適切な位置に骨片(剥がれた骨のかけら)が戻っていなければ後遺症もなくなるとは考えにくいでしょう。

もちろん、後遺症が出てからもリハビリを継続していくと次第には軽減していきますが、自然に治るというのはなかなかない例です。

指は伸ばせない、曲がらない、足首は痛みが何かと長期的に続く、またはある動作で痛みが出る。

肘も伸ばせなかったり、曲げられなかったり、膝も同様に関節可動域に制限が残ったり、動くと痛みや腫れが出たりするでしょう。

「自然に治る」というのはとても難しいことと認識していただければと思います。

【まとめ】剥離骨折の後遺症について

本記事では剥離骨折の後遺症について、部位別に見る原因や症状をお伝えしてきました。

剥離骨折の後遺症は放置や治療・施術の遅れなどで生じやすくなり、日常生活を過ごす上での支障になります。

スポーツや転倒時に圧痛・腫れや内出血などを生じた際には剥離骨折の可能性も否定できませんので、早期に先生に見てもらい後遺症を未然に予防しましょう。

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